東野圭吾著 
               『真夏の方程式』
 




                 2013-10-25



(作品は、東野圭吾 「真夏の方程式」  文藝春秋による。)

            

 初出 「週刊文春」2010年1月〜11月。
 本書 2011年(平成23年)6月刊行。

 東野圭吾:
 
 1958年大阪生まれ。大阪府立大学工学部卒。85年、エンジニアとして企業に勤務しながら「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。99年「秘密」で日本推理作家協会賞、2006年「容疑者Xの献身」で直木賞、2012年「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で中央公論文芸賞を受賞。その他の著書に「宿命」「白夜行」「手紙」「流星の絆」「マスカレード・ホテル」「探偵ガリレオ」に始まるガリレオ・シリーズ、「麒麟の翼」に代表される加賀恭一郎シリーズなどがある。

主な登場人物

湯川学 帝都大学物理学科准教授。デスメック(海底金属鉱物資源機構)の依頼で玻璃ケ浦での説明会にオブザーバーとして参加。
草薙警部補 本庁の刑事。湯川とは大学時代の友人。多々良管理官から先行して塚原事件の情報収集を任される。
内海薫 後輩の女性刑事。湯川との関係で草薙の相棒として呼ばれる。

柄崎恭平
母親 由里
父親 敬一

小学5年生、伯父の家(“緑岩荘”)で夏を過ごそうとやってくる途中、車中湯川と遭遇する。
両親はブティックを経営している。
川畑節子は敬一の姉(9つ違い)。母親は異なる。

川畑成実
(30歳)
母親 節子
(54歳)
父親 重治

成実は東京出身、中3の時戻ってきて玻璃ケ浦の海を護る推進活動に参加している。
重治は玻璃ケ浦で“緑岩荘”の旅館を営む2代目。寂れゆく土地での経営は苦しい。

沢村元也 家業の電器屋を手伝いながらフリーライター。玻璃ケ浦の海を護る推進活動の中心人物。
玻璃警察署

・西口剛(つよし) 刑事、この町の出身で成実と同級生。
・元山係長

県警本部 ・磯部警部 県警本部捜査一係 係長。
塚原正次
(61歳)
“緑岩荘”の宿泊者。海岸の岩場で死亡しているのが発見される。警視庁捜査一課多々良管理官の恩人であった。
仙波英俊 16年前元ホステス三宅伸子殺しで懲役8年の実刑。

物語の概要(図書館の紹介記事より)
 
 夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごす少年・恭平。湯川も、その宿に滞在することに。翌朝、宿泊客が変死体で見つかり…。事件は、事故か殺人か。湯川が気づいた真相とは。ガリレオシリーズ、待望の最新長編。

読後感

 ガリレオシリーズで小説上で湯川の人物像を知るのは初めてというより5年前に掲載した「容疑者Xの献身」があった以来ということに。今回は草薙、内海薫とドラマと共に懐かしい名前が出てくることもおなじみという感じで読めた。
 
 それにしても湯川学の人物像はちょっと冷たく、取っつきにくい印象を受けたのはどんなものか。でもラストでの対成美、対恭平に見せた姿は間違いなく一貫したもののようであった。刑事物の終わり方とはちょっと異なる結末にいいのかなあ?とも。
 話の内容はミステリーらしく、最後まで読者を飽きさせないで引き込んでいくのはさすが。

  

余談:

 この作品は最近映画にもなっていて、予告編を見るとなんだか映画の方が面白そうな感じを受けた。やはり映像の力はすごい。ガリレオシリーズのテレビドラマの影響もあろうし、福山雅治の人気も大きいだろう。こんな所からやっぱり小説は地味なのかなあと思ったりも。

背景画は、映画の予告編からの一シーン。

                    

                          

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