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余談: 本作品の訳をした福田恒在による解説がヘミングウェイを理解するのに役に立つ・以下に記しておこう。 「老人と海」の背景 ・目に見える外面的なもの以外はなにも描くまいと決心しているようです。 心の中に立ち入って、人の眼にふれぬものを引き出してやろうとする主観的な同情はぜんぜんありません。 なるほどサンチャゴの独白や心理描写はありますが、それらはつねに外面的行動に直結しております。 心理描写といっても、ひとつの行動にはひとつの心理しかないと断定しうるような心理描写であり、ひとつの行動からいくとおりもの心理を憶測しうるというような、そういう複雑であいまいな、いいかえると弁解がましい心理描写ではありません。 すべてが単純明快です。老人が実際におこなったこと、そしてその周囲にたしかに存在した事物、それ以外はなにも描かれておらず、またそれだけはひとつ残らず描かれているようなたしかさを感じます。 |
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背景画は、作品の舞台となったキューバとメキシコ湾周辺の地図(グーグル)を利用。 |