1964年千葉県生まれ。2006年「サッカーボーイズ 再会のグランド」でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズは、累計40万部を超えるベストセラーになる。他の著書に、「帰宅部ボーイズ」「ホームグラウンド」「最近、空を見上げていない」「ここからはじまる」など多数。
主な登場人物:
大学卒業し、春から社会人としてスタート。しかしたった1ヶ月で辞表を出す。 文哉高校3年の時、父親と衝突、大学は下宿で一人暮らしに。仕送りは送られ続けた。
東京の不動産会社勤務、営業職からその後人事畑に。 文哉小2、宏美小5の時、離婚。文哉と宏美は父親と一緒に暮らすことに。文哉大学2年生の時、退職(50過ぎたばかり)、千葉南房総にひとり引っ越す。
坂田和海(かずみ) <ぶっきらぼう>
坂田凪子(なぎこ) 母親 夕子(没)
和海の姉(夕子)の子。和海の母親と暮らしている。メダカを育てることと、流木を利用した作品を作っている。 ・夕子 凪子と二人舟で海に出て、夕子は海に落ち死亡。 (親子心中のつもり?の噂も)
・寺島 70過ぎの男性。 ・永井 70才超えの女性。 ・東、梅本、稲垣(ハチの駆除依頼)
物語の概要:(図書館の紹介記事より。) 霊安室で対面した父は、なぜか記憶とはまるで違う風貌をしていた。文哉は、疎遠になっていた父の足跡をたどりはじめる。不器用な父が、息子に託したものとは。海辺の町で、知らない父が生きていた…。 読後感: 両親が離婚し、父親の方で文哉と姉の宏美の三人暮らし。しかし家族でありながらお互いを理解しようとする努力に欠けていて、三人とも孤立していた。宏美は早々と家を出て北海道に、文哉も大学は下宿を選び一人暮らしに。残された父親の芳雄は、50過ぎで長年勤めていた会社を辞め、千葉に行ってしまう。 そんな時、見知らぬ男から、父の死を知らされて、千葉に向かう文哉。 そこから、芳雄の生き様を知ることが始まる。 葬式の仕方、遺品の整理や父親が亡くなったときの後始末の諸々、初めて経験することばかりが文哉一人にのしかかってきて、頼りの姉は遠い北海道で相談もままならない。 そんな中、電話で知らせてきた“ぶっきらぼう’こと坂田和海の親切心に甘えて生活の生き方を教わり、金もない生活でどのような暮らしが出来るかを教わることになる。 そして最大の関心事、父親の芳雄がこの地でどのように暮らし、何をしようとしていたかを知ることとなる。 亡くなって初めて父親のことを知ることとなる文哉。反省しても遅すぎることを悟ることに。 高校3年の時、父親に「何が楽しくて生きているのか?」と問い「少なくとも、あなたのような人生は送りたくない」と言った文哉が、芳雄の生き様を知り、どのように感じたか。小説のラストでは・・・。
本作品は2015年2月に刊行され、その後「海が見える家」(2017.8)、「海が見える家それから」(2020.8)、「海が見える家逆風」(2021.9)が刊行されていて、 「海が見える家」(小学館文庫)では、小学館から刊行された「波に乗る」を改題し、加筆・改稿したものとあった。 その後の作品には、図書館の紹介記事では 「入社1ヶ月で会社を辞めた文哉が、急逝した父が残した南房総の海が見える家で暮らし始めて1年。」 「会社を辞めた文哉は、急逝した父が遺した南房総の家で暮らして3年目を迎えた。起業した文哉の人生は順風に見えたが、直撃した台風によって生活は一変。文哉は地域の人と復旧作業に取り組んでいく。そんなとき、学生時代の知人の訪問を受け…。」 となっていく。 余談2:
素人の作業、家の平屋の壁のペンキ塗装ぶり、スズメバチの駆除ぶりなどの描写は、自身の経験ぶりと同じで、もっと若かったら便利屋を志向していたかった。