<兎の眼>
主な登場人物:
小谷芙美先生 |
姫松小学校1年4組の担任。大学を出、結婚してまもない、22歳、美人で泣き虫の若い先生。 |
足立先生 |
2年生の受持ち先生。先生の間では余り評判良くないが、生徒達には絶大な人気がある。髪は長く、背広ネクタイからはほど遠い服装、教員ヤクザ。 |
臼井鉄三 |
小谷先生のクラスの子。学校のすぐ裏の灰燼処理所に住み、ハエを飼っているハエ博士。教室ではほとんど口をきかないし、ときに粗暴な行為をするかわりもん。両親はいない、世の中で誰も可愛がってくれるものがいない。 |
バクじいさん |
鉄三のおじいさん。若い時のつらい裏切りの罪を背負いながらも、やさしい眼を持つ老人。 |
物語の展開:
姫松小学校1年4組のクラスには色々問題が起きる。それらのことに対し、小谷先生は紆余曲折しながらも、次第に自分も成長させ、子供達の心を開かせて、子供達に慕われる先生へと変わっていく。
読後感:
足立先生のクラスの教え方に感動するも、他の先生方が真似をさせて貰いますとか、教えて頂きたいとか言うのに対し、小谷先生はとても勉強になりましたとはいうが、「でも先生の真似はしません。苦しんでも自分で考えて、自分でつくりだすようにします」とはっきりいう。若くていちずで子供達に真っ正面からぶつかつていくそんな行動には、自然と応援したくなる。
みなこという障害児を養護学校に行くまでの間、小谷学級で預かったことで、子供達に変化を起こさせる、本当はこんな教育ができるのが望ましいのだが、世の中とは悲しいものだ。
作品全体を流れる作者の暖かなやさしさが伝わってきて、ほのぼのとした気持ちにさせてくれる。やはり児童書として子供にも読ませてやりたい本である。
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