初出 「小説幻冬」(2020年10月〜2021年9月)に連載された作品を大幅に 加筆修正したもの。 本書 2022年(令和4年)2月刊行。
藤岡陽子:(本書による)
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が、宮本輝氏選考の北日本文学賞の選奨を受ける。09年「いつまでも白い羽根」でデビュー。著書に「手のひらの音符」「晴れたらいいね」「おしょりん」「満天のゴール」「跳べ、暁!」「きのうのオレンジ」などがある。
江堀市水柄(みずえ)小学校六年二組の担任、26歳。 教師歴5年、こちらに赴任してきて初めての高学年を担当。 六年二組は問題のあるクラスだった。 パレスMIZUEのアパートに住む。
・木下校長、小堺副校長 ・相庭直人(なおと) 六年一組の担任。ひかりに対し、「なにもしないこと。3年我慢すれば移動できる」と。 ・黒金 五年一組の担任。
・高柳優美(ゆみ)学級委員。母子家庭 ・スミス宙(ソウ) アメリカ人の男子。学級委員。 ・今田真亜紅(マアク)切れると暴発する。 母親:異国人で日本語が分からない。 姉のアイリン:高校一年生。マアクとアイリン、父親が異なる。タガロイ語も日本語も理解でき、調整役を担う。 ・グエン・ロン 5年生の途中、ベトナムから来日。日本語の理解に難がある。 ・佐内大河 不登校児。母子家庭。 ・青井文香 母親は、今田真亜紅と同じクラスに約束が違うと。今田がいると勉強に集中できないと。 ・土井理乃
Kと呼ばれ、元水柄小学校に在学。 担任教師に反抗し、学級崩壊を起こしたことがある。 かってアイリンと同級生だった。
岩田洋二殺しの捜査を担当する刑事。 ・益子 若い方。 ・伊藤 年配の方。
小学生にも家庭の事情を含め色んな問題があるのに、この学校では校長や、副校長の行動が一向に現れてこないことにちょっと意外を感じた。 澤木ひかりを精神的に支えてくれた水野養護教師の存在が大きいことを感じると共に、水野先生にも隠し事をしなければいけない、ひかりの心情もさぞや苦しかっただろう。 インド独立の父、マハトマ・カンジーの言葉「あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい」の引用がまぶしい。