<主な登場人物>
瀧靖春(主人公)
妻 真希
父親
母親
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武蔵野中央署刑事課強行犯捜査係係長、警部補、50歳。
・妻の真希は市役所勤務、地元出身。
・父親は武蔵野市議の議員であったが脳梗塞で倒れ退職、リハビリ中。勝村とは長年のライバル。
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野田あかね |
この春交番勤務から刑事課に引き上げられた、26歳。
生真面目、やる気十分。
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武蔵野中央署 |
・田沢刑事課課長。
・小熊刑事。刑事課の若手の刑事。
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長崎稔 |
瀧とは大学時代の同級生。姪の恵が行方不明の件で瀧に相談に来る。 |
長崎恵 |
長崎稔の兄貴(群馬在住)の娘で東京の大学に通う、東京に来て3年の20歳、一人暮らし。教員志望で学習塾の講師のバイトをしているが、突然行方不明に。 |
勝村
妻
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武蔵野市議の現役最年長市議。自宅の隣に事務所を構えている。
・榎 事務所スタッフ。
・藤沢奈々 事務所のスタッフ。
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<物語の概要>(図書館の紹介記事より)
ベテラン刑事の瀧靖春が、ある日署の交通課の前で旧友を見かけ、事情を聞くと、姪の行方がわからないという。新人刑事の教育もかねて2人だけの捜査を始めると…。「地元」に潜む牙に刑事が挑む、異色の警察小説。
<読後感>
舞台は東京吉祥寺、最近何かと好ましい街としてテレビにも取り上げられていて、地元出身の瀧が警視庁から父親の面倒をみる必要から地元に異動を希望し、街の守護者として働こうと戻ってきた街で、事件とも事件でないかもわからない事件を新人刑事の野田あかねの教育係を兼ねて調べ出す。
吉祥寺の風景、詳細の描写も興味深いし、野田あかねのキャラもこの後どんな展開を示すのかもおもしろい。
第2章から何か流れの異なる描写が挿入されている。あとからはその理由がわかるのだろうとは思えるが、犯人側(?)の様子が描写されているようだ。ちょっと変わった作風である。
事件が10年ごとに繰り返される行方不明事件と思われる段になると父親のアドバイスが効果を現し犯人に近づけることに。ここでも父と子の確執が現れる。
野田あかねは、聞き取りでもその場の雰囲気を察することなく、くそ真面目で焦って先を急いだり、疑問に感じたことをすぐ口に出す、結論を急ぎ、メモ魔、素直でどん欲なタイプ、論理的に考えるタイプと何とも扱いにくい相手だが、ラスト近くいざという時にあかねに助けられる様は読者のこころがくすぐられる。
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