堂場瞬一著  『灰の旋律』
 



                2016-01-25




  (作品は、堂場瞬一  『灰の旋律』    PHP研究所による。)


         
  本書 2009年(平成21年)6月刊行。書き下ろし作品。

  堂場瞬一:(本書より)

 
1963年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋「8年」にて第13回小説すばる新人賞を受賞。主な作品に、「久遠」(上・下)「断絶」(以上、中央公論新社)、「青の悔恨」「BOSS」「天空の祝宴」(以上、PHP研究所)など多数。

主な登場人物:
真崎薫(32歳)

今年神奈川県警を辞め、探偵事務所を開く。
中山秋補から矢吹を見つけ出す依頼を受ける。

中山秋補

真崎の依頼人。”サンライズ”というレコード会社のプロダクトマネージャー。
矢吹に新しいバンドのプロデュースを依頼していたが、レコーディングの初日に現れず。

<YBC>バンド 日本に本格的なブルーズロックを紹介して有名な伝説的バンド。アルバムを2枚だけ出し、その後アメリカに渡り(70年頃)、その後空中分解。
矢吹調(59歳) プロデューサー。
平島茂 ギター担当。
石丸秀 ボーカル担当。
上田 ベース担当。
金井 ドラム担当。
赤澤奈津 真崎薫の彼女。加賀町(山手署の隣の管轄)署刑事課の刑事。
柴田克夫 真崎薫の捜査一課時代の先輩。
安東博康 弁護士。

楊貞姫
(ヤン・ジェン・ジー)

(日本名 高木紀久子)新世界飯店の店主。

物語の概要(図書館の紹介記事より)

 
神奈川県警を辞し、探偵事務所の看板を掲げた真崎のもとに、失踪した音楽プロデューサーを捜して欲しいとの依頼が舞い込む…。みたび、猟犬が横浜の街を奔り、音楽業界の闇に迫る。

読後感

 音楽、特にロックに関する知識など無い中で理解不能のうちに読んでいたが、どうやらYBCと言うバンドの解散にまつわり、どうしてそうなったのか、その後のバンドの仲間たちの様子(人生そのもの)を調べるはめに。そして特に探索依頼をされた矢吹という音楽プロデューサーとの付き合いから次第に、矢吹が人間性に複雑な物を持ち合わせながらも、嫌いじゃないものを感じてくる。
 しかも自分も誰かに貶められるに至り、矢吹を見つける仕事は終わったのに事件に巻き込まれていく。果たして事の真相はいかに?
 音楽の世界という未知の世界の話ではあったが、楽団の仲間の生き様、確執はどんな世界にも存在していて愛と友情の結末とも言える。 

余談:

 堂場瞬一作品には色んなシリーズがある。真崎薫シリーズ(神奈川県警→私立探偵)には
 ・蒼の悔恨
 ・青の懺悔
 ・灰の旋律 がある。
 今までに何シリーズか異なるものを読んで来たが、何となく雰囲気の違いを感じた。PHP研究書発行と言うのも関係しているのかしら? こんな処も気をつけてみたい。

背景画は、作品中主人公が乗り回していたというシボレートレイルブレイザー。

                    

                          

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