知念実希人著 『仮面病棟』



              2018-03-25


(作品は、知念実希人著 『仮面病棟』       実業之日本社文庫による。)

         

   本書 2014年(平成26年)12月刊行。書き下ろし作品。 

 知念実希人
(ちねん・みきと)
(本書より)
 
 1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を「レゾン・デートル」で受賞。’12年、同作を改題、「誰がための刃」で作家デビュー。著書に「ブラッドライン」「優しい死神の飼い方」「天久鷹央の推理カルテ」がある。注目の新鋭医療ミステリー作家。   

主な登場人物:

速水秀悟<主人公>

調布第一総合病院勤務の外科医。バイトで田所病院の当直医をしている。たまたま先輩の小堺医師から当直を代わるよう頼まれた夜に事件に巻き込まれる。

田所三郎 田所病院の院長。狛江市郊外で療養型病院。5階建て、60名の病床病院。
東野良子 田所病院の看護師。
佐々木香 田所病院の看護師。30歳前後。
ピエロ 拳銃を持ったコンビニ強盗。逃走時女を拉致し田所病院に立て籠もる。
川崎愛美(まなみ) ピエロに腹を打たれ田所病院に連れてこられた女性。女子大の教育学科の19歳。
小堺司 調布第一総合病院泌尿器科医師。たまたま手術の関係で当直を速水秀悟に依頼の先輩。
刑事

・角倉 立て籠もり犯との交渉役。
・金本 事情聴取の刑事。

物語の概要:(図書館の紹介記事より。)

 拳銃で撃たれた女を連れて、ピエロ男が病院に籠城。怒濤のドンデン返しの連続。一気読み必至の医療サスペンス、文庫書き下ろし。  

読後感:

 いかにも気楽に読めるエンタメミステリー作品である。ピエロの面をかぶったコンビニ強盗犯が女に拳銃を撃って怪我をさせ田所病院に逃げ込んでくる。たまたま当直を代わったばかりに遭遇する事件。しかし病院の設備の異常さ(療養型病院なのに大学病院並みの手術室の設備)に疑問。携帯電話は圏外になって警察に連絡できないとか、電話も回線が切断されていたり、院長はピエロの言うがままに警察に連絡するのを避けたり、院長と二人の看護師の秘密めいた行動とか。
 一方、ピエロは二人居るのではの疑いも。一方、秀悟は愛美に好意を抱いたりと病院内の展開は退屈させることなく翌朝にはピエロが出て行く迄転がっていくが・・。
 
余談:
 
 知念作品を読むのはこれで2作目だが、最初に手にした「螺旋の手術室」は内容的に惹かれる物があったが、今回の作品は感情移入するほどのものがなく、どんでん返しは面白かったが残念。 
背景画は、森・木をテーマに。(自然いっぱいの素材集より)

           
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