朝日新聞朝刊の小説欄に昭和49年10月14日から八ヶ月間にわたって連載。 昭和53年(1978年)2月刊行。
有吉佐和子: 1931年(昭和6年)1月20日生まれ、和歌山市出身。カトリック教徒。母親秋津の存在が大きい。「紀ノ川」は昭和45年の作品であるので、「複合汚染」は後の小説である。
◇書き留めておきたい言葉を参考に記しておく:
・有機農業・・農薬も、化学肥料も使わない農業。 ・化学肥料を使うと小物の成育はいい。但し、ひ弱な野菜や果物が生まれる。 ・土・・・化学肥料と農薬を使い続けると、土も力がなくなって死ぬ。やっぱり堆肥。 ・米余りの問題・・備蓄にたえない。化学肥料で育てた米は、3年以上の保存に耐えない。 ・土とミミズ・・土はミミズの口から入って外へ出るとまた土になる。前と後で土の性質がまるで違う。ミズの体内の分泌液によって豊かな黒い土になる。出て来た土は細かい団粒状、空気が通りやすく、ふわふわと柔らかなものになる。 ・肥沃な土・・有機質を多く含んでいる土壌のこと。みみずは有機質の多い土を好んで集まってくる。 ・化学肥料を使うと土は酸性になる。土が酸性になると様々な要素が抜ける。カルシウム、土が本来持っているカリウムもなくなる。マンガンや硼素のような微量元素も抜けてしまう。・・みみずは酸性の土を嫌う。中和させるために石灰を使うと土がカチカチに固まってしまう。 ・生体濃縮 ・食物連鎖 ・コンパニオン・プランツ=仲良し
昨年の1月に床の補修を頼んだ時に、大工さんが持ってきて下さった、無農薬のキャベツの美味しかったこと。外は虫が食っているかも知れないけれど大丈夫と言われ、パンに挟んで食べてもしゃきしゃきとしてこんなに美味しいなんてと感心したことを思い出す。