◇ 読後感:
日頃図書館をよく利用している者として「図書館戦争」という表題の小説がどんな内容の者か興味を持った。
読みだして図書隊員とか防衛員、関東図書基地とかメディア良化法とかなじめない言葉に戸惑う。読み進む内に昔の図書に対する悪書を取り締まったり、検閲制度のような体制側と図書館の意義を貫くせめぎ合いを取り扱っていることが理解できた。
それと共に、感情的で直情的な新隊員である笠原郁と何かにつけ要領がよく、でも憎めない性格の相棒柴崎麻子、同じ防衛特殊班に配属となった頭が良くて、努力家で正論を吐く手塚光との間の毛嫌い、敵視同士のトラブル。指導教官の堂上、小牧の取り合わせの妙。錬成教官の総責任者の玄田たちの指導要領の泣き笑いが楽しい。
郁が図書隊、特に防衛員志望の理由が高校3年の時、本屋で欲しかった本を購入しようとして手に取った瞬間、良化特務機関の隊員が検閲行為を執行!と。とっさに郁は万引きの汚名をきて守ろうとしたところ見つかり取り上げられようとした。その時に現れた正義の人、関東図書隊の隊員が味方。「万引きの汚名を着てまでこの本を守ろうとしたのは君だ」の言葉にころっ。面接でその話を披露。その結果・・・。
最後の方でその正義の人は実は・・・・であったとは。
郁の落ち込んでもへこんでも、そのままへこたれていることだけはない性格、即決即断速攻が性分が引き起こす諸々相手との出来事は、読んでいて痛快この上なく元気をもらえる作品でもあった。
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