有川浩著 
             『県庁おもてなし課』 






                 
2012-03-25



  (作品は、有川浩著 『県庁おもてなし課』 幻冬舎による。)

            


 初出 高知新聞(2009年9月〜2010年5月)、 山梨日々新聞、岩手日報、などに順次掲載されたものを改稿したもの。
 本書 2011年(平成23年)3月刊行。


有川浩(ありかわひろ):(本作品の記述より抜粋)

 高知県生まれ。 第10回電撃小説大賞「塩の街wish on my precious」で2004年デビュー。 2作目の「空の中」が恩田陸 ・ 大森望はじめ読書界諸氏より絶賛を浴び、 「図書館戦争」シリーズで大ブレイク。
 他著作に「シアター!2」「フリーター、家を買う」「植物図鑑」等がある。

 

<主な登場人物>
 
掛水史貴(ふみたか) 入社3年目の25歳。おもてなし課で最も若い。吉門喬介のパイプ役を行っているが民間感覚についていけないでいる。
明神多紀

県庁の総務部県政情報課でアルバイト中、契約が切れるタイミングでおもてなし課に臨時職員として採用される。
掛水と二人で吉門喬介とのパイプ役を仰せつかる。おもてなし課では唯一の民間人である。

おもてなし課の人々

高知県庁観光部に「おもてなし課」発足。
・下元邦宏(しももとくにひろ)課長 40歳。
・近森  掛水の2年先輩。

吉門喬介

関東在住高知県出身の作家。おもてなし課から「観光特使」を依頼されあれこれ注文を出している。
清遠和政とは子連れ結婚の母親の方の子。佐和とは微妙な立場にある。

清遠和政
娘 佐和

当初高知県庁に勤めていたが、「パンダ誘致論者」などが因で閉職に追いやられ、10年前に退社。観光コンサルタントとして活躍中。
子連れ結婚後、離婚、佐和と民宿を営んでいる。


<作品の概要> 図書館の紹介より

 とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。 若手職員 ・ 掛水は、 地方振興企画の手始めに、 人気作家に観光特使を依頼するが…。 史上初、ふるさとに恋する観光小説。 著者待望の最新刊。

<読後感>

 今まで読んだことのないジャンルの作品かな。実際に小説に展開されることをネタに高知県を観光都市に持って行こうとする架空?の小説でもあり、一方で恋愛小説でもある。
 読んでいてああ実社会でもこんな風に仕事を進めないと思い返したり、苦いようなおもしろいような複雑な気持ちにさせられる。こんなにうまくいけば?と思ってもしてしまう。

 話題沸騰、12万部突破と帯文。ホントかなあと図書館の予約を見たら相当なもの。これじゃ図書館なんかでは借りられそうにない。人気作家なのかこちらが知らないだけなのか。
 テレビで見た「フリーター家を買う」がこの作家のものかと知ってこの作家のものも読んでみようと思った。

   

余談:
 
 先日(1/17)の芥川賞の受賞作品に関しての石原都知事と反発していた田中慎弥氏の話はおもしろかった。作家ってそれくらいの風変わり性が無くてはおもしろいものは出来ないと思うし、一方でそんな人ばっかりでも困る。ほんわかと温かい優しい気持ちにしてくれる作品も是非あって欲しいし、要は読者は欲張りなもの。
 世の中の状態によってどっちが支持されるかそれぞれ。この作品もこんなに支持されていると言うことは世の中がそういうものを求めていると言うことか。

         背景画は本作品にも出てきた高知県馬路村の、農業協同組合のポスターより。             

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