物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
両親の不仲に心を痛める航平。本当の想いを打ち明けることなく別れ、気まずいままの大和と柊子。倒産、離婚、失恋、そして…。クリスマスにもたらされるささやかな奇跡の連鎖。有川浩が贈るハートフル・クリスマス。
読後感:
両親が不仲の間での子供である大和俊介、田所航平を巡り、関係する人達との交わりを通し、子供服メーカーの「エンジェル・メーカー」を舞台に物語が展開する。
大和は航平より3周り程度大人ゆえに多少のゆとりはあるけれど、航平と向かい合うと同等の世界で向かい合うことに。航平も子供なのに全く大人のごとく大和や柊子に接する。
「エンジェル・メーカー」(社長西山英代)の倒産を覚悟した12月25日の残り迄の間に「エンジェル・メーカー」の従業員の活動様子。サイドビジネスで行っている学童保育のスクールの生徒田所航平の家庭のもめ事に介入することになった柊子と大和そして二人の間の生い立ちの違いが問題に。関連して大和の父親祐二が母親圭子と別居し、さらには離婚の危機に。祐二は「坂本整体院」(坂本冬美院長)で見習いで働いているが、ここも借金の取り立てに閉めようとしているし、常連患者大嶽と祐二の冬美先生を巡る思いも交差して事件が舞い降りてくる。
著者の優しさはこの取り立て屋の「赤木ファイナンス」(社長赤木守)の社長や従業員の三人にもめくばりされている。一見やくざ風ではあるけれど大和の心意気を感じたり・・・。ラストの展開はハートフル・クリスマスとあるもちょっぴり厳しい現実の姿に引き締まる思いが。
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