物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
幼稚園児が遺体で見つかった。警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。主婦・保奈美は、大切なひとり娘も狙われるのでは、と恐怖を覚え…。娘を守るため、母がとった行動とは。
読後感:
帯文の「ラスト20ページ、世界は一変する。」がそれまで読んでいたことが「えっ!」に変わって思わずページを振り返ってしまうほど。
徴候は少し前にも。真琴っててっきり男の子と思っていたが、途中から女のこと知ってそうだったのかと。
それだけで済まず、ラストへ。
それまで不妊に苦しんだ母親に、やっと妊娠、出産で子を授かってそれ故に母親としてこの子を護りたいの思いが人一倍強い。そんな中、幼児の猟奇殺人事件が身の回りに起こり、精神的にも緊張感が漂う。
方や一見信頼のおける高校生として、学校でも、ちびっ子剣道クラブでも、バイト先のスーパーサンズマートでも活躍する姿とは別の顔を持っている真琴。
殺人事件を調べる坂口、谷崎のコンビの活動振りも、坂口のおじさん年齢と若くて頭の回転が良く前向きな刑事コンビのキャラ振りがおもしろい。
女流作家だけあって出産にまつわる描写や母親の心理の描写が生々しく、現実味を感じる。
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