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[眠れぬ夜のパソコン情話]

第四章 想い出

  第1話 雨の日には...

雨が降る日は、こころも少し曇りがち。ただ沈んでいるばかりじゃないけど、ちょっと 昔のことを想い出します。

吉祥寺駅で待っていました。その日は、大好きな人が東京を離れる日です。 台風が近づいていたようで、外は雨降り。傘の花がゆっくりと町を流れていきます。

少しばかりの花束を手に、どんな言葉をかけてやったらいいのかなぁ、なんて考えながら。
しかし、待てども待てどもその人は現れません。日曜日ということもあってか、 駅では待ち合わせをする人が多く、相手が現れるとそれは嬉しそうです。 みんな幸せなんだろうなぁ...なんて考えながら、30分、1時間と時が過ぎていきます。
別れの予感を感じながらのこの時間は、たまらなく長い時間に感じられました。
半ば諦めかけたその時、見慣れた女性が現れました。だいぶ遅れての到着でした。 どんな言葉をかけたかは覚えていません。花束を受け取った彼女はただうつむくだけ。 ただただ嬉しかった。本当に嬉しかった。来てくれたことが嬉しかった。
それから、1つの傘で吉祥寺の街へ。お気に入りのカレーの店「まめ蔵」に入り、 コーヒーを。カレーは食べたっけかな? 窓の外の風景がステキです。雨に濡れてしっとりとした路地を歩く人。 電車で行くと言った彼女の言葉を振るきり、車で。一路高速道路へ。 その日からから、東関東自動車道は慣れた道となっていきました。

その彼女とは、もう二度と会うことはないでしょう。

最近、ちょっと想い出にチクンと針を刺すような出来事がありました。けっして悪い事 じゃないんです。 むしろステキな出来事。若き日の情熱を呼び起こしてくれるような...。

ありがとう。

00.6.15記

第2話 只今執筆中です。

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