北海道採集記2006(part1)
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親子三代採集編 -
ishi


今年もやって来た、いや帰ってきた北海道!
今回は諸事情により上の娘と二人旅です。
しかし今や帰省してるのか採集に来ているのかわからない状態となってしまった(^^;
(当然採集に決まってるっしょ!)

青森港で貨物船まがいのフェリーにびびり、定員40人ですし詰め状態の船室の狭さにさらにびびる(^^;
4時間弱の船旅がこれじゃあちとしんどい・・・娘のリクエストもあり気分転換にデッキへ。
これまたデッキも狭いけれど(^^;; 広がる海、涼やかな潮風、きれいな夕日、遠くに見える大陸を眺め、やっぱり外は気持ちいい(^^)

フェリーというより貨物船・・・ 娘と夕日と津軽海峡と北海道


今年の夏は札幌の兄家族も帰省が一緒になったので、ごく自然の流れでみんなでクワガタ採りに行こう!ってな計画に♪
ポイントや道具などは準備はすべて自分にまかされたので責任重大!
何より子供が3人いるのでとにかく安全第一ということで、事前に採集時の注意点について、虫&熊の注意から持ち物、服装まで細かく指示しておいたせいか、ちょっとしたハイキング気分だった義姉をすっかりびびらせてしまったみたい(^^;;
(でもそれが決して誇張ではなかったことが後ほど証明されることに・・・)

8月14日
そして採集当日、メンバーは父、兄家族、我が娘の親子三代総勢7名での出撃となりました。
車もフォレスターとビーゴの2台体制でラフロードだってバッチリOK!
一番山慣れしているのは父で、昔電気工事業をしていた関係で山に入ったり灯火したりは日常茶飯事。今は趣味の写真登山で道南の主な山を制覇中のようだが、ある時車で入った林道を戻るとゲートが封鎖されていたため、糸ノコでチェーンを切断して脱出したという武勇伝をもっている強者だ(^^;(一応チェーンは元通りに直したそうです)

是非クワガタ達の自然な姿を子供達に見せてあげたい!
ただ夕方には戻ってお墓参りなどの行事に戻らないといけないので、まずは実績のあるポイントで採集し、残り時間で新規ポイント開拓へという二段構えの計画です。
”ゆっくり走ろう北海道”・・・いつどこにネズミ捕りが仕掛けられているかわからないのが北海道の道。
(特に道外から来たドライバーの方々はくれぐれもご用心)
限りなく制限速度なスピードでや〜っと最初のポイント到着!

予想通り林道のゲートが閉じられていたので、ここから車を置いて歩いて行く事になります。
やはり林道に入って一番の心配はヒグマだけれど、大人数だし場所的にも大丈夫かな。
(よく確認すると施錠されていなかったので後から車1台はサポートでついてくる事に)
といっても当然ながら笛、鈴、ベルの”熊よけセット”は欠かせません。
車を停めるやさっそくアブどもが集まってきて子供達がキャーキャー騒ぐ騒ぐ(^^;
みんな防虫スプレーも施して、さあいざ出発!
アブは排気ガスに寄って来ているので車を離れたらもう大丈夫OK。

林道を進むご一行 気分は林間学校♪

ほとんど林間学校のノリで林道をずんずん進んでいきます。
校長よろしく仕切っているのは我が親父殿(^^;
この林道はハルニレがメインで、以前ミヤマ達がベタベタはり付く姿を見て大感動した思い出の場所です。
是非あの再現を!・・・との思惑とは裏腹に全然いない・・・樹液も出てないような・・・
「あれれ?」
いきなり“つかみ”を思い切りはずした感じ(^^;;
ならばと一応蹴りを入れてみるものの何も落ちてこないし・・・
ちなみに今回は落下用クワガタ捕獲兵器を用意。といっても2本の園芸棒に網戸用の網を洗濯ばさみで止めただけの代物ですが果たして効果の程は!?
内心「まいったなぁ〜何とか見つけなきゃ」と徐々に募る焦りを隠しつつルッキングを続けていきます。
子供達は急にかけっこ?かズンズン先へ進んでしまいました・・・「おーい待ってくれよ(^^;」
ちょっと必死モードでなおもルッキングを続けていくとー・・・
ん、んん、「いた!」
ハルニレの上方、見えづらいけれど間違いなくクワガタのお尻が見える・・・。
後姿ではよくわからないけれどなんとなく小型のノコギリ♂っぽいかも?
早速子供達にも見せようと思ったものの、父共々みんな先行して奥に行ってしまった・・・
”おいおい折角見せ所なのに、まいったな(^^;”
そばにいた兄に声をかけると、最初なかなか見えなかったようだがわかったようだ。
満を持して捕獲に入るものの、なかなかタモ網の届くぎりぎりの高さに加え、枝の上側にはり付いているので採りづらい・・・
手前の邪魔な枝の合間を縫って掬い取ろうとするが・・・なかなか入らない・・・
っと、浮いて落ちそうになった瞬間!思い切って手前にクワを弾き飛ばすように引くと丁度足下に落ちてきた♪
手に取るとなかなか立派なアカアシ♂(48mmは自己ベスト!)でした(^^)

ハルニレの高所に・・・いた! なかなか立派なアカアシ♂ キック一発で落ちてきたミヤマ♀

おーアカアシも大型になるとなかなかカッコイイですね。
さっそく子供達に見せると思いのほか喜んでくれてよかったよかった(^^)
1匹のアカアシでこれほど盛り上がるとは・・・アカアシのありがたさは忘れた頃にやってきますね(^^;
なんにしても1匹採れたことで次こそミヤマだ!!っと気を取り直して進むもののなかなか見つからない(うーん)
ゲートの鍵が開いていたし先行した採集者がいたのかも・・・
ようやく兄が蹴った木からカサカサッ!っとミヤマ♀、コクワ♀が落ちてきてくれました。
この林道では結局アカアシ1♂、ミヤマ2♀、コクワ1♀と完全に期待はずれだった上に予想以上に時間も経ってしまったのでこの辺で次のポイントを目指すことにしました。
次の林道へと向かう途中でポツポツ路面上に目に付くのは轢死したミヤマ達・・・
一応路上にミヤマを見つけるたびに徐行するものの残念ながら死骸ばかり(T_T)

そうこうしているうちに次のポイントへ到着!
ここもゲートが閉じられているので、チャックしようと車を降りてすぐ目に留まったものは・・・
「う、ウ○チ!?」

これがヒグマの糞
(カーソルをのせるとリアル表示(^^;)
センチコガネ発見♪

一瞬人間のものかとも思ったが(^^; 場所的にもボリューム的にもあまりに大胆というかワイルド過ぎだ(^^;;
結構まだ新しい感じだ・・・お、センチコガネだ♪ちょっとラッキー(^^)
・・・などと観察している場合じゃない(^^;;;
まずはその場で笛吹きまくりのカウベルを連打!したのは言うまでもありません。
すぐ父と兄を呼び、子供たちと義姉には車から降りないように声をかけます。
実は今まで直接クマの糞を見たことがなかったのですが、かなり大きな動物のものであるのは間違いなく、一番見慣れている父がクマだろうということで、このポイントは速攻で引き返したのでした。
まだ奥まった所に入っていないのに、やはり用心に越したことはないと実感です。
この一件もありますが、昼時とそろそろトイレ休憩も必要なので、もう一本だけ林道を軽くチェックすることにします。

まずは一本のミズナラの前で自分だけが車を降りてをチェックしてみると、すぐ幹の上方にコクワ♀が。
さらに裏側も覗き込むと・・・いきなり目の前にミヤマ♂がジャーマン・スープレックス状態!!

いきなりジャーマン! 姿勢を変えつつ格闘はつづく ♀と樹液をめぐる決闘だ!

「おおぉーこりゃスゴイっ!」
♂同士の決闘なんてめったに見られないというか生で見るのは初めてなのでもう興奮です!!
改めて見直すと、なるほど、やや離れた所に樹液を吸うミヤマ♀が1匹います。
メスと餌の取り合いじゃあ負けられないな(^^)
「ミヤマいるぞー!」すぐみんなを手招きして呼び寄せます。
自然のクワガタの生態をなんとか見せてあげたいと思っていましたが、いきなり最初からハイライトの決闘シーンだなんて本当ラッキー♪
みんなでしばし観察します。子供たちの目線も釘付けです(うんうん)
ミヤマ達は大勢の視線にも構わずひたすら決闘は続けていますが、結局最初から優勢だった♂が最後まで攻めっぱなしで勝負の頃合いを見て、いっきに両者(+メス)を捕獲となりました(^^)
車に戻る途中で兄が片方の♂を草むらに落として逃げられてしまいましたが、まあここは逃げた者勝ちということで・・・
しかし子供より親の方が名残惜しそうに悔しがっているのがおかしい(^^;
小型とはいえミヤマ♂が採れたことで気を良くしてさらに奥へ進みます。
次のミズナラのでは、近づいた瞬間にどこからかミヤマ♂が飛び立っていきました・・・

ミヤマは飛んでいく・・・

その後も目立った収穫はなく、この辺で採集は一旦中断し街へと向かうことにしました。
途中アスファルト道路横断中のミヤマ♀を”生きたまま”無事捕獲♪
実は私が子供の頃ミヤマの採集といえば、ポイントである山間部の道路を何度もひたすら見回りして、横断するミヤマを拾うというものでした。でもこれが当時の自分にとって一番確実な採集方法だった・・・懐かしみつつ3匹ほど拾えました。

昼食休憩と移動に思ったよりも時間がかかったので、次の林道で最後ということにしました。
見知らぬ土地では、山の雰囲気や樹相、外灯などチェックしつつ想像をめぐらせながら走るのも楽しいものです。
事前に考えていた林道にしようと切り出すと、実は父がその周辺に土地を持っているらしい・・・知らなかった(^^;
それってもしかして夢のMY雑木林じゃないか!?
でも町役場から「公園作るから”タダ”で土地貸してくれ」と言われて「はいよ」と承諾したそうだ・・・
借りる方も借りる方だが、貸す方も貸す方だなー(^^;
役所を装った新手のオレオレ詐欺かも???などと余計な妄想をめぐらせつつ(^^; さあいざ最後の林道へ!
ここでは標高的にもひそかにヒメオオも狙いたいところです。
林道に入ってまもなく大量のアブがたかってきました。
子供たちも乗っている手前、車窓からチェックしていきます。
ヒメオオの場合、色々な木につくのでとりあえず樹種や老若に関わらずチェックしていくものの、降りて確認するほどの木もくクワガタの影も見られません・・・

ヒグマ注意の看板を尻目に先へ

標高が300mを越えたあたりでハンノキにつくクワガタが目に入りました。
「いた!」
ようやく、ようやく見つけました♪”ヒメオオかな〜?”
ただ車はアブの大群に囲まれ路肩は急な崖なので、子供たちを車内に残しひとり採集に降りる事にしました。
(本当は子供達に採集するところを見せたかったんですが・・・)
父達の車は先行してもはや姿が見えない・・・この人いつも肝心の時にいない気がする(^^;
車を採集ポイントから少し通り過ぎた位置で止めてアブ達をその場に引き寄せておいて、邪魔されずじっくり採集に取りかかります。
崖下から生えた木なので高さはほぼ目線で距離がややあるものの、何とかタモ網が届きそうです。

ハンノキに黒い影が ズーム!
これがヒメオオに見えるか?(^^;
ゲット!

慎重にネットを近づけ下からすくい上げると、あっさりネットイン♪
引き寄せると、なんと大きなミヤマ♀でした。
実はハンノキ=ヒメオオだと完全に思い込んでいたのでちょっと意外というか・・・
写真まで撮ってるのに早く気づけよって感じですが(^^;
でも自己ベストサイズなミヤマ♀なのでこれはこれでOK!(後で測ると44mm以上ありました♪)
その後も林道奥まで走ったものの良さげな木もクワの姿も見られず、合流した兄達も収穫はなく、時間的にもこれが今日最後の1匹となりました。

思っていたほど数もサイズも採れず、改めて予想通りに行かない採集の難しさを実感しましたが、最後のミヤマを見つけられた事が個人的にはうれしかった♪
子供も兄家族もそれなりに楽しめたようで良かった良かった(^^)
娘は結局いとこ同士騒いで遊んだことが一番楽しかったようです(^^;
でもやっぱり子供はそうだよね(^^)

採集後のひととき

本日の成果
ミヤマクワガタ2♂6♀、アカアシクワガタ1♂、コクワガタ2♀

ishimail