魔琴

皆様、こんにちは。魔琴と申します。通常、ボ〜ズが基本の“へっぽこ採集者”です。
今回は無謀にも奄美諸島にある「沖永良部島に」行ってみました。採集者として未熟な事と、時期が早いせいもあって成果は出ませんでしたが、少しでも雰囲気が伝わればと思います。



2005年6月10日(金)へっぽこ遠征in奄美諸島(1日目)
鹿児島県・沖永良部島  晴れ 27℃





鹿児島空港“YS-11”
鹿児島空港“YS-11”

羽田空港から沖永良部空港まで直行便は無いので、羽田空港から1時間半ほど掛けて鹿児島空港へ向かう。
鹿児島空港にて、沖永良部空港行きの便には、歩いて飛行機に搭乗する。この辺りも羽田と違い、遠方に来た感があり楽しい。更に、搭乗する機体は「YS-11」というプロペラ機で、戦後初の純国産の旅客機であった。以前「プロジェクトX」にて、その完成に至るまでの秘話を観ていたので、その歴史を考えると少々感動を覚えた。





沖永良部島、案内図
沖永良部島、案内図

「YS-11」が鹿児島空港を離陸して1時間30分、遂に沖永良部島に着いた。
天候も雨空だった東京と違い、快晴である!どの様な採集になるのであろう!この山へ入る前のこの“ワクワク間”が堪らない。早く探索したい。とにかく必要以上に急いでレンタカーを借りに行く。





蒼い海と岩のり
蒼い海と岩のり

レンタカーを借り、とりあえず宿泊地にチェックインする為に宿へ向かう。途中、海が見えた。快晴も手伝って空と海は蒼い。普段、仕事のストレスを忘れさせてくれる。





来ないトラップ
来ないトラップ

南国採集は、トラップを仕掛けなければならないので、その準備を行う。トラップ作成は昨年遠征した「奄美大島」以来の2度目となる。前回は知識が足りず、バナナに焼酎をかけたが発酵させないまま仕掛けてしまい、全く成果が出なかったので、今回は事前に2日近く焼酎の中にバナナを漬け、密閉した容器の中で日の当たる場所にて熟成させてみた。とは言うものの、この方法が当たっているのかは分からないが、良いものであれば結果が伴うであろう。
トラップの数は、10個程度の少ない作成となった。林道付近の思う所に仕掛けていく。匂いだけなら充分に効きそうに感じる。今まで一度も“自前トラップ”に、クワガタが集まる光景を目にしていないので、願いを込めながらのセッティングとなる。1頭でも良いので来て欲しい。





タイワンカブト
タイワンカブト

夜になり、外灯回りを行う。なかなかクワガタの姿が確認できない中、大型甲虫の羽音が聞こえてきた。
反射的に「カブトムシか・・・」と感じた。しかし「沖永良部島にカブト居るのか?」という疑問も同時に出てきた。気になり羽音のする方向に懐中電灯を当ててみた。やはりカブトらしき個体が飛んでいる。近くに寄って懐中電灯を当ててみる。すると・・・
その主は、カブトはカブトでも「タイワンカブト」であった。初めて目の当たりにしたタイワンカブトだったので、想像以上に大きく感じた。本土の“通常カブト”と大きさはそれほど変わらないが、やはり角の形状が全く違うので雰囲気の違いを感じる。手にとって腹側を観るとアカアシの様にかなり赤い。初めてのタイワンカブトだったので嬉しかった。





大顎の裏に微毛アリ
大顎の裏に微毛アリ

他にも個体が居ないかと探してみる。
すると、大型のクワガタが・・・・・、死んでいた。オキノエラブヒラタなのか?
手にとって裏側を見てみると、“噂の微毛”が確認できる。間違いなくオキノエラブヒラタである。残念ながら亡骸からのスタートとなったが、発生しているという事が判っただけでも大きな収穫である。ノギスをあててみると50_を示している。南国のヒラタは大きいと聞いているが、自分から見ると50_でも充分に大きく感じる。





隠れている!
隠れている!

自前のフルーツトラップには何も来てくれないので、広葉樹を確認していく。
洞のある樹木があったので、懐中電灯を当ててみる。すると明らかに2頭の大型甲虫が、洞に駆け込む姿があった。いくら“へっぽこ”でもこの状況判断は出来る。間違いなくクワガタである。
・・・暫く時間を置いてから再度訪れてみると、クワガタは出てきてた。すぐにその内1頭は先程の洞に逃げ込んでしまったが、もう1頭は何故か枝の先端で戸惑っている様子である。
枝先のクワガタを採集してみると「オキノエラブヒラタ♂」であった。もう1頭は洞に入り込んでしまい、確認できなかったが、初日から現地のクワガタが確認できて良かった。




時計を見ると午前3時を回っている。流石に限界だ・・・。宿に戻って休む事にした。
実はオキノエラブヒラタを採集する際に興奮の余り、車のライトを消し忘れてバッテリーを上げてしまった。離島という事と、夜間の山林でいう事もあって、どうにもならい状況になってしまった。何とか漆黒の山道を歩いて、運良く数キロ先の自○隊の方々に助けて頂く形になってしまった。慣れていない場所での採集には、不測の事態にも対応できる準備はして置かないといけない事を痛感した。

成績:オキノエラブヒラタ♂×1 タイワンカブト×1
(最終日に、リリース)

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