次は夜の街灯採集に向けポイントを移動します。
ずばり!狙いはオオクワガタです。
林原さんと言えば、ヒメオオ、ミヤマと並んでやはり北海道でのオオクワ探しの先駆者的なイメージが自分にはあります。
実際お話しするようになったのも自分が子供の頃に採集したオオクワ情報がきっかけでしたし、その林原さんと一緒にオオクワ採集というのもこれまた感慨深いものがあります。
日中の採集で既に大満足の自分にとっては、本当にこれ以上いいんですか?みたいなボーナスまでもらった気分です(^^)

夕食は林原さんお馴染みのお店でボリューム一杯のカツ丼をおいしくいただき、気合を入れ直してさあ出発です!
気象条件は曇り・湿度高め・気温高めとなかなかいい感じです。これは期待できそう♪
街灯下での採集は、実績のあるポイントを含め当然ながらいつどこに飛んでくるかわかりませんが、それだけにどこでもチャンスがあるといえます。
街灯をまわりを始めてとにかく目に付くのが「ガムシ」です。この微妙な黒光りとサイズがなんとも紛らわしい事この上ない(^^;
彼らに混じってノコ、アカアシ、コクワ、ミヤマがポツポツ顔を出しますが♀ばかりが目につきます。ようやくノコ♂中歯をゲット!が、ここまでの採集でもう3つのパーツケースと虫カゴは一杯状態で林原さんからケースをひとつ借りている状態・・・気持ちの余裕もあってリリースしてあげることに。(うーんなんて贅沢な(^^;)

「樹液の方も行ってみますか?」
当然夜にも樹液採集はできるわけで、というか樹液採集といえば夜するもんだと思っていたんですが(^^;
で、実際にポイントへ行ってみると、この闇は相当に怖いです・・・
特に日中から林原さんに「ヒグマ出たぞ話」を色々聞かせてもらい、本当にこんなところで?しかもそんなシチュエーションで!?ほとんどのポイントじゃないすか!!てな感じで聞いてきただけに結構マジで怖いものがあります。
「降りてみますか?」「もちろんっ!」と答えたものの一人じゃちょっとなかなか勇気が必要ですね。
窓を開けカーステレオを大きめに鳴らし手拍子や掛け声でヒグマ対策をしても、この漆黒の闇のすぐ向こうに何かが潜んでいそうで、ちょっと木に近づくのも正直腰がひけます・・・というか怖くて近づけない(^^;
多分道産子でヒグマの怖さをすり込まれているせいでしょうか。このヒグマの怖さの感覚は内地(!)の人にはわからないかも知れないですね・・・って自分が怖がりなだけか(^^;;
内心ビクビクしつつもなんとかノコ♂などをゲットし、車に入るとやはり緊張していたせいかほっとするのでした。

そして
オオクワ実績のある街灯ポイントへ・・・
現地に着くなりそこで2人が見たものは!
黒い光りモノ達が道路一面に巻散らかしたかのように散らばっているではないかっ!!
これは、すごい
光景だ(@_@)・・・
「うわぁー、これが全部ガムシってことはないですよね?」と私。
「これが全部オオクワだったら山分けですね(にやり)」と林原さん。
それっとばかり一斉に飛び出しさあさあチェック!チェック!チェック!!

・・・・・全部ガムシだった(;_;)

ある意味これが今夜のクライマックスでした(^^;
でもあの瞬間的盛り上がりと落胆のギャップは今思い出しても笑えちゃいます(^^)
その後ポイントを周回しミヤマ♂などを加えて採集終了となりました。
結局本命のオオクワこそ見つかりませんでしたが、エキサイティングで本当に楽しい夢のような1日が幕を閉じたのでした♪

見つけると嬉しいダイコクコガネ
路上を歩くミヤマ♂
ノコのツーショット

夜間の採集結果
ミヤマ1♂2♀、ノコ3♂10♀、アカアシ3♂5♀、コクワ1♂4♀、ダイコクコガネ1、ガムシ100(^^;;


おわりに
自分の記憶ではインターネットで見た最初のクワカブ系サイトが林原さんの「ブナ林のクワガタたち」でした。
とにかく最初に見た(読んだ)時の衝撃は今でも忘れられません。
「ヒメオオクワガタが北海道にいたっ!!」
自分にとってヒメオオは図鑑の存在で、採集は勿論一生見ることもない別次元のクワだと思っていたので非常に興奮したものでした。
そして採集記を何度も読みながら、巨大ミヤマを憧憬のまなざしで眺め、オオクワに感嘆し、いつかこんな採集が自分で出来たら最高だなぁと憧れていたものでした。

そして実際に樹液に集まるミヤマ、ノコ、コクワ、アカアシ、スジ、枝にかじりつくヒメオオ、そんなクワガタ達を目の当たりにし、まさに子供の頃からずーっと憧れた昆虫図鑑やTVの世界に入り込んだ時の興奮、感動は、ちょっと言葉では表現でないものがありました。
何よりも昼間の樹液採集というのが自分として画期的な経験でした。
また、これだけは言っておきたいのですが、決して北海道の林道に入ればどこでもクワガタが採れるという訳ではなく、今回は林原さんが知り尽くしたポイントに連れて行っていただいたおかげで短時間で集中的に採集できました。
(そう言った意味では採集記と言うよりも採集体験記といった方が正しいかも知れません(^^;)
クワガタのいる木は全体からすると本当にわずかで、それを探すのは根気がいる作業であり、一朝一夕に見つかるものではないことを実感しています。だからこそポイントを探し出して開拓する喜びもあると思うのです。
そんな採集者に自分もいつかなれたらと思います。(なーんて(^^ゞ)
今回の経験は本当に楽しく時の経つのも忘れての最高の1日でした♪
そして単なる採集だけでなく昆虫に対する見方考え方、安全に採集を楽しむための知識と注意、などなど非常に大事な経験でした。
最後に林原さん(先生!)本当にありがとうございましたm(_ _)m
感謝感激!本当に本当に楽しかったです(^^)
一日中車の運転もしていただき本当にお疲れ様でした。
夜中に帰宅してからもしばらくはクワ達を眺め興奮で眠れませんでした(^^;

原稿書きながら想い出に浸りつつ、今度は自力での新たなポイント開拓を目指して、昼間の林道にチャレンジしようと来シーズンは思いをはせるこの頃です。

ishi
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イタドリで採集したヒメオオ達を手に林原さん(左)と記念撮影♪