北海道採集記
 
−来た!見た!採った!朝から晩までクワ三昧−

ishi



今年のお盆休みは何年ぶりかで実家のある函館へ帰省することに決定!
考えてみればクワカブ熱が再発して以来初めてオンシーズン中に帰省することもあり、当然頭の中はもう昆虫採集計画一色に(^^)
ならばせっかくの機会とばかり、兼ねてからHPを拝見しメールなどさせていただいていた林原さんに連絡を取ってみると、快くOKのお返事が(^^)v
ものすごーく忙しい方なので無理かなーとも思っていたのですが、たまたま帰省の日取りがずれていた(8/10〜)こともあり都合がうまく重なったようです。ラッキー!!
東北道、青函フェリーで移動中の合間に携帯メールで連絡を取りつつ、子供そっちのけで一人でニヤニヤ怪しいおじさん状態だったかも(^^;

そしていよいよ当日朝、待ち合わせのコンビニ前で期待の高揚感と微妙に緊張感を漂わせつつ立っていると、1台のフォレスターがさっそうと登場! 車越しに目が合いました「林原さん!?

ネットでは何度も拝見していたものの実際にお会いするのは初めてだったので、舞い上がって間抜けな挨拶しかできなかった気がします(^^;ゞ
採集は朝〜日中の樹液採集〜夜の灯火採集まで長丁場(望むところです!)になるので、ドリンク&食料をしっかりと買出しして、さあいざ出発!!

車中、ここ数年間で変わった函館のこと、今年はクワガタ(特に大型)の発生が少ないこと、ポイントのこと、クワ関連の四方山話など、きさくで面白い林原さんの話に会話も弾み、すっかり採集ムードも盛り上がってきたところで、いよいよ最初のポイントである林道へ入ります。
車を進めてほどなく「いるいる!」と林原さんが1本のハルニレを見上げます。
「えっ!もうですか?」こんないきなり見つかるなんて!
でも自分にはさっぱり見えないんですが・・・(^^;
それでも眼を凝らし教えられた方を見ると・・・「いたっ!!」
すごい・・・ミヤマ♂がうろうろしているのが遠目にもわかる・・・こりゃすごいぞっ!!
中には今にも飛び立とうとしている♀の姿も。
「おぉーっ・・・すげぇ・・・」思わずしばし見とれてしまう・・・

ハルニレを徘徊するミヤマ♂
今にも飛び立ちそうなミヤマ♀
連チャンでネットインのミヤマ♂

観察&写真も撮ったところで、さあ気を取り直して採集採集!!
といっても手の届かない高所にいるので、採集道具として釣用のタモ網(5.4m)を改造したものを使います。
特にヒメオオ採集には必須アイテムですね。わざわざ仙台から持ってきたかいがありました♪

ではいざ採集係の栄誉(^^)を受けて(林原さんは指示&見張り係)タモ網を構えるものの、いざ採集となると、高所が見えづらかったり、距離感が掴みにくかったり、目一杯伸ばすと微妙なコントロールが難しく、簡単にはいかないのですが(クワも意外と逃げ足が速い)、慎重にずりずりーっと網を下から寄せツンツン突っつくようにうまくネットにすくい落とせた瞬間は、もう最高です(^^)v
まあ採り損ねた時のショックも大きいんですが(^^;
ともかくミヤマ♂を立て続けにネットイン!
ほとんど標高がない場所でミヤマ、アカアシがいるのは北海道ならではでしょうか。
ノコギリもいました。私が子供の頃北海道でノコはあまり採れず、むしろコクワ以上にミヤマの方がお馴染みでした。まあ採れるのは♀ばかりでしたが(^^) ノコもちゃんといる所にはいたんですね。
さらにクワを探してはすくい上げ、あるいは落としたり、もう夢中です(^^)
網の届かない高所や姿が見ない個体には、やはりキック一発しかありません!
「蹴ってみますか」
と、林原さんが蹴るとバサッ!バサッ!うわー本当に落ちてくるんだ!!
初めての蹴り落としによる採集にこれまたちょっと興奮です。
小物はカサッと、大物はバサッと落ちるんですね。蹴っ飛ばしてからやや間をおいて微妙に落ちてくることもあり、いないのかなぁ?とよそ見したタイミングを狙って落ちてきたりして(^^;
蹴る場合にある程度いそうな所(落ちそうな所)を予測して待つのですが、時には全然見当違いの場所で落下音がして上を見ると枝から樹液が出てたりしました。
本当に五感いや第六感まで研ぎ澄ませて神経を張り巡らせていないと、草むらに落ちたクワを探すのは本当に至難の業です。(うまく道に落ちてくれるいいのですが)
回収には探し上手下手が大きく左右しますねー。
普段から部屋の中でも探し下手な自分にとって、もう茂み落ちたら最後・・・
絶対見つからないとあきらめそうな状況で、ホイホイと見つけてしまう林原さんの眼力はさすがです。(っていうかちゃんと探せよ>自分)
じつは子供の頃ミズナラの木を蹴っ飛ばしたら目の前にでっかいイモムシが落ちてきて以来ずーっと勇気がなかったのですが(^^;これでもう過去の苦い思い出から完全に脱却です(^^)v

ノコ,ミヤマ,コクワ一カ所でご覧の通り
ルッキングする林原さん
ミヤマ・ミヤマ・ミヤマ・・・(^^)

まだいないかなと名残惜しげに木を見上げる自分に、「まだ先があるんで行きましょうか(^^;」と林原さん。
そうでしたまだ1本目だというのにすっかり興奮と満足感についつい浸ってました(^^;;
まるでイントロなしでいきなりサビが始まった曲にノックアウトされた感じというか、とにかくいきなり来ちゃいました!!
続いて同様にルッキング&キックでミヤマ、ノコ、コクワ達を採集しますが、余裕を持ってきたはずのケースがこのペースではなくなりそうです。どのみち沢山持ち帰っても育てきれないのでキープする分を残しあとはキャッチ&リリースしていきます。
(ミヤマ♂をリリースなんて今までの自分には考えられない事態です(^^;)
ちなみに一番大きなミヤマ♂は70mm近くありました。うーん、やっぱ特大ミヤマは最高にカッコイイっ♪

ミヤマ♂69mm
ミヤマ♀
樹液に来たミヤマ♀とコクワ♀

「今年はアブが多いんですよ」
林原さんの言葉通り採集中も確かにアブがまとわりついてうるさいのですが、どうやら車の排気ガスに集まってきているようです。適当にあしらう分にはいいですが、”じゅっ”とやられると何とも言えない痛痒いような嫌悪感がありますねー。林原さんは今年車が見えなくなるほどの大群に囲まれ大変な思いをしたそうです・・・うー怖わー

その後何本かめぼしい木をチェックして、いよいよ次はヒメオオポイントへ向かいます。
標高は200mを超えた程度くらいでしょうか、ポイントに入り車窓からルッキングをはじめます。今年はヒメオオも少ないとのことでしたが、いつも見られる所にもいないようです・・・が、ほどなく林原さんがハンノキにつくヒメオオを発見!
早速車を降り、恒例のかしわ手をパン!パン!パンっ!と鳴らします。これは当然採集の願掛け・・・ではなくヒグマよけのためです。
これまた採集の栄誉を受けて(というか勝手にネットを構えていたという説も(^^;)おそるおそる近寄り無事ネットイン!
北海道初ヒメオオゲットの瞬間です(万歳!!)
ヒメオオってネットを近づけると(危険を察すると)ジャンプする感じで飛び落ちるのでちょっと注意ですね。
自分といえば目がまだ「ヒメオオモード」に慣れていないため、当初は全然見つけられませんでしたが、場数を踏んでくるうちに徐々に見えるようになってきました。
また、ヒメオオ=ヤナギのイメージがありますが、実際にはハンノキにもよく見られ、季節によって取りつく樹木も違うようです。(とにかく樹種を覚えるのが大事です)
今度はハンノキの裏側にいるヒメオオ♂が自分にも見えました。でかい!実際には45mmほどの♂ですがコクワやアカアシよりも横幅があるのでずっと体格よく見えます。そして、うーんなんともカッコイイ!!
ふとすぐ足下の切り株(ブナでしょうか)を見ると、いかにもクワガタが棲みそうな感じで実際やや大きめの脱出口がいくつか開いています。
「もしかしたらここがヒメオオの発生源かも知れないですね」などと話しつつ、ヒメオオの生息環境を見られてラッキーな気分でした。
さらにヤナギにつくヒメオオ&スジクワ達や、ヒメオオペア発見!と思いきや手に取ってみると囓り後にちゃっかり来ていたコクワペアだったり、ハンノキの枯れ枝の先になぜかヒメオオ♂がたたずんでいたりと、気持ちの良い青空の下採集は進むのでした。
うーんこれは夜の街灯採集では味わえない新しい爽快感と楽しさの発見です(^^)

ついにゲット!北海道ヒメオオ♂
ヤナギに集まるヒメオオとスジクワ
山嶺の貴婦人ヒメオオ♀

さらに進み1本の良さげなミズナラをチェックすることに。どれどれと近づこうとする自分に「気をつけてっ!ウルシありますよっ!!」
えっ、と足下見ると目の前に小さな一株が・・・
全然気づかなかった(汗)、というかウルシの姿格好自体を良く知らなかったので危うくかぶれまくりになるところでした(ほっ)
でもつくづく感心するのは、わずかの間に本当に色々な所に目が行き届いているんですね。
単に採集の視点だけではなく、周囲の確認と知識は安全面でも大事だとただ感心するばかりでした。
ちなみにで林原さんが微妙な位置でノコペアを見つけしっかりゲット!(やっぱり採るのも上手いです)
ノコはちゃっかり戴いちゃいました(^^)

覚えておきたいウルシ
ミズナラのノコペア

戻り際、2,3mほどの低木(オノエヤナギ)の前に来たところで「いた!」林原さんがまた見つけました。
なんであれが見えるんだろ??正直自分なら素通りしてしまいそうな木でした(^^;
見るとミヤマ♀、そしてコクワ♀がついています。ん、ふと見るとでかいコクワ♂がいるっ!!
子供の頃、友人が飼っていたミヤマ並みのコクワを見て以来、密かに大コクワに憧れを持つ自分としては心の中で「やったー!」と叫びつつ慎重に手づかみでゲット!!
「でかいコクワですよ〜(^^)/」と、林原さんに見せるや否や、ヒョイっと手のひらからダイビング!あわてて探すもあっという間に草むらの倒木下に逃げ込んでしまいました(>_<)
普段なら掘り起こしてでも探すところですが、「まあ逃げた者勝ちだし見逃してあげよう」とここまでの採集で妙に気が大きくなっている自分でした。
「うーん逃がしたコクワは大きいなぁ〜」やっぱりちょっと後悔(^^;
「55mmはありましたねぇ(にやり)」と林原さん・・・ないない\(^^;;
特に樹液が出ている訳でもなく一見何の変哲もない木でしたが結局5匹ものクワが付いていました(ベッドタウン化してました)

ミヤマ♀
”幻”の大コクワ♂
コクワ♀

次の林道に向かう途中に道路沿いのミズナラの“ご神木”を見ると、スジクワ♂♀が仲良くお食事中でした。スジクワもなかなか好きなクワですが今回は入れ物が不足しているので写真に“採”るだけにします。
でも振り返って考えるとスジクワは自分にとってなかなか採れない種類だったので、ワンペアだけでも採ってくればよかったなーと後になって惜しむ自分でした(^^;
次の林道へ向かう途中「道道(県道)」のアスファルト上を散歩するミヤマ♀を発見!しっかりキープします。
子供の頃に山間のアスファルト上を歩くミヤマをよく採集していた事を思い出しつつ、次はどんなところに行くのかワクワクのミステリーツアーは続きます(^^)