「怪説・世界のクワガタ」 第8回 ミヤマクワガタ (3)

A.CHIBA




fig5

次のfig5だが、今ではクワガタ好きなら知らない人がいないぐらいの有名種 Lucanus cantoryi カントリーミヤマクワガタ。この種の標本も最近は良く見かけるようになったが、始めて本物を目の前にした時は、なにしろ幅が有る迫力の体型と80mmを超えるサイズに甚く感激したものである。写真の左は北インド Darjeeling 産82mm、右は Bhutan 産85mm。最大サイズは90mm前後までなると聞くが、そんなオバケサイズは何百か何千頭に一頭だろう。北東インド、ブータン、アッサムあたりに分布しており、アッサムのものは Lucanus cantoryi colasi とされる。



fig6

fig6の左は Lucanus sericeus セリケウスミヤマクワガタ、北タイランド産。全身に金色の微毛が生えている。サイズは最大で70mm後半位だが全体にバランスのとれた体型でなかなかのミヤマ。ベトナム北部にも産するがタイのものとは歯形が多少違い、大型個体での区別は比較的容易に出来る。
次の二頭は Lucanus mearesii で、北東インド、ブータン、シッキム、ネパールなどに分布している。どこでも普通に採れるらしく沢山入っており、現在は標本も安い。前羽根には銅色の美しい光沢がある。最大サイズは75mm程度。

 


                                                       参考文献
                                                       世界のクワガタムシ大図鑑
                                                       世界のクワガタムシ科チェックリスト
                                                       台湾的桑形蟲 STAG BEETLES 0F TAIWAN



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