Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト戦術論 5-3 干渉への対応

 ここでは、前項まで触れた干渉が自分に向かってきた場合に、どのように対応したら良いのかを解説します。
 試合中に起こりうる全ての行動には、干渉の要素が含まれていることから、全ての干渉に対応することは事実上不可能です。そこで、本当に対応すべき干渉か否か、優先順位をつけて、判断することになります。
 具体例として【シャイニングガイザー】のケースを考えてみます。誰かの手札に【シャイニングガイザー】がドローされました。スペルなので、ドロー直後に使われた場合は、干渉への対応はできません。なので、ドロー直後には使われずに、手札に残ったと仮定して話を進めます。

1 自分に干渉された場合にどうなるか

 自分のクリーチャーのHPはどのくらいでしょうか?自分のHP40以下のクリーチャーに使われてしまうと、土地を1つ失うことになります。それが高レベルの土地だったら、大きく資産が減少してしまいます。
 また、MHPが50以上であっても、移動侵略などと組み合わせることも考えられます。MHP50以上であっても油断は禁物です。
 土地を失うリスクはあるでしょうか?また、それは自分の資産に大きな影響を与えるものでしょうか?ここを正しく見積もれないと、後々の判断が全てあやふやになってしまいます。

2 自分に使われるかどうか

 さて、どうやら自分の配置したクリーチャーには、MHP40以下のクリーチャーがいくつか含まれており、自分のクリーチャーに【シャイニングガイザー】が使われる可能性は否めないようです。
 それと同時に、他のプレイヤーのクリーチャーにもMHP40以下のクリーチャーがいて、必ずしも自分のクリーチャーに使われるとも限らないようです。

 このようなケースであれば、【シャイニングガイザー】を持ったプレイヤーの判断次第となります。
 高いレベルに配置されたクリーチャーがいたらそこに使うか。1位の相手の土地を減らそうとするか。自分のクリーチャーに横付けされた【リビンググローブ】を消すか。様々なことが考えられます。

 相手プレイヤーの判断次第ではありますが、ある程度、判断できる材料はあるはずです。試合開始から現在までの立ち回り、相手のブックの方向性や相性、クリーチャーの配置の状況、各々の資産形成の状況などなどです。
 それらをひっくるめて、自分に使われる可能性が他のプレイヤーよりも高そうかどうかを判断しましょう。ただし、あくまでも予想に過ぎませんので、自分の想定通りに相手が動いてくれるとは限りません。

3 カードを保持された場合にどうなるか

 MHP40以下のクリーチャーがいても、直ちに【シャイニングガイザー】は使われませんでした。効果的な使い方ができないのであれば、手札に抱える、または捨てるという判断は妥当な選択です。
 では、【シャイニングガイザー】が手札として保持された時に、どんなことが起こるでしょうか?
 MHP40以下のクリーチャーはあまり配置されなくなり、レベルアップも控えることになります。また、クリーチャー交換などで、MHP50以上のクリーチャーが配置されるでしょう。基本的には、ゲームの進行が遅くなります。
 ゲームの進行が遅くなるため、侵略能力の高いブックが活躍し始めます。ここからさらに進んで、【ジェネラル=カン】の能力が強くなったり、【ナイト】や【ヴォーパルソード】に活躍の場面が出てくるかも知れません。

 さて、こんな状況になったら、果たして自分は有利になるでしょうか?有利になるのであれば、そのままカードを保持してもらえば構いませんし、不利になるようであれば、何らかの方法を考えなければなりません。
 「干渉された場合にどの程度の影響を受けるのか」を考えた時と同様に、ここも正しく予想する必要があります。プレイングのミスではなく、判断のミスを起こしやすい部分です。

 ちなみに、【アクアデューク】や【ジャッカロープ】など【シャイニングガイザー】の効果を受けないクリーチャーが多ければ、特に大きな影響は生じません。

4 他人の干渉を利用する

 【シャイニングガイザー】が自分に使われる可能性が低く、また、保持されたとしても自分に与える影響が大きくない場合、他人の【シャイニングガイザー】を利用することができます。
 例えば、【シャイニングガイザー】が使われたら拠点を失ってしまうプレイヤーAがいて、Aが【シャッター】を持っていたとします。自分の【シャッター】でAの【シャッター】を消すことで、【シャイニングガイザー】をAの拠点に使わせることができます。

 また、自分の順位が低く、劣勢を強いられている時には、他人の干渉を積極的に利用しましょう。【シャイニングガイザー】を持っているプレイヤーへの干渉は極力避けて、同調するかのような行動が求められます。具体的には、そのプレイヤーの領地には攻め込まず、他のプレイヤーに【シャッター】や【ドレインマジック】などの干渉をぶつけます。
 こうすることで、自分が劣勢の状況にあるのを挽回するだけの時間を作り出すことができます。【シャイニングガイザー】を保持するのは、それなりのコストを支払うため、基本的には出遅れる展開になりがちです。【シャイニングガイザー】を保持したプレイヤーが独走するような展開は、あまり気にする必要はないでしょう。

5 自分のカードで処理できるかどうか

 カードを保持された場合に、自分が不利になりそうだと判断したら、そこから初めて自分のカードを使って処理をすることを考えます。
 【シャイニングガイザー】のようなスペルであれば【シャッター】【セフト】【メタモルフォシス】などの手札干渉スペルを使って処理できます。特定のクリーチャーとアイテムの組み合わせ(【ティアマト】と【ムラサメ】)も、【シャッター】や【メタモルフォシス】でアイテムを破壊することで処理できます。
 このように手札干渉スペルの汎用性は高いものがありますが、【バリアー】を張られた場合や、クリーチャーの秘術(【スクリーマー】など)の場合は、対応できません。
 様々な干渉を想定した上で、それらへの対応能力の高いクリーチャーの選定をきちんと行うことが、基本かつ重要です。

6 敢えて干渉を行使させるか

 しかし、ブックに【シャッター】などの手札干渉スペルを入れたとしても、肝心の時に引いてこられるとは限りません。また、他に【シャッター】を使いたい対象があった場合には、そちらが優先されることになります。
 【シャイニングガイザー】が自分に行使されそうで、なおかつ手札で処理できない場合、敢えて干渉を打たせるという方法があります。例えば、MHP40以下のクリーチャーはどんどん配置してしまい、生き残ったクリーチャーのレベルを上げるのです。
 他には、【シニリティ】が見えた場合に、こちらはレベル3を作って、相手の様子を見るという方法もあります。【シニリティ】がレベル3に使われたら手痛いのは間違いありませんが、レベル5に使われることは防げます。レベル3程度では【シニリティ】を使わないのであれば、それを利用してレベル3を量産して、通行料を奪う戦術に移行するなんて方法もあります。
 カードを決済できるのはカードだけではなく、魔力でも決済できるのです。

7 干渉された後のケア

 干渉を行使されてしまった場合には、きちんとケアができるかどうかが大切です。
 たとえ【シャイニングガイザー】を使われたとしても、【マジカルリープ】を手札に抱えたり、自分のクリーチャーを横移動させたりすることで、すぐに空き地を確保できるように準備するのです。
 干渉が見えたからと言って、思考停止して諦めずに、できることは最後までやりましょう。

8 干渉の効果×自分に使われる確率=干渉の評価

 自分への干渉を評価する場合には、「それが自分にどの程度の影響を与えるのか」(干渉の効果)と「自分に使われる確率」を掛け合わせて計算すると良いでしょう。ただし、試合中に数値化して計算するのは現実的ではありません。
 考え方としては、「どちらかが限りなく少なければ、過大に評価してしまうのは止めましょう」という意味です。
 例えば、【アステロイド】などは資産に大きな影響を与えるので過大に評価しがちです。しかし、対象は1つしか選べないので、自分に使われるとは限りません。【アステロイド】を保有していない3人で処理すると考えれば、冷静に対応できるのではないでしょうか。