Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト戦術論 2-3 連鎖の維持

 この項では築き上げた連鎖を如何にして守り通すかについて述べます。

1 防御力の高いクリーチャー

 クリーチャーの本質的な役割は、土地を確保することであり、そのためには土地を守る能力が要求されます。領地コストを持ったクリーチャーは戦闘では頼りになりますが、そう何枚も入れることは出来ません。ブックに採用されるクリーチャーの過半数は召喚条件を持たないクリーチャーになるでしょう。
 召喚条件を持たないクリーチャー群に要求される防衛力は、HP50以上が求められます。それ以外のクリーチャーであれば、無効化や援護など特殊能力で守れるものが望ましいです。逆に言うと、HP40以下のクリーチャーに土地の防衛を強く期待してはいけません。

 主な理由は2つあります。ひとつはST50のクリーチャーはそれなりの数がいるためです。ST50のクリーチャーを持った相手が自分の領地に止まった時に、HP50以上のクリーチャーが地形効果を得ていれば、この侵略を防ぐことができます。
 これがHP40のクリーチャーの場合、たとえ防衛用のアイテムを持っていたとしても、ST50のクリーチャーが【ウォーロックディスク】を持てば確定で土地が落とされる状況が発生します。多くの土地の防衛が、相手の手札の状況に依存するのは好ましいことではありません。
 もうひとつは【シャイニングガイザー】の存在です。このスペルは合成条件を満たすことで対象クリーチャーのHPに40ダメージを与えるものです。このカードが誰かの手札にあった場合、HP40のクリーチャーはいつ破壊されてもおかしくありません。(必ずしも自分に使われるとは限りませんが)
 このように説明するとHP40以下のクリーチャーを採用する理由が無いように思えますが、秘術や不屈などを利用したい場合は、頼ることになるでしょう。

2 防御アイテムの選別

 レベルを上げた領地(拠点)は、巨額の通行料収入を得られ、達成に近づける頼もしい存在です。しかし敵の侵略を許したならば、自身が大いに後退するばかりか、相手が達成に近づいてしまいます。その意味では諸刃の剣と言っても良いでしょう。何としても守り通さねばなりません。
 防御アイテムの代表的なものをいくつか紹介します。

【ウォーロックディスク】

 戦闘に発生する特殊効果は全て無効化できるので、HPの高いクリーチャーのレベルが上がってしまえば、無敵の防衛力を発揮します。
 弱点はコストが高いことと、レベル1領地での戦闘では、あまり防衛力を期待できないことです。

無効化(【マグマシールド】、【ストームシールド】、【スフィアシールド】、【ワンダーチャーム】)

 攻撃を無効化することで、相手がどれだけSTが高かろうと土地を守ることができます。また、殆どの武器アイテムを無力化できるのも強みです。地形効果があろうとなかろうと、安定した防衛力をもたらしてくれるでしょう。

HP増強(【マグマアーマー】、【ストームアーマー】、【ダイヤアーマー】)

 無効化では防げない攻撃手段として、【ムラサメ】と【ナパームアロー】が挙げられます。【ムラサメ】は無効化を無効化し、【ナパームアロー】は無効化が発生するとMHP-40を発生させます。いずれの場合もHPを増強して防ぐことが必要です。

【スペクターローブ】

 HPもSTも上昇するこの便利な防具は、レアリティがNであるため、【グレムリンアイ】で破壊されないことが特徴のひとつです。「STの高いクリーチャー+【グレムリンアイ」は、侵略の定番コンボです。【スケールアーマー】でも似たようなことができますが、HP上昇の期待値が同じことと、STも伸びるため、【スペクターローブ】の方が採用されやすい傾向にあります。
 また、HPとSTの上昇値がランダムであることから、戦闘結果を予測できず、侵略を控えてもらえる効果も期待できます。

【ネクロスカラベ】

 たとえクリーチャーが破壊されたとしても【スケルトン】として復活し、必ず1回は領地を守れるカードです。【シニリティ】などの呪いにも強く、頼りになる1枚です。しかし、クリーチャーの能力を強化する訳ではないので、レベル1領地での戦闘ではあまり使う機会はないでしょう。

 上に挙げたアイテムを見れば分かる通り、防具が使えた方が防御では有利です。しかし、ブックに求められるクリーチャーの性質にもよるため、防具が使えるクリーチャーで揃えるべきかというと、必ずしもそうとは限りません。防具が使えなくとも、使いたいクリーチャーは少なからずいるはずです。
 クリーチャーの性能+アイテムの性能で守ることを意識して、様々な組み合わせを試してみてください。

3 アイテムカードの補充

 ブックに入れたアイテムカードを必要なタイミングで引いてこなければ、いくらブックにアイテムを入れたとしても意味がありません。かと言って、アイテムをブックに大量に投入することも、肝心のクリーチャーやスペルが圧迫されることから、あまりお勧め出来ません。
 【ギフト】や【プロフェシー】などのドローカードを入れることで、そのタイミングで欲しいカードを引きやすくなります。また、アイテムを使った時や相手にアイテムを破壊された時などに、補充するのにも役に立ちます。

4 アイテムカードの破壊

 相手が持つ危険なアイテムカードを破壊すれば、戦闘で優位に立つことができます。【シャッター】が使いやすいカードですが、カードパワーでは【スニークハンド】や【メタモルフォシス】も魅力的です。
 アイテムカードは大切ですが、クリーチャーの防衛力で守れることとアイテムを素早く補充すること、相手の危険なアイテムを破壊することの3点が特に重要です。試合全体を通して戦闘は発生するので、単発の戦闘の駆け引きや、クリーチャーとアイテムの相性のみで判断するのではなく、ブック全体での総合的な戦闘能力を意識するようにしましょう。

5 【マジックシェルター】

 領地への干渉は何もクリーチャーとアイテムによるものだけではありません。スペルによる干渉も様々なものがあります。スペルの大きな特徴として、任意の対象を直ちに選ぶことが出来るため、予防することが困難なことが挙げられます。
 相手からのスペルによる自領地への干渉を予防するためには、【マジックシェルター】や防魔の能力を持ったクリーチャーが必須です。【バインドミスト】、【シニリティ】、【シャイニングガイザー】、【アステロイド】、【チャリオット】、【ターンウォール】などなどを全て防ぐ事ができます。

6 高額領地を踏んでしまったら

 もし不幸にも敵の高額領地を踏んで、自分の領地を手放さねばならなくなったとしたら、どの領地から手放しますか?実はカルドセプトリボルトのマニュアルにも書かれているのですが、実は高額領地から手放した方が良いのです。これは何故でしょう。
 例えば、300Gほど魔力が不足したとしたら、レベル1の領地であれば2~3箇所は手放さなければなりません。これに対して、レベル3の領地であれば1箇所で済みます。一見すると、高額領地なら通行料収入が期待できるので、残しておいた方が良いように感じます。しかし、実際は大きく異なるのです。  自分の領地を手放す場合、その土地価値分の80%の魔力を得ています。おつりがあれば、おつりも払われます。暴落して買い叩かれている訳ではないのです。魔力収入を得るのは比較的簡単なので、同じようにレベル3を作るのは楽なはずです。一方、土地を取るのには時間がかかります。2~3箇所もさらに領地を確保するのは最低でも6ラウンド以上はかかるでしょう。自分以外のプレイヤーも領地を拡大するチャンスがありますし、このプレイヤーと競合すると考えれば、土地はそのまま確保して置きたい所です。
 そこで、高額領地を踏んでしまったら自分の高額領地を手放して、やや過剰気味に手持ちの魔力を抱えるのです。すぐに高レベルの土地を作れると思います。この方が、土地を次々と手放して、投資先がなくなるよりも、連鎖を維持していられるため、ずっと逆転の可能性が高くなります。