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 第4話/Sweet Valentine's Day (6)

 



「あのね…、あたし”義理”で男にチョコあげるほど、余裕はないって言ったのは、嘘じゃないし、今もそう思ってるから」

 夏帆は、俺から目を反らし、頬を赤くしながら、小さな声でそう言った。

「え? …それってどういう…」
「もう! 意味は自分で考えなさいっ! じゃあね」

 逃げるように走り去る夏帆の背中を見ながら、俺は柄にもなく頬が熱くなるのを感じた。
 


(おしまい)