数時間後……。
「うそ……完売」
少女のバスケットの中にはもう一つもマッチは残っていませんでした。
「あ、あの、ありがとうございます。これで今年のクリスマスはなんとか…あれ?」
気がつくと少女の隣には誰もいません。
ただ、そこには燃え尽きたマッチが一本。
「……そうね。奇跡が起きても不思議じゃないかな……だって今夜はクリスマスイブだもの」
神様はいるんだと少女はそのとき確信したのでした。
そうして少女は寒い冬をなんとか生き抜くことができました。
少女は時間のあいている時に、あの女の人を捜しましたが、手がかりさえつかめませんでした。
けっきょく、やっぱり、あの人はマッチの精か、クリスマスに神様が私の背中を押す為に使わした天使かなにかだったんだと、少女は結論付けました。
その後、頑張る事を覚えた少女の生活は少しずつ良くなって、次の年には暖かい部屋で人並みのクリスマスを迎える事が出来るようになったのでした。
(おしまい)