「んーー、いい気持ちねー」
そう言って伸びをする直美さん。
「今日も暑くなるんだろうなぁ」
海風になびく髪をかき上げて、まぶしそうに太陽を見上げる。
その姿を俺は隣で見ていた。
本当に清々しそうな表情に俺は心惹かれた。
「朝からいい気分になれたよ。誘ってくれてありがとう、直美さん」
「一日の始まりって大切だからね。案外、それで、その日一日の気分が決まっちゃたりするんだから」
「言われてみればそうかもしれない。俺なんか、朝ギリギリまで寝ている方だから、寝起きはバタバタするんだよ。だから毎日があわただしく過ぎていく感じがするんだろうな」
「あはは。あたしも学校やバイトが朝からある日は、似たような感じかな?」
「おかげで、なんだか今日はゆったりした気分で一日送れそうだよ」
「うん。…じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「ああ」
そうして、俺たちは家へと帰った。
途中、ちょっとツラかったけど、自然の中を歩くのもいいもんだなぁと思った。
気分もいいし、直美さんにも、なんだか近づけた気がするし、誘ってくれた彼女に感謝、感謝である。
|