やっぱり駄目だよ。そんなの。
一時の感情で行動するのは、けっきょく、お互いに傷つく結果になるだけだ。
俺はやっぱり行くのを止めた。
小野寺さんにお詫びの電話を入れる。家の用事でいけなくなったと。
電話に出た彼女は終始明るく応対してくれたが、彼女の事だ。俺に気を使ってくてれいるのだろう。
彼女の声に混じった戸惑いを感じて俺は罪悪感を抱かずにはいられなかった。
でも、きっとこれでいいんだ。
静かにコードレスフォンを切って俺は自分のベットに身を横たえた。
俺はそのまま黙って天井を見つめていた。
どれくらいそうしていただろう。不意に遠くで爆発音がする。花火大会が始まったんだろう。
その音を聞いたとき、なぜだか涙がこぼれ落ちた。