■美和編■
6日目【7月26日】


 
 
「いや、止めておこう」
「え? どうして?」
「病み上がりだからここは用心しておいたほうがいいよ。それに時間が時間だしね」

 俺は彼女の誘いを断った。
 確かに一緒に歩いて話をしてみたいっていう気持ちもあったけど、彼女は体を壊してるんだ。そんな無茶はさせられない。
 悪いと思ったけど、それが彼女自身のためだ。

「うん。わかった。ごめんね、無茶なこといっちゃって…じゃあ、おやすみ」

 少し寂しそうな表情で諦める彼女。

 二人でこっそり出て行って、それを姉貴に知られたりすると最悪だしな。
 その反面、俺は「でもそれくらいよかったかな?」と思いつつ、自分の部屋へと戻り眠りに就いた。

 牛乳の効果なのか、今度はすんなり眠れた。