「いや、止めておこう」
「え? どうして?」
「病み上がりだからここは用心しておいたほうがいいよ。それに時間が時間だしね」
俺は彼女の誘いを断った。
確かに一緒に歩いて話をしてみたいっていう気持ちもあったけど、彼女は体を壊してるんだ。そんな無茶はさせられない。
悪いと思ったけど、それが彼女自身のためだ。
「うん。わかった。ごめんね、無茶なこといっちゃって…じゃあ、おやすみ」
少し寂しそうな表情で諦める彼女。
二人でこっそり出て行って、それを姉貴に知られたりすると最悪だしな。
その反面、俺は「でもそれくらいよかったかな?」と思いつつ、自分の部屋へと戻り眠りに就いた。
牛乳の効果なのか、今度はすんなり眠れた。