■美和編■
4日目【7月24日】


 
 
「いないよ。俺、モテないから」

 苦笑して俺がそう答える。

「そんなことないと思うよ」
「ははは、わるいな。慰めてくれて」
「本当だよ。少なくても一人は宇佐美君を好きな娘がいる事、知ってるもん」
「え? …マジで?誰?」

 俺は少し驚いて彼女の顔を見る。はっとして目をそらす小野寺さん。

「そんなこと教えられるわけないわよ。そこまで話すのってずるいじゃない?」
「そ、そうだよな」

 こういう事は本人の口から聞くべきだよな。
 俺は馬鹿な事を聞いたと反省する