■真澄編■
3日目【7月23日】


 
 

 まあ、いいか。俺も少し疲れてるし、このまま帰ろう。

「先輩、待って下さい」

 呼び止められて振り返る俺。

「あの…ですね。良かったら午後から一緒に街の方に遊びに行きませんか?」
「え?」
「ごめんなさい。あたし、今もこうやってわがまま聞いてもらったのに、またわがまま言ってますよね。忘れて下さい」

 少し寂しそうな表情をしてうつむく真澄ちゃん。俺は慌てて答えを返す。

「いいよ。俺もいまいち遊び足りないかなって思っていたんだ」
「ほ、本当ですか? ありがとうございます先輩。それじゃぁ、一時に駅前で待ってます」
「OK、OK〜必ず行くよ」
「それじゃぁ、失礼します」

 なんだ。彼女の方ももの足りなかったんじゃないか。
 俺の方から誘ってあげればよかったかな…なんて少し思いつつ俺は家に帰った。