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天然の港。
調印式の船、退役する。
60年前の悲劇。
日本人として真珠湾を訪れるということ。

【第8章】「スター・オブ・ホノルル」真珠湾へ……

 は1時間ほどそのまま外洋を航行すると、ホノルル空港の沖を通り、いよいよ真珠湾に入っていく。

 真珠湾入港に伴い、1階の客室では旧日本軍の真珠湾攻撃の解説ビデオが流れ出したらしく、音声のみ甲板には流れていた。
 それは英語と日本語で解説してあって、日本語の部分になったら、私は船の後方にあるスピーカーの近くまで解説を聞きに移動した。甲板では聞き取り難いのだ。

 真珠湾はオワフ島、南中央に紅葉のような形で存在する港で、天然の良港である。
 船は静かに港に入っていく。途中アメリカ軍の空軍基地や海軍の修理工場などを横目に見つつ、奥へ奥へと進んでいく。
 確かにかなり深い湾だ。さらにいくつかの深い入江が存在して波はおだやかである。

 
ると視界に大きな戦艦が見えてきた。アメリカ海軍戦艦ミズーリである。
 この戦艦は、太平洋戦争終結時、日本の降伏文書の調印式がおこなわれたことで有名であり、歴史のさまざまな場面で活躍した。近年退役し、現在は真珠湾のアリゾナ記念碑のすぐ側に係留され、博物館として公開されている。
 さらに進むと、今度は真珠湾といえばイメージする、海上に建つ白い建物、アリゾナ記念館が見えてきた。

 真珠湾攻撃で沈められた戦艦アリゾナの上に立つ、真珠湾攻撃で亡くなった2341人のアメリカ軍兵士の慰霊碑的存在の建物である。
 記念館は岸から完全に独立した形になっていて、連絡船が数隻行き来していた。映画「パールハーバー」の影響もあってか、記念館も戦艦ミズーリも観光客でいっぱいだった。

 記念館の前には錆びた鉄の塊が水中から姿を現している。これは戦艦アリゾナの一部らしい。それに記念館中央にはポールがあり星条旗が掲げられているのだが、これはアリゾナのポールらしく、毎朝、海兵隊員が星条旗を掲げてるらしい。戦艦アリゾナは記録上、沈没したことにしておらず、鑑の籍はまだ海軍にあるそうだ。
 
 また真珠湾の海上にはいくつもの白い石碑が点在する。これは真珠湾攻撃で沈められた米軍鑑の位置と名前を示した記念碑である。

 
珠湾の深層部でUターンした船はアリゾナ記念館沖で一旦停船する。
 そして館内放送で、乗客全員の起立が求められる。甲板からはいくつものレイが水面に投げられ、トランペットの演奏が流れた。

 日本人として複雑な思いに駆られる。しかし、歴史の真実を知り、肌で感じ、歴史から何かを感じ取り学ぶ事は大切なことだし、日本人として過去の過ちを知り、それに対して自分なりの認識を持つことは必要なことである。

 アメリカ人に広島や長崎に来て、自分たちの犯した過ちを感じ取り、歴史の真実を受け入れ、自分たちのあり方について考えてもらいたいと思うの同じように、日本人も、真珠湾に来て、自分たちの先祖が犯した過ちを正しく認識して、今後将来に渡り、私たちのあり方を考えて見る事をアメリカの人たちも望んでいるのではないだろうか?

 ここで少し真珠湾攻撃について触れておこう。



▲手前の戦艦がミズーリ、奥の白い建物が
アリゾナ記念館


▲米軍戦艦ミズーリ。今は退役し博物館として
一般公開されている。


 
 
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