97年04月 重賞予想


blue 天皇賞(春)(G1) 京都 芝 3200m

◎サクラローレル
 色々と不安材料も挙げられているがサクラローレル自身に関しては何の問題もないと断言する。馬の能力に関しては今更言うこともないだろう。僕が新聞等で目にした不安材料についてコメントしておこう。非常に当たり前過ぎるのだが…

休み明け
 1年以上の間隔があった中山記念、5ヶ月弱の間隔があったオールカマーの何れも圧勝している。そして今回は4ヶ月余り。3月初頭から時計を出しており、まったく問題ないだろう。もともとひ弱いところがあったので、寧ろ間隔を開けた方が良いのかもしれない。
小島太厩舎
 厩舎スタッフは変わっていない筈で、サクラローレルを取り巻く環境の変化は殆ど無いと思われる。優秀な厩舎スタッフを引き継いでいれば、新米調教師でも問題ない。
ジョッキーだった頃の調教師に「恨み」を持っているファンも大勢いるようだが(笑、ちなみに僕はファンだった)、そんなことをここで持ち出しても仕方ないんじゃかな。
淀の高速馬場
 余り意味のない議論なのかもしれないが、単純な3200mの時計の比較では出走馬中トップだ。脚を余した昨秋の天皇賞でも出走馬中トップの上がり(34.1秒)を計時している。逃げ馬不在で上がりの競馬になっても十分に差し切れる。

唯一の不安は昨秋の天皇賞のような鞍上のミスなのだが、その時はそういうジョッキーだと思って諦めるしかない(笑)。

○マーベラスサンデー
 天皇賞(秋)でG1級と初対決して以降も着実に成長を見せている。武JKもサクラローレルには一目置いているようだが、こういうコメントをする時が一番恐いのかもしれない。距離に関しても、ここ5年の連対馬の中で本当のステイヤーと言えるのはライスシャワーとステージチャンプくらいで、中距離でこれだけの実績を積んでいれば全く問題ないと思う。(ちなみにメジロマックイーンは、武JKが言っているように中距離に対応するスピードも十分あった。)

その他の馬たち…
 問題はマヤノトップガン。G1を3勝しているにも関わらず、未だに折り合いに不安を残すし、どうも当てにならない面が残る。弱い馬に対しては非常に強い勝ち方をするのだけど… ◎と○が人気馬なので、マヤノトップガンにまで印を付けるのは止めておく。
3着候補としてはリアルシャダイ産駒のビッグシンボル、ハギノリアルキング、ステージチャンプ。ハギノリアルキングとステージチャンプは実際に馬を見て状態を確認しないことには何とも言えない。ビッグシンボルは6歳時のハギノリアルキング(天皇賞3着時)にイメージがダブる。

[回顧] [予想目次]


red ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(G2) 東京 芝 1400m

今週から東京開催になったが、先週までの中山とは違って芝コースの状態は最高と言ってよさそうだ。そうなると先行馬はそう簡単に止らず、ある程度好位に付けられることが条件になるのではないだろうか。
逃げるのは内枠に入ったアサカホマレか。1000m通過は57秒台前半くらいだろう。休み明けのアサカホマレとオープニングテーマが掛かって行くようなら56秒台後半くらいになることも考えておきたい。この時計にも対応できるスピードが必要だ。このレースはNHKマイルCの前哨戦という位置づけになっているが、1400mではスプリント能力が問われる。

◎シーキングザパール
 前走はスローペースの流れを後方で折り合う競馬をしてみせた。気性面の成長の証だろう。(武JKはそれでも気性面を心配しているようだが…)デイリー杯3歳Sでのレコード勝ちがあるようにスピード面に不安もない。ベストの距離が良く分からない点が不安といえば不安なのだが…。

○ワシントンカラー
 前走は逃げ馬を見ながら好位を追走し、直線できっちり抜け出した。レースセンスの良さを感じさせるレース振りで、僕のそれまでのワシントンカラーのイメージを良い意味で覆すものだった。今回も展開が向きそうだ。

▲グレートサクセス
 未勝利戦をなかなか勝てなかったが、ブリンカーをつけて一変して2連勝。状態も良さそうだし、ここで好走しても不思議ではない。

△スーパーナカヤマ
 クリスタルCは最内枠だったために強引にハナを奪いに行って直線差された。控えても競馬はできる筈だが、実績がないだけに4番手評価にとどめた。

その他の馬たち…
 人気の一頭ブレーブテンダーにとってこの距離は短い。きっちり追い込んでくるだろうがきっと届かない。ホッコービューティはシーキングザパールとの勝負付けが済んだ感。この2頭の間に割って入る馬がいないってことは無いだろう。

[回顧] [予想目次]


red 皐月賞(G1) 中山 芝 2000m

◆展開
 強引にハナを奪うような逃げ馬がいない。先行するのはフジヤマビザンか、サニーブライアンか。いずれにせよ前半は必然的にスローペースになるだろう。スローペースでの上がり勝負になればサンデーサイレンス産駒の出番となるのだが、そうはいかないと見る。すなわち、これを嫌う武JKランニングゲイルが前走同様にある程度早めの仕掛ける筈だ。弥生賞は3角で動いたために終いは一杯になったが、使える脚を測るといった意味合いも大きかったと思う。今回はメジロブライトという差し馬が控えているだけにギリギリまで仕掛けを遅らせるだろうが、それでも上がりの競馬にはしない筈だ。勝負所は3角過ぎの4F標識手前。ここで一気にペースアップする。レースの鍵は武JKの仕掛け所にある。

 レースの流れとしては前半1000mは1995年に近いと思われる。そして、後半 の1000mは1993年もしくは1994年のようになるのではないか。

[参考] 過去4年のレースラップ
1996年 12.2-11.0-11.2-12.3-12.5-12.6-12.8-12.2-11.9-12.0
1995年 12.5-11.2-11.7-13.2-12.4-12.4-12.4-12.4-11.8-12.5
1994年 12.2-11.1-11.5-12.2-11.8-11.9-12.2-12.1-12.0-12.0
1993年 12.4-11.2-12.0-12.6-12.3-12.1-12.1-11.9-11.8-11.8
◆メジロブライト
 中山向きではないだろう。しかも、スローペースよりもハイペースで力を発揮できるタイプだ。ハイペースの逃げ馬が不在の今回はで本来ならば危険な人気馬なのだが、今回はランニングゲイルが早めに動いてくれそうで、トライアルの時よりは展開は向きそうだ。あとは勝負所でどれだけ俊敏に反応できるかに尽きる。

◆ランニングゲイル
 レースの後半が1995年のような流れになると、若駒Sで「末脚が切れる」エリモダンディーにあっさり差し切られたように勝ち目はない。ただし、展開で述べたように、鞍上がレースの流れを作れる(そして馬自身もそれに応えられる)のは心強い。

若駒S 13.0-11.6-12.6-12.9-12.5-12.8-12.3-11.8-11.6-11.6
弥生賞 12.4-11.3-12.2-13.3-13.0-12.1-11.9-11.7-11.9-12.4
◆サンデーサイレンス産駒
 ビッグサンデー、オースミサンデー、スターマイサドル。いずれも上がり勝負で強いタイプ。全てはランニングゲイルの出方次第。ランニングゲイルより先に仕掛けるようでは末は持たないだろう。その点では弥生賞のオースミサンデーでのペリエの仕掛けは絶妙だった。オースミサンデーはランニングゲイルより後に仕掛けることが条件で、メジロブライトが馬群を捌き切れない時の2着候補。他はそこまでの器じゃないだろう。

◆ブライアンズタイム産駒
一瞬の切れ味:シルクライトニング、エリモダンディー
持続する末脚:サニーブライアン、セイリューオー、ヒダカブライアン

 小柄な2頭は切れ味が持ち味でしかも母父がともにイルドブルボン、450キロ以上の馬格がある3頭は持続する末脚勝負と分類できるように感じている。瞬発力勝負タイプの前者には展開が向きそうにないが、ともかく仕掛けを我慢できるだけ我慢するしかないだろう。ちょうどナリタタイシンのように。一方持続する末脚タイプの方はランニングゲイルより前で粘り込むしかなさそうだ。

 エリモダンディーはナリタタイシンを彷彿とさせる末脚の持ち主。武豊JK が乗るのなら本命にしても良いくらいなのだが、河北JKにそれを望むのは酷 なような気もする。一世一代の騎乗を見せれば…

 ヒダカブライアンは岡部騎手の評価も高いようだが、将来性を含めてのニュ アンスが強かったように思う。ここは負担をかけずに善戦できれば十分という のが本音じゃないだろうか。

 サニーブライアンは弥生賞の仕掛け(4角で脚をためる)は消極的すぎたと思 っているのだがこれは僕の勘違いなのかな。行くだけ行って粘り込むのが ベス トだと思うのだが…

◆結論
◎ランニングゲイル
○メジロブライト
▲エリモダンディー
△オースミサンデー

[回顧] [予想目次]


blue 桜花賞(G1) 阪神 芝 1600m

内枠に逃げ/先行馬が、外枠に上位人気馬が揃った。特に1番人気のキョウエイマーチが阪神1600mでは大きな不利を被る大外に入ったことで、この馬の動きがレースの流れの全てを決めてしまいそうだ。

◎シーズプリンセス
 阪神3歳牝馬Sでは追い込む競馬をしたが、トライアルでは中団から差したように自在に動ける点が魅力だ。休み明けを叩いての2走目というローテーション、外過ぎない枠順も理想的。好走しても人気にならないし、人気馬の中では最も減点材料が少ないということで本命にする。

○メジロドーベル
 チューリップ賞の時より確実にペースは速くなりそうでレースはしやすい筈だ。後は吉田JKの手綱捌き次第なのだが、多頭数のクラシックとなると不安も残る。

▲キョウエイマーチ
 前走の1400mでの圧勝を見て本質はスプリンターなのではないかという気もしている。それに加えて埒を頼る点も不安だ。4角を回って内埒に付こうとすれば色々と無理をする必要があるだろう。控えて競馬をするならば4、5頭はいるであろう先行馬を捌く必要があるし、早めに外から捲くって先頭に立とうとすればオーバーペースになりかねない。このあたりの不利を松永幹JKが巧く克服すれば…

△フミノパラダイス
 ファンタジーSの凡走は原因ははっきりしており、まだ底を見せていない。

×ヤマニンザナドゥ
 前走は休み明けを叩いたことで一変した。

…オレンジピール
 スローペースの上がり勝負で連勝したが、今回はこの馬向きの流れにはなりそうにない。

[回顧] [予想目次]


This page is brought to you by Hiroshi YOSHIKAWA
GCC02122@niftyserve.or.jp
cz6h-yskw@asahi-net.or.jp (once a week)