97年11月 重賞回顧


red 菊花賞(G1) 京都 芝 3000m

予想通りの超スローペースで上がり4Fの競馬になった。折り合って先行でき、しかも瞬発力のある馬でなければ勝てないレースとなった。

13.5-10.9-11.6-12.9-12.9-12.8-13.6-13.5-13.6-13.0-12.9-12.1-11.4-11.5-11.5
4F 46.5 3F 34.4

1着 ○ マチカネフクキタル
好スタートを決めて1周目の4角では3番手。徐々に下げていって馬群の中で折り合いに専念した。ベテランジョッキーらしい手綱捌きだった。一番最後に仕掛け、直線で抜け出す時の脚はトライアルと同様。脚にかかる負担の大きい脚質だけに、今後も無事にレースができることを願う。

2着 … ダイワオーシュウ
こちらも好位からの競馬。パドックでは入れ込んでいたが、レースでは折り合って先行できた。私の思っていた以上にセントライト記念からの上積みがあった。来春の天皇賞が楽しみな一頭。

3着 × メジロブライト
早めに動いた分、ゴール前の叩き合いに負けた感じ。

その他の馬達は…
◎エリモダンディーは後方からの競馬。ペースの上がった2周目3角坂下で大外へ持ち出し捲くりにかかったが、その競馬で通用する馬ではないだろう。脚の使い所を誤った感じ。ペースの落ちた2周目向正面で巧く馬群の中を通って好位に取り付ければと思っていたのだが、それは河北JKに期待することではなかった。
▲シルクジャスティスは後方から馬群の中を追い込んだが到底届かず5着まで。先行できない馬の宿命だろう。自分でレースをつくれない馬を一番強いなどと言っているようでは、鞍上が過信していたと言わざるを得ない。

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red エリザベス女王杯(G1) 京都 芝 2200m

1着 … エリモシック
道中は後方3番手追走。直線入口までじっと我慢し、一番最後に追い出した。直線もうまい具合に前が開いて、この馬の末脚がフルに活かせた感じだ。

2着 ◎ ダンスパートナー
後方からの競馬。一周目直線の行きぶりが悪かった。直線まで仕掛けを我慢したが、前が詰まって外に持ち出すことに…。一度ブレーキをかけながら、2着を確保したあたりは流石だが…。

その他の馬達は…
○に期待したメジロランバダは前日追いをしたようだが、本馬場入場の際に煩いところを見せていて裏目に出た感じ。

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blue マイルチャンピオンシップ(G1) 京都 芝 1600m

久しぶりの本線的中。マイル戦だと展開が読みやすいし、しかもG1となると絶対能力が問われる流れになりやすいので、予想もしやすいってことか。ラップは以下の通り。

12.1-10.5-10.6-11.4-11.9-12.1-12.3-12.4

1着 ◎ タイキシャトル
強い。スワンSよりも厳しい流れだったのに、同じようなレース運びで完勝した。もはや言うことはないっす。

2着 ○ キョウエイマーチ
好ダッシュから逃げる。馬なりでの先行だったが、テンのスピードは群を抜いていた。1000m通過が56.5秒。逃げることは折り込み済みだったが、ここまで速いとは予想していなかった。これだけ速いと後続も追走に脚を使わされるのだろう。後続の末脚を封じて、自信は2着を確保。やはりこの戦法がベストだ。これも強い。

3着 △ トーヨーレインボー
G1騎乗58回目も3着に終わる。とは言っても今回は誰が乗っても3着までだろうね。

その他の馬達は…
▲スピードワールドは18キロ増。中間の調教は6Fから馬なり2本、強め2本。かわいがりすぎたか。

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blue ジャパンカップ(G1) 東京 芝 2400m

楽しみにしていたパドック。今年も見せ場たっぷりの競走馬が一頭いた。なんというか、凄い馬っす、ピルサドスキーは。レースのラップは以下の通り。

12.8-11.4-12.1-12.1-12.4-12.5-12.6-12.5-12.3-12.1-11.4-11.6

1着 ◎ ピルサドスキー
パドックでは馬っ気。いつおさまるかと思って見ていたがジョッキーが乗ってもそのままとは…。興味の対象はエアグルーヴにあったようで嘶く場面さえあったほど、その精力絶倫ぶりを生産者へアピールした(と私は思った)。私はこれを見て単勝を購入を断念した。が、この馬はいつもこんな感じだとキネーンJK。そういう大事なことは先に言ってくれよぉ。
レースの方は中団の内から徐々に先団との差を詰めていって、4角ではエアグルーヴを見る形。先に抜け出したエアグルーヴを内からきっちり差し切って、実績通りのパワフルな走りを見せてくれた。パドックで集中力を欠いていても、レースでは無駄な動きをすることなく集中力を高めることができる競走馬なのだろう。今年も世界の超一流馬の実力を見ることができ、満足のいくレースだったと思う。

2着 ▲ エアグルーヴ
パドックではJC用赤白メンコを着用。天皇賞時より煩いところを見せたが、何とか平常心を保っていたと思う。レースは好発。スローの流れを先団で折り合ったように見えた。先に抜け出す正攻法の競馬で、彼女自身も最高のパフォーマンスを見せてくれたが、世界の壁は厚かった。

3着 ○ バブルガムフェロー
エアグルーヴの後方外側を追走。1角過ぎでちょっと行きたがったように見え、精神面での未熟さが露呈した感あり。これでエアグルーヴには2度目の完敗。2度続けてその能力以上にこの競走馬を評価してしまったあたり、私の予想もまだまだ甘い。

その他の馬達は…
△ツクバシンフォニーは期待通り先行してくれたが、ちょっとペースが遅かった。自身もそうバテてはいないが、あれでは後続馬の餌食になる。もっと思い切った騎乗をしてもらいたかったが、そういう騎乗すらできない相手だったと判断すべきだった。

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red 阪神3歳牝馬ステークス(G1) 阪神 芝 1600m

1着 △ アインブライド
道中は中団の最内でじっと我慢。直線で最内が開くという幸運にも恵まれたが、追ってから実にシッカリしている。

2着 … キュンティア
中団の馬群の中。4角も無難に立ち回り2着を確保した。あまり強いという感じはしなかったのだが果たして…

3着 … ダンツシリウス
ペリエの技術で3着に持ってきた感。

その他の馬達は…
◎シンコウノビー(5着)は4角で大外に膨れた。大川慶次郎が指摘していた通り先行馬が下がってくるという不利もあったが、もう少し巧く立ち回って欲しかった。外に膨れているのに右ステッキはないと思うんだけどなぁ…。巧く回れば2着はあった筈。○ダイワリプルスは無難に乗っていたが6着に終わった。こんなものか。

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