Construction 2:X68000XVIに040Excelを載せよう

SHARP純正PCとしてX68000とX68030が発売されたことまでは知っていても、 その後、それぞれCPUを強化したアクセラレータが発売されていることは あまり知られていない(その筋の68ユーザには有名であるが) 030用には040TURBOというのが有名な68040を使ったボードが出ており、 000用にはXellent30なる030ボードがもっともコストパフォーマンスに優れたボードが出ていた。発売後、購入しようと思ったが中々高価で迷っているうちに手に入らないものになってしまった。

そんな状況でうちのXVIはこれ以上のパワーアップをあきらめていたのだが、 1999年秋、それを覆すボードが現れた。それが040Excelである。 (まあ、実際に載せる改造はまきおさんにしていただいたのですが(汗))

040Excle実装状態

1999年11月 040Excelとの出会い
まきおさんのホームページ で初めて040EXCELのことを知る。なにやら68000に載せる高速化ボードのようである。 従来のXellent30以上に高速化が望め、SDRAMスロットによるメモリ増設までできるようである。 学生時代、060化するJupiterXの存在を知り、ずっと開発を待っていたのだがあまり進行しないまま、Xellent30も見つからなかったところに思わぬ朗報である。 JupiterXは当時20万くらいかかるといわれており、それもかなり敷居が高かったのだが、EXCELは4万。Xellent30を探しても数万はかかると思われるので何はともあれ、申し込んでみた。 数値的には最大10倍くらいの速度がでるソフトもあるらしい・・・。どこまで期待できるものか。まぁ、趣味の世界なので。

1999年12月 CPUの調達
040EXCELだけでは動かないので、ひとまずCPUを押さえに秋葉へいった。 秋葉デパートの中にその手のものを扱っているところがある。 今ならMacなどから抜き取ることもできるだろうか。 見つけたのは、LC040の33MHzで2000円。ひとまずゲット。 本当はMC68040がベストなのだがLCでもとりあえずは使えるということで。 他にはオシレータやメモリなども必要なのだが、それはまだいらないだろうと、保留した。

2000年5月 辛抱強く待ちの時期
常日頃まきおさんのページをチェックして進行具合を確認。順調にいけば春頃には出荷される予定だったらしいのだが、遅れているらしい。 こちらからはとにかく待つしかないのでただただ待ちつづけた。

その後、Humanがフリー?になったり、満開製作所から来栖川電工さんの方でいろいろと開発が引き継がれることになり、 その関係でEXCELからPCIつきの060ボードへの乗り換えの案内がきた。 しかし060がCPU単体で高価(5万円?〜)だったため、 別に当初のスペックのものを引きつづきお願いすることにした。初志貫徹、といえば 聞こえは良いが。

2000年8月 ハードはできたらしいのだが・・・
どうやらハードは完成しているらしいのだが、ハイメモリと呼ばれるところにDMAを通すためのソフトの開発が遅れているらしい、との情報。 あとからわかったが、どうやらEXCEL上のSDRAMを内蔵メモリ12Mの変わりにあてることができるらしく、この問題が解決しないと、メインメモリでDMAを使うソフトはまったく使えなくなってしまう、ということらしかった(もしかしたら、DMAを使わないソフトもNGだったのかも。)

その後、どうもソフトの開発が060用のみで040用は開発できそうにないことになり、まきおさんの方で委託ハード改造をすることになった。ソフトで解決できないので、 ハードでやってしまう、というのも中々凄い。 その改造箇所だが、自分で改造してもいいがどれほどの改造が必要かわからなかった&作者に見てもらうのが一番、と思い発送することに決めた。 クロックアップに関する話などをメールで交換し合い、改造が終わるのを待った。 どうなることやら・・・・。

2000年11月 そしていよいよやってきた
まきおさんの作業はめちゃめちゃ早く、すぐにXVIは返ってきた。説明のかかれたPDFを見ながら接続する。CPU、オシレータ、SDRAM、040動作表示LED、000/040切り替えスイッチなどをつける。今回の改造でシールド板ははずされている。040をつけるのに邪魔になるからだ。さて、いよいよ起動、どきどき・・・・。 つかない!?再チェック・・・。 どうやらモニタの方が腐っていたらしく、その問題はすぐに解決した。

ひとまずの動作は確認。動作させているクロックは16MHzに設定していると、VRAMが16MHzで、システムクロック(ベース)が10MHz、そして040はオシレータ次第、SDRAMはその半分になる模様。それにしても起動時の128MSDRAMのチェックは壮観である。

うちのXVIは10MHzのラインの方をパターンカットして24MHzなどのクロックアップをしていたのだが、EXCELは一応標準動作周波数を推奨しているので16MHzで動かすことを薦められた (ベース20MHzでの動作実績もあるらしいが) なので今回からクロックアップ回路まわりはばっさりあきらめて、16MHzのラインを使うことにした。 040に挿しているオシレータは66MHzのもの。これまた75MHzまでの動作実績もあるらしい。ところで040の定格クロックは33MHz版が限界なのだろうか・・・。40MHzの040とかもあるのかな。そしたら挿しかえればあるいわ・・・(ない?)

とりあえず、起動はしたし、切り替えスイッチで000と040の切り替えも確認できた。 CPUの切り替え時にはリセットが必要である。040で起動するとconfsel.xというCONFIG.SYS選択プログラムが030と判断して、「X68030」と表示される。 040版ないかな・・・。 (実際は最初に、SRAMにパッチプログラムを入れておく必要がある。これは000モードで起動して実行する必要がありそうだが、今回の改造ついでにすでに入れてもらっていた)

次に、JDASH.SYSというドライバの組み込みが必要なことがわかる。早速、CONFIG.SYSに組み込むと・・・・「Human.sysのバージョンが未対応です」なにー、 どうやら、3.02でないといけないようなのだが、うちは3.01だった・・・。 HDDに入っているシステムのバージョンなんていつあげたか覚えていないしあげ方もわからない。 うーむどうしたものか・・・・! そこで思いついたのは以前に買った同人ソフトのシステムファイルをHDDに上書きしてはどうか?である。 われながら無茶な考えかと思ったが結果からいうと「うまくいった」単純に属性を換えてファイルコピーしてシステム属性をもどした。 おそるべし。refreshなどをかけて、システム領域を先頭に集める、などをしないといけないかとも思ったのだが・・・。無事起動時JDASH.SYSが組み込まれるようになった。

とりあえず、従来つかっていたツールを使う。確かに若干早くなっているような気はするが劇的に速くなった感じがしない。そういえば、何かを忘れているかなぁ、と思ったらキャッシュだ。 030以降には命令キャッシュとデータキャッシュというのが搭載されていて?それを使うことによって高速になるらしい。 さらにモードとしてライトスルーとコピーバックというのがあり、コピーバックのほうが速いらしい。早速設定を変更して適当なコマンドを実行・・・「ハングアップ!!」 あちゃ・・・。

どうやらあたりまえのことだったらしいのだが、キャッシュに対応していないソフトを実行すると固まるらしい。 どうにもキャッシュ対応のソフトを集めるしかないらしいのだが、 いまさら中々難しい状況である。68030ユーザに期待するしかないか・・・・。

2000年12月 とりあえず見た目を改造
ソフトを書き換える腕は無いので、とりあえず、工作の方をやってみる。 主に、秋葉で買ったジャンクのヒートシンクをつけて、000/040切り替え表示LEDをつけて、CPU切り替えスイッチを後ろから出す、の3点である。

ヒートシンクは接点グリス?を塗って、超強力両面テープでくっつけた。 熱伝導テープというのが良いらしいのだが見つからなかった。 ジャンクで買ったときはFANもついていたのだが、電源を取るラインが分からなかったのでまぁクロックアップもしてないし、ということでヒートシンクのみにした。 切り替えLEDはまず正面のLEDのついている基盤をはずして、HD BUSYのLEDをはずしてそこに無理やりつけた。 高輝度タイプなのでちょっと標準のLEDと不釣合いだが、あまりに気になったら青色LEDでも買ってきて交換しよう。 最後に切り替えスイッチ。これが一番苦戦した。 右タワーのFG(フレームグランド)をとって変わりにつけると非常に具合がいい、 というのは分かっていたのだが、そのFG端子が固くて取れない。 カッターやペンチなどでかなり強引に力を加えたら取れた。 その甲斐あってかかなり見栄えには満足の行くものになった。

ジャンクヒートシンク LED交換
FGにスイッチ 高輝度LED

2000年12月 そして動き出す。
EDP時代の先輩の協力の下色々調査していると、キャッシュOFFの時に実行して動いてる状態(曲を鳴らす、など)で、キャッシュをONにしても固まらない。 つまり、プログラムがメモリ上にあるのは問題が無い、すると実行時に問題が・・・・。 なんと、LZX圧縮されていることが問題だったらしい。 030Syspatchや040Syspatchではこの問題は吸収されているらしいのだが、 今回使ったパッチでは吸収されていなかったようである。 といっても、ツールをすべてLZX解凍すれば良いだけの話なのでなんら問題はない。 というわけで、念願の森ベンチも動く「森34.1枚」X68000ベースでは結構な数値ではないだろうか?(もはや比較対象がいないが・・・) ゆみみMASLも音の方が遅れるし(笑)ぼちぼちベンチマークとってみます。


さて、問題はこれからキャッシュ対応のツールを入手できるかどうか。 進行次第適宜更新予定・・・。ベンチマークでも載せられるかな・・・。

今日はここまで