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電車に乗るのは大変だ


5年ぶりに同窓会に出席しようと思った。浜松京都往復の「新幹線切符」を買うと、電車にあまり縁がなかったのでなんだかウキウキした。

近所にある東海道線の小さな舞阪駅は駅員が常駐しているが、時間差があって、いない時が多い、切符を買うにも窓のカーテンが開くまで待っていなければならない。やっと開いた窓口では慣れないジパング申込書の記入にミスがあって、小言を言われ、「スミマセン、、」を連発しながら書き直した。(JRは民営化したとは言え、年配の駅員は横柄で旧国鉄そのままの尊大さ)前途多難の予感、やっぱりクルマにした方が良かったかナ、、日帰りの旅、しかも行く先が道の狭い京都、大雨の予報も出ていた。駐車場にも苦労するだろうと思い、今回は「電車」にしたのだった。

舞阪駅で切符を買い改札を通り浜松駅までは10分、乗り換えのために「新幹線」と書いてある看板を頼りに歩いていき、出口と改札口の場所にでた。たった二駅の近距離切符を230円で買って乗車したから、その切符を入れた。「ピンポーン」と目の前の通路のバリアが塞がったけれど、一瞬早く片足は既にバリアを越えていたから、もう一方の足も強引にすりぬけさせた(!)誰も何も言わないからそのまま進んでいくとホームに上がってしまった(?!)、、アレッ?すると切符にパンチを入れるところがないことになる、、その時になってようやく新幹線の切符で近所の舞阪駅から乗ってもよかったんだ、さっきのゲートでその切符を入れて、また取ったらOKだったのだと初めて気がついた。

もういいや、仕方がないヤン、、もう通ってしまったモン、、

「ひかり」が着くホームへ上がったら、いきなりホームに入っている電車が目についた、あわて者は驚いて駅員に聞いた。

「ひかり○○号はこれですか?」

「これはコダマ××号!!」

「あら、、そうですか、、」  ぶっきらぼうな駅員やワ、、


台風の影響で大雨の予報が出ていた。雷鳴がとどろき、窓の外は灰色で風景など見えないほど雨が激しい、雨女を再確認させられたが、電車と雨雲が関が原あたりで交差したらしく京都に着く前に段々小降りになり、到着したら雨はやんだ(!)奇跡である!京都駅の新幹線出口では、案の定パンチの入っていない切符は感知されて、器械はピーンと鳴ってバリアが出た。分っていたけど大袈裟に立ち止まった、「イヤ〜なんで〜?カナワンワ〜、、」(いやみなおババです)。飛んできた駅員さんは、出た切符を良く見ようともしないで、親切にも謝ってくれて、「どうぞ!どうぞ!」と丁重に通してくれた(笑)。ここは代表的観光地ですもんネ、駅員さんの態度は素晴らしい!浜松とはえらい違いデス(こちらのミスなのにスミマセンね、、、)。

地下鉄で四条まで行き、そこで錦市場に寄って包丁砥ぎを依頼してから会場へ行くつもりでいた。学生時代はまだ路面電車が走っていて、いつも5番か15番に乗ったなァと、大昔のことを思い出しながら地下鉄の切符売り場へ降りた。地下鉄の切符など、最後に買ったのはもう何年前になるのだろう、、器械がずら〜と並んでいる。いったい幾ら払うのだろうと運賃表を見上げると、110円という数字が目についた。何も考えないで、110円を入れた。・・電気もつかず、反応がない、、「故障かな、、」と思い、隣の器械に移って(笑)また110円を入れた。でも同じで反応がない、、横を見ると、さっき故障していると思った器械で3人のギャルが楽々と切符を手に入れている!「え〜ッ?、、なんでやねん、、」

もう一度運賃表をみると下の数字が110円でその上に210円と書いてある!「子供料金」?!やっと気がついた、いまどき110円なんていう安い区間切符なんてあるはずないやん、、内心赤くなりながらあと100円を入れた、当たり前ながら器械はパッと点灯した。ア〜ア、、

四条について道路へ出ると、どちらが烏丸か河原町か、とっさにはわからないほどの変わり様で、またまたウロウロ。錦市場へ出る通路をデパートの店員さんに聞いたりする、(4年も住んでいたのに!)再び地下鉄に戻ろうと歩いているうちに道を外れてしまう、おババはもう疲れてきた。

結局タクシーに乗って、なんとか開会時間に間に合った。同窓会はそれなりに盛会、二次会のおしゃべりもあっと言う間に終わりになり、夕暮れ近くなってから親しかった友人と京都駅まで戻った。お土産店をひやかしながらしゃべることに夢中になっていて、なんとなく階段を上がりホームに出た。行く先を示す看板は全部博多、大阪方面、、アレッ?おかしいな、、すると、友人が言った。

「あの看板の裏側に東京方面って書いてないかしらん??・・・そんなはずはナイではないか(!)友人も相当なモンだが、そうかナと裏側に回って看板を見てみた自分もスゴイ(笑)。

二人で大笑いしながらホームを下りて反対側へ歩いた、「東京方面」ってちゃんと書いてあるじゃないですか、、時間が余ると思っていたけれど、そんなこんなで、丁度時間となりましたァ、、、

名古屋で下車する友人と名残りを惜しみ、浜松に帰り着いた。切符と特急券を器械に入れると、切符だけが戻ってきた(当たり前デス)やっぱり舞阪駅まではこれで乗れるんだワ、、

小さな舞阪駅に電車が入ると、下のコンコースに連れ合いのクルマが待っているのが見えた。ヤレヤレ、、チョンボだらけの新幹線の一日は、どっと疲れてくたびれて、ようやく終わりになった。

お茶をすすりながら、一日のチョンボを報告する。

「アノね!新幹線浜松駅からの切符で舞阪駅からも乗れるんヨ!だって近距離切符を取り込む所がないモン、、改札口バリアが閉まったけど強引に通ったワ、、京都駅に着いてパンチの入っていない切符を出口で入れたら、ピーンって止められたけど、、すぐに出られた」

「へエ〜?!じゃぁこの前、ボクが乗ったときは、電車賃(!)ソンをしたんやナ、、どうりであの切符、出すとこ無かったもんナ」

でも、ちゃんと新幹線切符を入れて通ったんだから、私よりはマシやないですか!私はバリアをこじ開けて片足通したんやから、、」(えらそうに言うことでもありまへん)

「ようそんな無茶するワ、、それに、裏側に違うこと書いてあるホームの案内板なんかあるかいな!アホやな!ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、、」

連れ合いは優越感いっぱいの顔で笑った。  (08.10.01.)


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