Kistler
カリフォルニアのシャルドネは2〜3年たってからが美味しいといわれてきましたが、このキスラーは長い期間熟成を続けるのか、しっかりとした厚みがあり、滑らかな味と香りを持っているようです。すっぱくなく、辛すぎず、濃厚な芳醇さがあふれていて驚かされました。キスラーでは今世紀に入ってからビンテージワインを続出していますね。
親しい友人との集まりなどには、この味が話題の中心になることでしょう。魚のソテーは勿論、パスタやグラタンにも相性よく、貝や海老とマッチして皿の旨味をUPさせます。蟹のテリーヌなどにもいかがでしょう。
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Delicato
「デリカート」は「トゥルーブルー」という名前が示すように、美しい深いブルーを基調にしたシックで明快なラベルをつけています。ラベルに秘めたデリカート一家の苦闘の歴史は曲折にみちたものだったのですが、ここ数年は成長が目覚しく、金賞ワインの一つになりました。
イタリアからカリフォルニアに渡り、季節労働者として葡萄摘みで苦労した初代から受け継いだ不屈の醸造魂が三代目にして花開き、ネゴシアンに頼らず、自家ブレンドで売れるまでに成長しました。家族総出の労働は上手く分担され、ワイン畑ではその広さでもトップになりました。重すぎず、軽すぎず、それでいて深い味わいがあり、弾むようなカリフォルニアの雰囲気を持ったワインだと気に入っています。
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Dominus estate
カベルネ・ソービニョンにメルロ、カベルネフランなど
濃厚な色と上品な香りと分厚い味、クラシックな感じそのままに、凝縮された旨味がある大人の味です。このラベルは1985年ですから、今は使われていない稀少なものと思われます。ニューヨークの酒店モレルカンパニーを訪れた時に勧められたのもこのワインでしたが、その時購入したものは、渋くて美味しいと感じなかったのです。
今回送られてきたこの古いワインは、カベルネをベースにブレンドしていますが、1990年以降はタンニンが穏やかになったというのが通説になっています。しかし、それ以前の1985年のこのワインでさえ、渋みは分解してしまい、旨味だけが残っていました、長期の熟成に耐える上質なワインの証明と言えるでしょう。とても美味しいワインでした。 

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Walter Hansel
ソノマのルシアン・リヴァー・ヴァレーでシャルドネとピノ・ノワールを生産しているウォルター・ハンゼルの白ワイン、フランスブルゴーニュの名品。モンラッシェにも匹敵する旨さを持ったワインです。
1996年のワイナリー設立にしては凄腕とも言える味です。このワイナリーは、超一流ワイナリーであるキスラーやデリンガーがある地域にあり、お互いにその味を競っているようです。
このシャルドネは重くなく、酸っぱくなく、まろやかで、キスラー上級クラスの味に勝るとも劣らないと感じました。シャルドネ、ピノ・ノワールともに、日本ではまだ見られないラベルです。これからが楽しみな一級品クラスの白ワインです。魚料理には勿論、干物にも合って驚きます。 

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Overture
We
have bottled this wine for our own use here at the winery and for limited retail sale 、、、と、ボトルに張られたとおり、このワインはあのオーパスワンを作っているロバートモンダビワイナリーで醸しだされた自家向けのワインであり、ワイナリー以外では販売されないワインです。
カベルネソービニヨンの持つパワフルなダイナミックさと、深いまろやかさがうまくバランスをとっていて、さすがとしか言いようのない美味しさです。重すぎず、渋すぎずの幅広さは、魚の粕漬けなどにも違和感なく合いますから驚きです。
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Ironstone Zinfandel
アイアンストーン ヴィンヤーズは、ブドウの栽培に理想的とされる昼と夜の寒暖差が大きい標高の高い地域にあるのだそうです。この土地柄が、質がよく均一な味のワインを生み出す大事な要素の一つになっているのでしょう。
ジンファンデル種はカリフォルニアの原産種であり、フランスワインとは明らかに違うスパイシーな野性的な味が特徴です。このアイアンストーンは、濃い色調でブラックペッパーのようなスパイシーな香りを持った風味豊かなワインです。
柔らかな味ながらコクを持ち、しかも重過ぎない、アロマたっぷりのスパイシーな個性、なかなかのものです。価格も安く、2000円でお釣りがきます。
ソーセージやハムの香辛料にも負けないしっかりとした味と香りは、日曜日の昼下がりに、ハイティを気取って軽くあけるにはもってこいのワインでしょう。

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Robert Foley
アメリカで一番人気の一つとされるカリスマ性のあるワインで、今や入手が少し困難なほどになったと言われています。
ナパヴァレーの西側山岳部、スプリングマウンテンで作られるカベルネソーヴィニヨンとメルローのブレンドである「Claret」という名前は、昔の人気TV番組「刑事コロンボ」の「別れのワイン」に登場しましたね。
深みのある複雑濃厚な味と香りを持ち、濃いコーヒーのイメージすら浮かんでくるような、甘いタンニンを感じる旨味が珍しく、かなり個性的なワインです。日本にはまだなじみが少ないですが、きっとブレイクすると感じさせられます。
「Charbono 」と、ブドウ品種がラベルに表示されるもう一つのワインは、すっきりとして飲みやすいのですが、結構深い旨味があり、日本の蒸し暑い気候には絶好かと思いました。軽めの鱸のロティなどにも同化して美味しく、珍しい品種に関する話題性もあって、なかなかいいワインです。

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St Emilion Lussac
ラベルを見て、このワインをフランスワインと思う方は少ないのではないでしょうか。アメリカ風の簡潔、斬新なデザインの「エチケット」ですね、驚きました。近年フランスワインは人気が落ちて、特に伝統的なシャトウものの落ち込みが激しいと聞いています。新興のアメリカやチリ、ギリシャ、アフリカなどに押されているのでしょう。しかし、このデザインから新しい試みも感じられて、新感覚を持つ経営者の参入も想像させられます。
中身はルサック村の土壌からメルロ種と思われましたが、裏ラベルにはそのブドウ品種の%まで、まるでアメリカワインのように明確に表示されていました。予想通り、メルロ80%にカベルネソービニヨン20%のまろやかで優しい味でした。
明快な「エチケット」に好感を持ったせいでしょうか、なかなか美味しいワインでした。なんの変哲も無いカツレツなどにも充分対応してくれて、天麩羅などにはぴったりと合う柔らかさです。香りもきつくなくて穏やか、するするとノドにおちて行く飲みやすいワインです。世界遺産サンテミリオンワイナリーからのお土産でした。

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CIDRE Villa d' Est Gardenfarm (日本長野県)
微発泡性のシードルワイン、初めて飲む味でした。今年のシードル部門銀賞を得たと聞いたヴィラデストファームのリンゴ酒です。シードルとおしゃれに発音していますが、なんのことはない「サイダー」なのです。ただ、日本の今までのサイダーの味を思い浮かべて飲むと、ちょっとした驚きにみまわれてしまいます。甘くありません。そして含んだ時にかすかに樽の香りでしょうか、それともチーズの残り香でしょうか、なんともいえない面白い味もします。
ビタミンも豊富でポリフェノールも多いというこのお酒は、ブドウの育たないノルマンディー地方やブルターニュで作られてきて、2000年もの歴史があるのだそうです。アルコール度数は低く、のどごしがいいので、ついうかうかとボトルが空になるまで飲んでしまいます。相手を選ばず、何にでも寄り添い、タベモノを美味しくしてしまうから不思議です。採れたてのトマトやキュウリとサーモンのサラダなどと一緒でもグーでした。そうそうジャガイモの薄切りグラタンとも仲良くしてくれました。軽めのお昼などにお友達と飲んでみるといいかもしれません。

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Vosne-Romanee
1982年、25年前のワインです。古いと言ったらいいのでしょうね、今回はアメリカを経由して来ました。下り坂の味を予想して、おそるおそる抜栓しましたが、なかなかどうして、優しい風情ながら、凄腕のオバサマといった感じでした(笑)。
色はオレンジがかった透明な赤、あっけないほど薄い色です。香りも物の本に書いてあるような、のけぞるほどの強烈さはありません。しかし、じんわりと広がっていく香りは、さすがに華やかな雰囲気をもっています。
ロマネの畑は「葡萄の樹が根を深く張り、房の数が少なくなって、地中のミネラル分を凝縮して集めるようになるので、バランス良く出来上がる」、、、などと専門家は申しますから、きっとそうなのでしょう。生産量を抑えて名門ロマネの顔を守っているといったところでしょうか。
上品な優しさの中に落ち着いた味わいがあって、高級感を感じることが出来る、ご馳走のワインでした。

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Corte Riva
9月30日富士スピードウエイではじめて行われたF1レースは、雨のしぶきにマシーンもかすむという最悪の条件で行われました。すっきりしない気分で賞味期限の切れそうな「エスカルゴ」に会わせて夕食に開けたこのワインは、色も美しく透明感があり、しっかりとした凝縮されたまろやかな味で、雨気分を吹っ飛ばしてくれました。
ワイン作りとしてはまだ30年あまりしか経っていないわりには角が無く滑らかで驚きです。果物のコンポートのような味もして、濃厚ながら爽やか、納得できるいい風味でした。
カリフォルニアに移住した二人のフィリピン人の出会いから生まれたというこのワインのラベルは、紅葉のようなな絵柄がついた東洋的な壷の絵が黒いバックに映えて美しいのです。フィリピンの工芸品ということですが、昔のワイン壷、アンフォラの形に似ていて見飽きません。

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SONOMA-LOEB
このワインはソノマロウブと読めます。ソノマカウンティのロシアンリヴァーヴァレーとアレキサンダーヴァレーの畑で出来る選りすぐりの葡萄を使ってつくられている量の少ない貴重なワインです。シャルドネ種ですから当然「白」。少し果汁の味がするまろやかな風味です。
フレンチオークの樽で熟成させているため、複雑な香りももったワインに仕上がっています。
ピリピリした酸っぱさがなく上品な果実の味が感じられるソフィステケィトな品格があります。
きれいな薄い黄色で、濃くなく軽く、鮮やかな上品さを持っていますから、軽めのお皿に合うと思います。クリームチーズを使ったオードブルなどにはぴったりの感じがしました。もしブラインドテストなどをしたら、ブルゴーニュの高級白ワインと間違うことがあるかもしれません。繊細でいいお味でした。

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Schramsberg Blanc de blancs
シュラムズバーグのスパークリングワインをお正月に開けました。大人の味です。
押しつけがましくも毎正月、陰膳の写真をメール添付してやっていた息子から今年はこのボトルを見て「辛口のスパークリング、大統領の晩餐会にも出る逸品です」と返信が来て、一瞬たまげました。しかし、今はインターネットでいろんな知識を得ることができる時代だと、イジワルおババです。
フランスのシャンパンの味にひけをとらない円熟した辛口ですが、濃い味の多いお節料理にはうまく調和し、ついついグラスを重ねてしまいます。食べるものを選ばない強さがあるように思います。ビリビリした軽薄さがなく、しかも、すっきりとした飲み口はなかなかのものでした。
クリントン大統領のおもてなしのためにわざわざ取り寄せたという伝説つきのスパークリングだそうですから、薀蓄をかたむけたい御仁にはパーティなどに抜栓すると楽しいかもしれません。

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Covey Run
1月10日を過ぎて開けたこのワインは、女性のための小正月にはぴったりの綺麗なワインでした。アプリコットや甘いジャムのような香りがして、色は鮮やかなアンバー(黄色)です。完熟するまで樹についていた実は糖度が増して甘さが際立ちますが、貴腐ワインのような複雑な湿気たニオイもなく、すっきりとした柑橘系の味で、甘さに品がありました。ついついグラスを重ねてしまうアイスワインです。
可愛らしいエチケットはCovey(鶉)のお散歩です。
Award-winning wines from grapes grown mostly in the Yakima and Columbia
Valleys.

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Volcanic Hill 1984
若い人のために開けたやや重のしっかりした赤ワインです。香りはブラックベリーの香りに少しだけキャラメル風味も感じました。
色はレンガ色がかった赤です。予想外にフルーティで、クリーミィでしたが、しっかりとした骨格も感じます。フレンチオークの樽の香りもして、久しぶりのバランスのいい赤でした。ステーキにはぴったりですが、シチューなど肉料理にはうまくマッチするでしょう。
20年経過しているとは思えないほど力のある味でした。
「まだまだ頑張れる」と、年寄りに元気を与えるワインでした。

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Peter Michael
シンプルなエチケットにはMon Plaisir 「私の歓び」と小さく書かれ、カリフォルニアの州花ポピーがモダンに描かれています。シャルドネ種独特の酸味が程よく、まろやかで味が際立ち、7年を経て今が飲み頃の丸い酸味でした。
色は、グリーンがかすかに感じられる鮮やかな黄色です。アレキサンダーマウンテン、エステート畑から出たすぐれたワインというだけあって、この味はフランスの白の高級品に勝るとも劣らないものでした。


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Brumont
フランス南西部に出来る地のブドウ、タナ種を使ったワインということで、珍しい気分で試飲してみました。何と言ってもこのマッカッカのエチケットが強烈な印象です。
見た目より軽くなく、どっしりとした重みも持っていながらくどくなく、バランスがよくて飲みやすい。丁度ストックしてあった牛肉の断ち落としを使った煮込みと相性がよくて、美味しくいただきました。
外資系航空会社のエクゼクティブからの頂き物でしたが、薀蓄に意外な驚きがあって、食卓がにぎわいました。あのトムクルーズ御用達のワインの一つなんだそうですが、トップガンの頃の彼ならこのボトルは似合うでしょうね。
華やかですが少し野卑な感じがあって、一筋縄ではいかない曲者の雰囲気をもったワインでした。

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雪室熟成 (岩の原)
このワイナリーは新潟県上越高田にあり、日本国産ワインの原点と言われています。この地の地主だった川上善兵衛は、荒れた岩だらけの土地から得るものはないかと考え、ワイン醸造に目をつけたということです。
明治時代ですから冷却装置もなく、熟成には神経を使ったことでしょうが、土地柄を生かして「雪」を使う「雪室」を考えつき、雪を冷却に利用することを思いついたのだそうです。発想がスゴイですね。「雪室熟成」、いかにも醸されたという雰囲気を持つラベルに期待は高まりました。
2003年産ビンテージのワインは、このワイナリーには珍しくメルロ種を使っています。程よい滑らかさを持ち、透明感のある赤色で、カベルネのような渋さがなく、それでいて深みのある香りを放って秀逸でした。思いがけない人から届いた雪国のワインに、ほろ酔い気分も最高でした。

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Vignerons Reserve (長野県)
★ 欧米をはじめとする世界のワイン生産地では当然の自園自醸ワイナリーが、日本にはまだごく少数しか存在していません。ヴィラデストワイナリーは、日本がこれから迎えるであろう世界の潮流に伍したワイナリーの姿を先取りし、その情報を公開することによって、新しい時代を切り拓くことを目指しています(玉村氏)。
エッセイスト玉村豊男氏がこのようなコンセプトにもとずいて土地を耕し、ワイン作りのためのブドウを栽培してようやく世に出たワインは、今年の「洞爺湖サミット」のワーキングランチで各国の首脳陣に饗されるという栄誉を得ました。
Sur Lie と称されるやり方で、澱をそのままに、澱の上で味わいを深めるという手法が生きている労作です。飲むほどに美味しさが増していくという、従来のシャルドネにはない魅力があって、うまみのある白です。ズッキーニのリゾットにはよくマッチしました。段々すっぱみがなくなっていき、驚かされるワインです

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Vignerons Reserve 長野県)
シャルドネとともにヴィラデストワイナリーを代表する赤ワインです。標高800メートルにある小さな畑は、メルローの栽培にはむかないのではないかという危惧もあったそうですが、涼冷な気候はかえって味に深みを与え、複雑な旨味がかんじられるということでした。
焼き野菜を添えたベーコンとジャガイモのオーブン蒸し焼きとともに頂きましたが、少し若い印象でした。もう少し年月があればもっと熟成するのでしょう。サミットで選ばれたシャルドネの完成度にはまだ追いついていない、、そんな気がしました。しかし、将来が楽しみなワインです。

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Charmes-Chambertin 1995
有機栽培の小さな畑から生まれたこの古いワインは、いかにも洗練された丸みと滑らかさを持った完成度の高いものでした。高い評価を得ている製造者ドニ バシュレ、樹齢100年を経た樹などに思いをいたせば、当然の味なのでしょう。
朝の市場で揚がったばかりの鱸が手に入った日、1匹の鱸を3種の味に仕立てて、遅ればせの××記念日をカリフォルニア経由でやってきて2年間眠っていたこのワインで祝いました。しなやかさと深い成熟が感じられる濃縮された味を堪能しました。
ナポレオンが愛したシャンベルタンの隣畑とあって、13年を経てもへたりのない円熟の香りはさすがでした。たまにはヴィンテージもいいものです。

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Joseph Laurence 2003
このワインの元になっているブドウcharbono シャルボノという種類は、あまり知られていない品種であり、イタリアのピエモンテ州にあったというDolcetto ドルチェット
というブドウがこのシャルボノに一番近いのではないかと言われています。しかしその本当の由来はよくは知られていないという、少し神秘的ともいえる品種です。昼夜の温度差の激しい土地で、日中の温度が高い所を好むことから、ナパがその成育に適していたのだとも考えられます。
黒味のかったプラムのようなブドウは、濃いワインになるのだろうと想像して、覚悟して抜栓したこのボトルでしたが、その予感を裏切るというか、重くなく、繊細で美しくデリケートなワインでした。
赤色も黒っぽい色ではなくて鮮明な赤紫、グラスに注げば立ち上る甘く濃い香り、まさにプラムを思わせる香りでした。飲み心地がよく、ついグラスを空けてしまいます。用意したフォアグラともマッチし、負けていないところもまた気に入りました。 

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Beaujolais Villages Primeur 2008
11月20日は今年のボジョレ解禁日でした。景気に左右されやすい品目の一つであるボジョレは、ひと頃の人気やバカ騒ぎがウソのように、静かに解禁の日を迎えたようでした。最も高級品とされるボトルが配達されてきました。友人からの心づくしです。ボジョレ ビラージュ プリミュール、、新酒とは思えないほどの完成度の高さはさすがでした。栓を開けるとあの懐かしい「ガメ種」独特の芳香が立ち上って、ああ冬が始まるんだと思わされます。
お伴としてシャウルスというカマンベールの親方のようなチーズを、オーブンで丸ごと焼いてみました。どちらが引き立て役なのか言えないほどぴったりの美味しさでした。
毎年、「例年にないおいしさ」と宣伝されています。その通りだとすれば、毎年旨さがドンドン増していくことになりますが、そんなことはありませんね。あくまで「今年のボジョレ★★★」でした。

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磯自慢 (静岡県 焼津市)
外務省で行われたテイスティングで、「磯自慢 中取り純米大吟醸35」が洞爺湖サミットの乾杯酒として採用されたというニュースを知った時は、驚きました。なぜ伏見や灘、新潟、秋田などの酒どころから採用されなかったのだろうという素朴な疑問からでした。しかしブラインドテストで決定されたということは確かな味を持っていたのだろうと、まだ味わったことのない「磯自慢」という海苔佃煮のような名前のこのお酒を心にとめていました。
G8に出席の各国首相が、輪島塗の酒盃で乾杯されたということは、なんやしらん静岡の誇りのようなものを感じさせて、蔵元がある焼津市はいい気分だったようでした。その蔵元の今年の新酒「磯自慢」が焼津の若いお友達から送られてきました。早速、もみてをしながら(笑)試飲です。
すっきりとした飲み口は日本酒というより、ワインに近い感じでした。フルーティで鮮烈、ボジョレヌーボに似た感触です。スイスイと飲めます。サミット用は、これの純米大吟醸ですから、きっとコクもあり美味しかったことでしょう、採用された理由がチョッピリ分ったような気がしました。そうそう、飲んだ後口に焼津の海の塩の味を感じたと言えば、笑われるでしょうか。すがすがしいお酒でした。

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Clicquot Ponsardin vintage
元日、シャンパンを開けました。オレンジ色のラベルがよく知られている「ヴーヴ クリコ ヴィンテージ ポンサルダン1999」、フランスはランス市で1772年に創業した伝統ある醸造所のものです。若くして夫を亡くした妻がブドウ園を守り、拡大させたのですが、その妻の名前、ニコル ポンサルダンを冠したのがこのシャンパンでした。
「ヴーヴ」とは、「未亡人」の意味だそうです。若い未亡人クリコは夫の仕事を引き継ぎ、拡大させ、品質の向上に努め、大きく発展させていったのだそうです、努力家で、頑張りやだったのですね。
甘くなく、すっきりとした飲み口ながらどっしりとした辛口です。深みとコクがあり、何よりべたつかない切れ味が料理を引き立ててくれます。故ダイアナ妃のウエディングに饗されたということが納得できるボトルでした。お正月、いい年を予感させるには絶好のシャンパンでした。

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Spottswoode 1995
このワイナリーのオーナーも女性です。女性によるワインはなぜか華やかでふくよか、そしてエレガントな感じがします。「アメリカのマルゴー」といわれる所以でしょうか。スポッツウッドのオーナーはメアリー・ノバック夫人、主宰は娘のMsべス・ノバック、マーケティングはMsリンディ・ノバックという女性の首脳陣です。
使われているブドウはカベルネソービニヨンというしっかりした赤ワインになる品種です。特有の重さ、渋さを警戒しながら口に含んでみると当てが外れるというか、嬉しい誤算になってしまうワインです。フルーツの甘味、いわゆる果実味がしますが、程よい酸味がバランスをとっていて、実に気持ちよく飲めます。綺麗な赤いフルーツが目に浮かぶような華麗な色、深みのある香り、渋さのないまろやかな風味、素晴らしいワインです。
Wine in truth out
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