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ファーマーズマーケット


浜松では「JA」という看板をよくみかけます。農協のことなのだろうと認識していますが、今まで住まいしていた大阪地方ではあまりみかけない看板です。このJAが生活に密着して地域の暮らしをささえているのだということが最近になってわかってきました。大きな郊外型スーパーマーケットが近くにあり、ホームセンター、フードセンター共にその傍にあるので、日常生活には何の支障もありませんが、品揃えの単調さは大型店の宿命、仕方の無いことです。

季節を大切に、旬のものを取りこんで食卓をしつらえるためには、このJAマーケットが私にとっていつの間にかまたとない貴重な存在になっていました。各地域には夫々にJA直属の「ファーマーズマーケット」があります。近くの浜名湖湖岸の「ひまわりマーケット」をはじめ「三方原ファーマーズマーケット」や「浜北マーケット」など、各地域に点在しているファーマーズマーケットを巡り歩いてみて、その品質の良さと価格の安さに驚く日々です。

お店に出荷する品物はみんな厳しい規格があり、それに少しでも外れたら出荷できません。そういった品物がうんと安く、新鮮なままファーマーズマーケットに並ぶのですから、それはそれは価値があり、消費者にとってはありがたいのです。おまけに手作りの漬物やお茶、こんにゃくにお味噌、豆腐におから、それに季節の花が所狭しと色とりどりに無造作にバケツに入っています。モチ激安です。

昨日も、スーパーではかなりの値段がつくマッシュルームが、形は不ぞろいながら山盛り3倍くらいの量が入った箱で売られているのを見つけ、小躍りする思いで買い込みました。マッシュルームのスペイン風を、たっぷりと作って楽しむことができます。レストランではほんのちょっぴりしか出してくれませんが、家でこの量なら、ふんだんと言っていいくらい、惜しげもなく食べられます。白ワインにもぴったりと寄り添います。楊枝で刺してつまみながら、チビチビとカジュアルなカリフォルニアワインを、、つい頬がゆるんできます(笑)

クレソン、今までは、しなびたものが一つまみで高い値段で売っているものしかお目にかからなかったのですが、ここでは大きな束でぎっちりとたばねられていました。素晴らしい!出盛りの「山独活」と合わせてサラダにしたらボール一杯でも食べられます。芹も束でバケツに入っています。この葉っぱを生のまま微塵に切って、何にでも混ぜて食べます。大根についている葉っぱもグリーンで瑞々しくて捨てることは出来ませんから、さっと茹でて、みじん切りにして塩をふり、芹の微塵と一緒にして炊きたてのご飯に混ぜ込みます。芹の香りが立ちのぼり、フハフハ、、とても美味しいのです。勿論「山独活」の皮はキンピラにして捨てるところはありませんね。ついでにレンコンの輪切りを低い温度の油でじっくりと揚げて、大根おろしを入れた「みぞれ出汁」をかけて芹を振りかけて一皿にします。

いい品質のオカラに出会えたのも久しぶりでしたから、冷蔵庫の残り野菜を引き出して、シイタケや牛蒡を刻み、油揚げ、豚肉も細かくしてから甘辛い味をつけた出汁で煮てオカラを一袋、最後に葱の小口切りを加えると、大皿に山盛りの「卯の花」が出来上がりました。ダイニングのカウンターはまるで田舎の居酒屋です。こんなにいっぱい作って、どないすんねん、、
 ( 2007.3.18)

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