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Good Job !

女性にとって褒められると嬉しい言葉の第一は「かわいい」、次が「髪型がきれい」、そして「若く見える」ということなのだそうです。男性は「さすがだね」とか「君でなければ出来なかった」などの言葉が嬉しいのだそうです。私はどちらかといえば、「きれい、若い」などより「さすが、やったね!」などという言葉のほうが数段うれしいです。もともと可愛いなんていう言葉とは縁がなかったせいでしょう、いかにもかわいげのないおババであります。時にはお褒めの言葉も少しは頂くことがありますが、殆どが外交的お世辞の域を出ません。老人になると、これがすぐ見えてしまうのがまた難儀です。

今の時代、子供を「褒めて育てる」のが主流のようですから、何をやっても叱られたこともない、おこられたこともないという子供が多くなりました。たまにチョット勇気のあるオトナがよその子を叱りでもしようものなら、驚いて泣き喚くので、叱った人は、その親から手厳しく仕返しをされることがザラなのだそうです。言うまでもなく、昔は自分の子供がヒトサマから叱られたら、親はひたすら恐縮して自分の子供をその倍ほども怒り、恥じ入ったものでした。父親からは時にはゲンコツも飛んてきたのでした。

「自分の子供をひとさまに自慢したりする親はロクでもないモンだ」という信念をもっていた大正生まれの母親は、決して子供を褒めませんでした。何をしても叱られ、認めてもらえないことが当たり前のことでした。しかし、ほめてはくれないけれど、親は喜んでくれているのだということくらいは、当時の子供達はみんな感じ取る感性を持っていました。そうでなければ、親殺しなど今の何倍かの数にのぼったことでしょう。
ほんの少し親がニコッとしたように思えた、、それだけで嬉しさを感じることができた昔の子供達は、褒め言葉の海に沈没しそうな今の子供達よりず〜と幸せだったのかもしれません。

花豆の写真、Good jobです。
実際に作ってみようという気を起こさせ観覧者との疎通が生まれる。

その歳でビデオ録画が出来たり、HPを操れるのはまさに

Intangible Cultural Property !

、、、返信無用

誰も関心をもたないくらい小さな私的HP、料理ページの片隅に載せた写真を見つけた息子からのメールでした。へぇ〜?、、褒めてるんだ!Good Job !だなんて、、he、he、、でも、すぐに気がつきました「Intangible Cultural Property、、無形文化財」?!、、彼特有の、皮肉をまぶしたジョークなんだということに。

返信無用」、、?!誰が返信なんてするもんかと思いながら、飽きもせずに自分の撮った花豆の拡大写真を何回も眺めました、、美味しそうに撮れてるやん、、、これは
Good Job だったなぁ、、、と。

叱りとばし、怒りながら育てた息子からの冗談まじりのメールにこのように過剰反応するのは、親がニコッとしたように思えた回数が少なかった私の、子供時代からの願望的なクセなのかもしれません。

過去のちょっとした時に、誰かが言った何気ない褒め言葉の切れ端を、よ〜く覚えているということは、どなたにもあることですね。もう出来上がってしまって先のない年寄りには、的を外さずに褒めることをみつけてやった方がいいのでしょう。

「スゴイ!スゴイ!
Unbelievable !!」、、、と。

「自分の親を褒める子供なんて、ロクでもないモンだ」などとは、もう誰も言わないでしょうから、、(笑)。
(2008.8.1.)

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