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ドライブレコーダー 

室内の温湿度計が30と80をさしたまま故障しているのではないかしらんとさえ思う梅雨明けの蒸し暑さです。朝、出先で東向きに駐車した車に昼近くになって戻りました。フロントにジリジリと太陽があたっています、ドアを開けると、熱気がブワーッと押し寄せます。エンジンをかけ、窓を全開にして急いでエアコンボタンを押します。

助手席にブラーンと何かぶら下がっています!フロントガラスに押しあててつけてあったドライブレコーダーがあまりの熱で膨張し、接着面が外れてしまったのです。これでもう3度目です、、押しつけるのに力が要り、おババではとてもうまくつけられません。また整備場に行かなければなりません。

メンドクサイ、もう外しておこうかと何度も思いましたが、運転者二人のトシを思うと、やはり着けておかないといけません。

「昨日は青信号なのに横から自転車が飛び出してきて、危なかったね」

「もし事故になったら、きっと警官はドライバーのトシを見るわね、反射能力が劣ると思われて、トシヨリは不利になるよね、」

「もし相手が怪我をしたりしたら、即、こちらが悪いということになるわな、、」

「やっぱりレコーダーをつけよう!そうすればどちらが悪かったかがすぐわかるし、、」

「そうやね!」


かくしてドライブレコーダーなる物がつけられたのですが、夏場になると炎天下の駐車で、パカーンと外れてブラブラとぶら下がってしまい、余計にイライラすることになってしまいました。最新式の軽い機材でしたら、もしかして外れないのかも知れませんが、買い換えるにはまだもったいない使用期間です。

今朝、ソフトバンクの孫社長は何兆円かで「ARM の IoT 技術買収」を発表しました「Internet of thinking」。ありとあらゆるもの(物体)が、接続されたインターネットで判断し、動くという意味なのだそうです。これによって物同士で通信することが出来るようになり、物同士で通信することによって、自動認識や自動制御、遠隔計測なども出来るということでした。

そうなれば、道端の電柱が総てドライブレコーダーになりうるということですわね。しかも自動車運転も自動で行うようになるのなら、いまのような事故の形態はみられなくなるのでしょうか、是非、そう願いたいものです。それより何より、先ず手始めに、総てのトラックに自動制御を作動させてほしいものです。そうすれば高速道路上での無残な追突事故がかなり減るのでしょう。

完全な自動運転の時代になれば、人間の運転技術なんて何の価値も無くなります。インディ500 や F1レースなども存在意味が無くなるかもしれません。それでは何も面白い事が無くなってしまいます。身体を使って物を動かしたり、物を作り上げていくという事が人間であることの証明であり、醍醐味だと思うのですが、、

これからは手の中のスマホで総てを競争することが楽しみになって行くのでしょうか、、スマホ画面をもの凄い速さで繰っている若い人を見ると、その真剣さに驚いてしまいます。自転車に乗っていてもスマホを握りしめ、リビングでも家族で話すわけでも無く、それぞれのスマホを見つめながら、そこに居るだけです。

総ての物体がネットでつながるったって、毎日の食事を用意するには人の手を動かさなければなりません。でも、それもこれも、みんなロボットがやってくれるのでしょうか、、

指だけ動かしていたら、いつかは頭でっかちでひょろ長い手足の「火星人」みたいになってしまいます。指先だけが肥大化した地球人なんて、まるで SF映画の宇宙人のように不気味です。

自動車整備場でレコーダーの再設置を待つ間に、こんな埒もないアホことを考えながら、饗された冷茶を頂いていました。暑い夏は、まだ始まったばかりです。(2016.7.19.)

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