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師走の青虫

12月になると、クリスチャンでもないのにクリスマスリースを作るようになってから何年かが経った。そのために我が家のボロ庭には2本のクレストと1本のヒバの木が植わっている。毎年、後ろ半分が坊主になるほど切られてしまうのに、春になれば、芽をふき、次の12月には、またリースの素になってくれる。

今年も忙しい合間を見つけて、半日の作業にかかった。まずゴミ袋にいっぱいの葉っぱを採って来て、それを大小2つの種類にわけて大きさをそろえた葉の束を沢山作る、それを輪にした太い針金に少しずつ置きながらくくりつけていくのだが、この作業はかなりの根気と力が要る。作業台いっぱいに葉っぱを広げて選別していると、なにやら動くような気がする、、おかしいナとよくよく見たら、なんと「青虫」!春に若葉を食べに出てくるあのアオムシである。

驚いてしまった。こんなことは今まで1度だってなかった。冬も師走になってから、アオムシがヒバや杉の木にいっぱいいるなんて、何か勘違いをしているに違いない。

11月は記録的な暑さ!?だったと、昨日の新聞に出ていた。きっとそのせいだ!雨も多く、3日にあげず降っている。そういえば今年の紅葉も薄ぎたなくて、ちっとも美しくなかった、、そう気がついてすこし心が騒いだ。何か起こるのではないか、、いや、もう既に、地球規模でさまざまな変化が目に見えてきている、そのうちにきっととんでもないことが起こる!もぞもぞとヒバの葉の中を動き回るアオムシをつまんでは捨てながら、いや〜な気分になった。

6個のリースを5時間程かけて作り上げ、そのうちの1個を玄関に吊るしたが、このリースに特別の魔よけのオマジナイでもかけておかないと、、、災厄が降りかかってこないと、誰が保証してくれる?アオムシを20匹余りも寒風の外へほうり出した罰がこのおババにあたらないとはかぎらないではないか。

夜遅く片付けを終えて外に出てみたら、久しぶりに晴れ上がった夜空には満月に近い月が出て、煌煌とあたりを照らしていて明るい、捨てたはずのアオムシは、どこかへ這って行ったたらしく、影も形もなかった。どこかにねぐらをみつけたのだろうか、、お〜サムッ!今年1番の寒さがやってきた夜のことである。

開戦記念日(2003.12.08.)

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