1997/02/23(SUN)

1997/02/23(SUN)



午後、清水鱗造氏より電話。夕方、来訪。NIFTY SERVEに入れる日記の件で打ち合わせる。結局、清水氏の解題付きで、とりあえず一カ月分を掲載することになる。
それと、『印刷物』の例の『軍事詩論』のフロッピー、外字の部分に★マークを付けてこれも手渡す。
別れる時、玄関まで見送ったのだが、こみ上げてくる寂しさ、というかやるせなさというか、あれはいったいどこから湧いて出たものだろう。たぶん、このわたしの体から染み出たものだと思う。そう、体からだ。体から出たものだ。どうしようもない寂しさ。頼りなさ。仕事の打ち合わせをしていても、付きまとうこの寂しさは、すべて、わたしのこの体から発している。体が寂しいのだ。体の芯が寂しいのだ。清水氏を見送って、鉄のドアの前に佇みながら、わたしの体の芯は震えていた。もうこの震えが止まることはあり得ないのだろうか。わたしの体は、こうして一生の間、止まることなく、震え続けているのだろうか。わたしの声が出にくいのも、指がかじかんだように動かないのも、すべて、体の震えが止まらないことからきているのではないだろうか。
そういえば、きのうは少し愉快なことがあった。例の足のだるさに襲われて参っていた時に、突然、「あ、直った!」と、たぶんわたしは声に出していっていたと思うが、そういう瞬間に遭遇したのだ。それは確かにはっきりと「直った」瞬間だった。気分が爽快になった。あれほどだるかった足が嘘のようにすっきりしているのだ。あのようなことがせめて一日に一度起こってくれたらと思わずにはいられない。一週間に一度でも、一カ月に一度でもいいよ! 「あ、直った!」と、もう一度言ってみたいよ。

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