1997/02/07(FRI)

1997/02/07(FRI)



もう一度、原点に帰ってみる。原点、つまり、わたしのこの不幸は決して最悪のものではない、わたしは、神のご加護によって、とにもかくにも最悪の状態だけは免れ得たという一点である。
わたしの最悪の一点、それは彼女が倒れるという事態である。
この一点だけは免れ得ているのだ。
しかも、この免除は、永久的なものではない。一時的、いや瞬時的といっていいくらい脆いものだ。あるいは、この「幸運」は束の間のものかもしれないのである。
それを思えば、めそめそしてばかりなどいられない。しっかりいまのうちにやるべきことをやっておく必要がある。
いまやるべきこと、具体的なことはともかくとして、とりあえず、物事を強く受け止め強く反応していく態度を養うことだ。やはり、人間、強くあらねばダメだ。

父親のタバコに火をつけてやる夢を見た。一度目うまくいかず二度目、今度は、まず自分がライターで、火をつけてから、かれに回してやろうとして、失敗し、口のなかが、火のついたライターで一杯になるという惨憺たる景色を露呈した。しかし、父親は、ケロリとしていたような気がする。いや、それより、惨状を呈しているはずの本人が、ケロリとしていた。

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夏際敏生日記 [1997/01/21-1997/02/22] 目次| 前頁(1997/02/06(THU))| 次頁(1997/02/08(SAT))|