引き金を引くそのとき、その瞬間が来るまで「利き腕の人指し指」はなにもしてはいけません。ぎりぎりまで、引き金に指をかけてはいけないのです。
いよいよ引き金を引くわけですが、ここで妙に力んで引いてしまうことが、中級あたりまで結構(いや、上級者と呼ばれる段階になっても)あります。俗に「ガク引き」といわれるこの現象は、「狙った筈の場所に当たらない」「弾がとんでもないところに行ってしまう」といった結果を生みます。これを防ぐためには、やっぱり人さし指に悪さをさせないことが大切です。引き金に指の腹を当てるやりかたと第一関節をあてるやりかたがありますが、どちらかというと後者のほうが、ガク引きは防げるみたいです。 そして引き金は「手全体で握り締めるようにして」引くようにしてください。決して人さし指だけに強すぎる力がかかることのないように。このとき重要なのは、引き金に「遊び」というものがあるか、ということです。引き金をゆっくり引いていくと、それが正しい状態に調整されていれば、初めのうちは内部機構が反応しないまま、引ける総量の半分くらいまでは引けてしまう筈です。これが「遊び」。そこからほんの少しでも力を込めると弾が出る、というところまで、ある程度引き金が引けてしまえるようでないといけません。
「遊び」の許す限り引き金を引いてから銃口を下からゆっくりと持ち上げて、狙いが定まったその瞬間に弾がごく自然に飛び出している、というのが理想の射撃ですね。