WELL COME VOICE 2003 EVENT
Skinship Tour II

OCEANGEL CONCERT Report

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Part 1

 コンサートの会場となるのは全乗船客を収容可能なメインホール、コンサートは夜の9時半開始と夕食後の遅い時間のため、夜用にドレスアップした方々が目につく。ホールにはいるとセッティングされたステージが見える。
 背景には、真ん中に大きな地球、その左右にTONESのオブジェが配され、船内のたった一夜のコンサートにもセットを持ち込むという石井のこだわりが見て取れる。ステージ上方前の部分が少し下がっていて(緞帳収納部、いわゆる学校の講堂状態)、そこにライトで白く『OCEANGEL CONCERT』の文字が浮かんでいる。OceanとAngelをあわせた造語であろう(船内にOcean Angelという絵も飾られていた)。
 楽器のセットは右側からコンガ、キーボード、ドラム、があり、前方中央にはART NUDEで使った譜面台と椅子、マイクスタンドがあるのがわかる。そのほか左右、見切れるぐらいの位置に椅子が置かれているのが気になる。誰が座るのだろうか。
 コンサート開始までずっと波の音が流れている。これが船の揺れと相まって、ここが海の上であることを意識せざるを得ない。
 やがて暗い波模様のライトがステージにかかり客席部が暗くなる。同時に【OCEAN WAVE】の文字が天井下がりに浮かび上がる。流れ出すのはスローテンポの曲、打ち込み音が♪チキチキチキチキと八分音符を刻む。遠くの方で石井が歌っているのが聞こえるが、ほわーんとしていて何を歌っているのかまでは聞き取れない。だた緩やかな波がたゆたうように、ゆったりとした動きでで上下している印象だ。そして8拍ごとに♪OCEAN WAVEという裏声がふっと入ってくる。多重録音された石井の裏声がふわっと入ってすっと消える。さざ波がきらきらっときらめくような印象を受ける。
 この曲をバックにミュージシャンが登場、位置に着く。オレンジのライトがともり、中央後方から紫色のライトが石井の座る椅子を照らす。いよいよ御大の登場である。
 石井が席に着くと、ギターの前奏が始まる。【RIVER】だ。期せずして起こる拍手が観客の喜びを物語る。石井の衣装は、ほとんど黒と言ってよいほどに濃いチャコールグレーのスーツ、インナーはエンジに転んだ赤のシャツ、同色のポケットチーフが胸ポケットから大きく飛び出している。
 サビのところのベース音がCDよりも強く入り、男性的な印象を受ける。前日のサプライズパーティで「男っぽい感じのコンサートになる」と言っていたのはこのことなのか、と納得する。船上ライブだというのに、フレーズごとにきっちりとライティングされているのに感心する。
 曲の終わり、ライトブルーの照明だけが残り次第にフェイドアウト、同時に波音がインサートする。【ひきしお】の文字が浮かぶ。
 新曲”ひきしお”は別れの歌、後半サビの♪なぜ君は泣かなかったのか、なぜ俺は止めなかったのか、なぜ恋は終わってしまうのか〜、海のようにさめてゆく愛よ〜、が曲のすべてを物語る。「なぜ」と発声するときの響きを絞った高音部がせつない。
 2曲終わったところでMCへ。
 えーと、座って歌うのは久しぶりの感じですね。ずーっとSUNというライブをやっていたもんですから。この前に歌った『ひきしお』というのは新曲で、今度のアルバムに入れてみようかな、と思っていますが、みなさんに一足先に聞いていただきました。
 ここらでメンバーを紹介してみたいと思います。
 ということからメンバー紹介、順不同に筆記すると、コンノ(bs.)、イトウ(dr.)、ミナガワ(key.)、バンマス・近田(gt.)、以上が近田バンドのメンバー。そしてそのほかに、大井洋輔(マニュピレータ&コンガ)、原えつこ(1st violin)、石井いずみ(2nd violin)、ミキヨウコ(viola)、サエグサシンコ(cello)、の女性4名の弦楽四重奏が紹介され、席に着く。
(筆者謝罪:ごめんなさい。全員をちゃんと筆記することができませんでした)
 ちなみにこの弦楽四重奏団、初日の夕食時にメインダイニングで演奏してくださっていました。全曲映画音楽から『My Favorite Things(サウンドオブミュージック)』、や『星に願いを(ピノキオ)』などの曲がピックアップされていて、石井さんのチョイスなのかな?と思いつつ聴きました。
 再度MCにもどると、
 船で歌うというのはむずかしいんですよ。揺れるんでね(と左右にゆっくり揺れる振り)、ずれるんですよね。あ〜(口がマイクからずれて声が遠ざかる-客:笑い)。
 昨日と今日の2日間、皆さんと写真撮影をしたんですが、積極的な人あり、消極的な人あり(客:笑い)、いろいろでした。中には「腕組んでいいですか?」という方もいらっしゃったりして(客:え〜?)。無言で腕を組んでこられる方もいて(客:え〜)、とりあえずそれはオッケーなんじゃないかということで、撮影したんですけども(客:え〜、うそ〜、とショックな反応)。たいへんでしたけど。
 ま、世の中そういうもんで、どこかできっちり線を引くというのはむずかしいんもんです。
 と思えば北海道で地震があってね。(地殻の)プレートが下に(沈み込んでいる)なっているのが反発したっていうんで。日本っていうのは地震国なんだなとどきっとしますね。起きるときは連携して起きるんでね。こういうことが起きるとふだん見ないような気象庁の発表とか見ちゃったりしてね。
 それにしても、この揺れには困りましたね。皆さんも船酔いされてる方もいらっしゃると思うんですけど。僕はわりとこの揺れが好きなんです。ゆりかごで揺すられてるみたいで気持ちいいんです。ばぶ〜、って赤ちゃん返りしたり、シーツでおむつ作ったりして遊んでいました(客:笑い)。
 プレゼントも、使えるもの、微妙に使えないもの(客:笑い)たくさんいただきまして。バスローブにくるまっていたりしてね。バスローブいただいたんですよ。あれはありがたかったなぁ。前のがもうぼろぼろになっていたんです、ペイズリー柄の、笠木健一のころに買ったやつがね。んでこうバスローブ着て、こんなこと(たばこを吸う振り)やっちゃったりして。たばこも吸えないって言うのにね。(客:笑い)
 ナルシストになっちゃって、今回みたいなアルバムにはちょうどいいなと思って。
 人間なりきるって大事ですよね。かっこつけるんだったら徹底的、中途半端はよくないな、できるだけナルシストになるっていうのが課題ですね。
 今回のSUNで、役者さんとご一緒させていただいたんですけども、役者さんて瞬時に(役に)かえるんですよ。なりきっちゃうんですよね。芝居をやってる人は違うなぁ、その道の人はどうかしているな。
 君の瞳に映った俺に乾杯(客:きゃあ)。自分しか考えてないなキャラですよね。今度はこういうところを1カ所作ってやってみたいですね。
 MCあとの演奏はメドレーになっている。まずは【KISS】、TONESのオブジェにオレンジのライトが当てられ後方が明るくなる。たくさんの機材を使えない分、ステージ前後の明るさの差をうまく使っている。1番の終わりで次のイントロがインサート、次は【SCENARIO】だ。今度は緑のライトが使われている。間奏部は近田のギターソロ、シャープな印象である。サビの頭韻(♪一寸先闇、や、♪一貫性もなく、などの「いっ」)が金属的な感じで聞こえてくる。そして【予感】。CDでは前奏や間奏にだみ声のスキャットが入っているが、石井はそこを自分の声で入れていた(比較にならないほどの美声だが、ちょっとのどを詰めて歌っていた)。♪You are wondering this wayからストリングスの長音がインサートしてくる。このあたりからちょっと揺れがきつくなり、石井は右手でマイクスタンドを掴み、左手で椅子の肘掛けを掴んで身体を固定して歌っている。メドレーの最後は【DAMAGE】、前奏をストリングスが担当している。CDより若干テンポを落としての演奏だ。終わりの♪SHOT YOU LOVE AGAINの裏声に近田がコーラスを入れ、2声の和音になる。
 4曲のメドレーが終わって再度MCへ。


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