あ〜えがったぁ〜、オイシイ企画だったわぁ〜、んじゅるっ、ってひとり悦に入っているわけにはいきませんね。はい、がんばってレポしましょう。
送られてきた試写会当選はがきには「東京キネマ倶楽部」の略図がついていま した。へ?鶯谷?上野の隣の駅だけど、降りたことないぞー。と不安いっぱい。 いってみたらば、「東京キネマ倶楽部」って、NYLON CLUBパンフレット撮影現場になったという無声映画レストラン、古き良きキャバレーという感じのいい雰囲気でした。なんといっても「新世界」というダンスホールと同じ建物ってあたりがたまりません(笑)。 建物の入り口、そして会場の内部にも、「炎の航海」のポスターが貼られ、「試写会」な雰囲気を醸し出しています。 そのポスターに記されたキャストの名前が…?! |
主演: | 笠木健一(薔薇拳のジョー・愛原ジョー) |
青空ひかり(リリー・神妙寺ゆりえ) | |
出演: | 林田幸栄(サドルバス・アシャーン) |
三船亀之介(船長) | |
豊島祐一郎(殺し屋サム) | |
オターリ・ペ・ミ・ナーコ(謎の踊り子) |
むむ、今回はなんか凝ってるぞぉ。俳優の名前まで昭和初期だ。 |
やがて下手から登場したのは、グレーのスーツにワインレッドのシャツ&同系色のタイ姿の「鶯谷のベルベットボイス、アンソニー富岡(自分で言った)」ことマイケル富岡さん、本日の司会進行役です。 「今回の催しは9月4日にリリースされます『コウカイ』についてくるDVDの試写会になります。CDにDVDがついてくる、というのはいくつか出始めているんですけれども、これの中身がほとんどプロモーションビデオなんです。しかし今回は違います。『炎の航海』と題されたショートムービーが入っています。これがとにかくすごいんです。盛りだくさんの内容で。それを今回特別にダイジェストでお目にかけようというわけです(客:拍手)」 「試写に先立ちまして、まずはこの方をご紹介したいと思います(客:たかまる期待)。…ただ、この方は非常に神経質で、デリケートな方でいらっしゃるので、みなさん、ご登場の際には『イェイ』とか『きゃー』とか、そういう声よりも、『すてき』とか『しびれるぅ』とか、そんな感じでお迎えください。それではお迎えしましょう。炎の航海主演男優、笠木健一さんです!」 紹介があったのに舞台そでからは誰も登場しない。「ん?」という一瞬の間の後、客席左手後方の螺旋階段からのご登場。白の上着に黒パンツ(PVの衣装)姿で、なんと左手にブランデーグラス(茶色い液体が見えます)、右手にはマイクと細巻きの葉巻(火、ついてます)。マイクには白いハンカチが巻かれています。笠木さん、かっこつけまくりながら客の前を歩いてゆかれます。途中、ファンの歓声に応えるようにグラスをかざしたりして(やーん)、ステージへ。(登場のときバックにかかったのは笠木さんのテーマ曲?どうやらTHEATERからの1曲のようでした) ステージではマイキーが「ようこそいらっしゃいました」 (テーブルにグラスを置いて、マイクを脇にはさんで、ポケットから何かを取り出す。それはピンクの携帯型灰皿。それにシガーをとんとんさせながら)「環境にも気を遣わなきゃな」(げ、芸が細かい…) 「どうぞ、お座りください」 「ん?なに?ここに座るの?」と大げさな身振りで座る。気持ちふんぞりかえり、足を組む笠木氏。彼の右手の中指薬指小指にそれぞれ「ヒカリモノ」の指輪がきらきらしています。 |
マイケル富岡(以下、マ)「今回の『炎の航海』に主演なさったわけですが、どういった感じなんでしょう?」 笠木健一(以下、笠)「心温まるラブストーリー、サスペンス、アクション、徹底的にこだわった作品になったね。たいへんだったね、撮影も。監督もきびしかったし。(シガーをぷかっ)…僕は監督が尊敬できなかったら出ないからね、絶対。黒沢けった男だから。黒沢けったんだから、黒沢ゆういちろう(客:笑い)」 (笠木氏、シガーをくゆらせる、というよりはぷかぷか、灰皿にとんとん、ちょっとせわしない感じ。話し方も早口でどんどんしゃべる) マ「はぁ、そうですか。…やっぱり制作費も相当にかかっているんでしょうね」 (笠木氏シガーぷかぷか) 笠「たしかうぉにゅーをくぐらいって聞いたけど?」 マ「はい?」 笠「だからうぉにゅーをくだって」 マ「そうですか。そんなにかかっているんでしたら、制作日数の方もかなりかかっているわけですよね」 笠「たしかねぇ、僕がこの話をもらったのがたしか4年前だから」 マ「はぁ…」 笠「ま、その4年ぐらい前にこの話をいただいて、ずーっとそれから役作りなんかしてるわけだからねぇ。かなりな日数なんじゃないの?」 マ「この作品の見どころについては?」 笠「とにかくアクションだね。まぁ、俺のアクションを見て欲しいね」 マ「ほかには…」 笠「アップだね。そのためには監督に『カメラの位置は32度がいい』って言ったんだよ。『俺は32度じゃないと困る』ってね」 マ「アクションシーンもアップなんですか」 笠「とにかくアップばっかり。バック転なんかでんぐりがえしにしか見えないんだよ、アップだから。カメラが退いていくと『アップにしろ』っていうんで、カメラが行ったり来たりするんだ。まるでガチョーンみてぇだよ」 マ「…ところでこの作品はベナチネ国際映画祭のアクション映画部門で金馬賞を、日本人では笠木さんが初めて受賞されたんですが…」 笠「ああ、金馬賞、もらいましたよ。あのねぇ、この賞は日本じゃあまり有名じゃないですけどね、ほかの国だから。日本人は俺だけなんだな、あとみんな外人で。ヨーロッパに行くとすごいんだ」 マ「ということは、笠木さんは受賞されたときに、英語で話されたと…」 笠「当たり前じゃないか。Give me chocolateとかNo More Hiroshimaとかね」 マ「(複雑な表情のマイキー)…あの、お願いがあるんですが。その金馬賞のトロフィーというのは見せていただけないものでしょうか?」 笠「ああいいよ」 マ「ぜひ、お願いします」 (新田氏、緑色をしたブロンズの馬の置物を持ってくる。受け取って) 笠「ま、こういうかんじで」(ちらっと見せ、自分の椅子の脇に置く) マ「あのー、こっちのスポットライトのあたるところにおいてはいただけませんでしょうか?」 笠「ああいいよ。」(持ち上げてテーブル上の盛り花の陰に置く) (金馬賞のトロフィーは、単なるブロンズの置物にしか見えませんでした。鞍のところが金色?黄色?で、なんか文字があったようななかったような…) マ「…できましたら、もうひとつお願いがあるんですが。ここでアクションを披露していただくわけにはまいりませんでしょうか」 笠「まぁいいよ。俺、日大出てるから…あ、間違った。日体大出てるから。日体大で体操やってたから、鞍馬とか得意なんだけど。つっても鞍馬はないな。上から飛び降りてもいいんだけど、高すぎるからなぁ。けがしちゃうかもしれないし。そんじゃ軽くやってみようか。でも、見たいのかなぁ、これ(客:拍手)。アクションはテレビでもやらない、舞台でもやらないことにしてたんだけど、いいか。……こういうのあるとできないんだよね」 (テーブルと椅子を指す) マ「それじゃかたづけますから(スタッフかたづける)」 笠「準備運動がいるから。相当な動きをするから」(はけようとする) マ「はけるんですか?」 笠「準備でしょう。準備してくるから。…場とか、空気感とかあるから。急にはできないから」 マ「着替えてくるんじゃないでしょうね」 笠「着替えないよ。このまま。ちょっと行って来るから」 マ「わかりました。はけていただいてそれから登場ですね。それではやっていただきましょう」 (いったん上手へはけ、「いくぜ!」というかけ声がして、上手から走り出てくる。手のつきは側転、後半バック転のように脚を揃えて着地。着地後すかさず右を見て、膝をカクカク、でキメポーズ。速攻上手へはける) (なんだか身体の縮尺がちがうような…) 笠「(出てきて)どうだったかな?」 マ「なんだか一瞬のことでしたが…」 笠「肩がね、ちょっと。もう一回やっていいかな?」 マ「さっきと一緒ですか?」 笠「まぁ一緒みたいなもんだけど」 (上手へ去ろうとする) マ「またはけるんですか」 笠「準備がいるから」(上手そでに消える) (「そりゃー」と声がして、上手から走り出る。前回と同じ側転+キメ。で上手へ消える) (うーん、やっぱりなんかヘン) 笠「(ふたたび出てきて)いやぁ、汗かいちゃったな。このうっすら汗をかいたところがセクシーって言われちゃうんだよね」 マ「アクションはそれだけで…」 笠「ほかにもあるよ。450キロをひたすら走り抜けたりとか。24時間テレビなんかメじゃないよ。ほかにもシロクマと戦ったりしてるね。シロクマがこう、かかってきたところを止めて(左腕をかざすフリ)、カウンターでパンチを入れるんだ(右手でパンチ)。そんでシロクマが10メーターぐらいふっとんでいくっていうね」 マ「今回上映されるのは『予告編』ということなんですが、予告編と違う注意点とかございますか?」 笠「濡れ場だな。ラブシーン。すごかったね。もうぼかし入れまくっちゃってるから。ぼかしだらけ」 マ「それが本編では見られる、と」 笠「そうだね。本編の方ではボケボケだから」 マ「というわけで予告編を上映いたします。笠木さん、本日はありがとうございました」 笠「どうも」 (両名はける) |
ということで『炎の航海』、やっとのことで上映へ。 ここからはDVDに収録されているということなので、詳しくは述べません。しょっぱなの映画会社のマークから笑わしてくれたことだけを述べておきます。 あ、映画の中のジョーはあくまでかっこよかったです。胸きゅんです。同じシーンを何回も繰り返し見てしまいそうなぐらい、夢に見そうなぐらいです(笑)。 ながくなりすぎたので、ここからは後編にしまーす。 |