Tatuya Ishii Concert Tour 2002
"NYLON CLUB" -Live Report-
人が生きると書いて『人生』と読む入る口と書いて『入口』出る口と書いて『出口』ウ冠にハエと書いて『空』と、書く(ここまで一気しゃべり)。こんばんわ、ワタクシ、当NYLON
CLUB専属歌手・石井竜也、本名・笠木健一です。
人生楽しいこともつらいこともいろいろある。そんな中で楽しい1日を過ごしてもらえるよう、最高のサービスでお迎えするこのナイロンクラブ。最後までよろしく(拍手)。
俺はよ、どうも恋ってのは苦手なんだ。だいたい女の方が寄ってくるからよ。二股、三股、四股、五股ぐらいはいつものことよ。それでも真剣に愛してるんだぜ、真剣に、五股かけて。そんなこの曲、米米CLUB【ひとすじになれない】。
『ひとすじ…』は米米時代より大人な印象、♪細い指先を、のコーラス♪You are my everything〜のリズムが違っているのが耳新しい。
(相模大野公演でのMC)相模大野、帰ってきたぜ(客:きゃ〜)。俺はよ、5歳の時までここで育ったんだ。地元に帰ってくると、ほっとするぜ。川でフナを釣ったりしてよ、なつかしいぜ。さて(客:笠木さーん)、ありがとよ。
ここらで俺の住んでるところなんかしゃべっちまおうかな。だいたいがスターの私生活なんてしらねぇだろうからよ。
まず玄関を入ると赤と黄色と青、三つのボタンが並んでんだ。そんで赤いボタンを押すと廊下が『歩く歩道(それを言うなら動く歩道!)』になるんだな。廊下が長すぎて疲れっちまうからよ。
そんで居間に着く。40畳ぐらいのでっけぇ居間よ。壁にはりっぱな暖炉、本物じゃねぇ、明かりがちらちらするヤツだけどよ(客:笑い)。そんでよ、その前には掘り炬燵があんだ。ただ乗っかってるやつじゃねぇんだぞ、掘り炬燵だからな。下が掘ってあるんだ。こっちには欄間があって、でっかい龍が一匹、彫刻されてんだ。その下には掛け軸があって『天真爛漫』(客:笑い)って書かれてるんだぜ。
ベッドルームいこうか。ベッドルームは「え?どこにベッド?」って思うんだ。これが入ったところからベッドなんだな。部屋全部ベッド、すげぇだろ。そんで赤青黄色のボタンがあって、赤のボタンを押すとベッドがすーっと上がって壁になっちまう。青のボタンを押すとベッドが降りてくるんだ。急いでよけないと下敷きになっちまうんだな。
それから俺んちは42個も出窓があって、全部に西陣織のカーテンが掛かってるんだ。これが龍とパンダの模様でよ。すげぇんだ。壁には鹿の首が掛かってて、それにタオルとかかけちゃうんだ(客:笑い)、それからフクロウにキジの剥製、それと黒田節の人形が飾ってあんだ(客:笑い)。
俺はスターだからよ、今日のこのアクセサリーも本物だ。500万ぐらいするんだぜ。ま借り物だけどよ(客:笑い)。
そう言えばおまえら、今日ハンパチーフ持ってるか?(客:持ってるぅ&出して振る)よしよし、あとで使うからよ。ちゃんと用意しとけよ。
そんじゃここらでバイブレーター(それを言うならバイブレーション)でも合わしとこうか。俺が「やってるか?」って聞くからよ、そしたら「やってるよ」って応えるんだぜ。いいか。やってるか?(客:やってるよー!)…だめだな。でっけぇ声だせばいいってもんじゃねぇんだ。俺が「やってるか?」って聞いたら「やってるよ(江戸弁口調、巻き舌)」ってやってくんなきゃな。そんじゃいくぞ。やってるか?(客:やってるよ)。よぉしよし、そういうふうにきてくんねぇとな。
そんな本物のスターがお送りしよう。米米CLUB【IMITATION GUY】。
ということで始まったイミテーションガイですが、踊りが何ともはや。イントロの♪ちゃ〜ららら、ちゃ〜ららら、ちゃ〜らら、では足踏みをしながら両手をワイパーのように左右に振り、左1回転右1回転。2度目はワイパー→右、左と順に指さし、ぴょんとジャンプ、なんですもん。歌にはいるとこれまたアテ振り状態ですし(笑)。
続いては【逃亡者】、ホーンの♪ジャ〜ン、とスローのイントロもありJ.カビラのナレーションも入ります(CDと同内容ですけど、違うバージョンでした)。薄暗いステージでは笠木&ダンサーの3人がサイドステップを。♪Oh,
wait!でドラムが♪ダンダン、ッツガンガと始まると、中央3人は前屈み(ダンサーは幻の帽子を手で押さえるような姿勢)になり両膝でリズムを取り始めます。まだステージは暗いまま。
トランペットの♪ッチャーチャラッチャ!と同時に3人がジャーンプ!(照明も一気に明るく)笠木さん、さすがアクションスター!床から1メートルほども飛び上がっています(羽生ではほんとにびっくりするほど跳んでました)。
イントロ後半♪チャッチャラッチャチャッチャラッチャチャラリラ〜、ではポンプを押すように肘を上下させるフリがつきます。歌の中身はまたしてもアテ振り(笑)、ツボは♪短い煙草くゆらせてはため息さ、のところの親指と人差し指で煙草をつまんで吸うフリ!
♪こりゃちょっと、でホールドアップ、♪こわいぜ、手をあごに思案顔、のStop & Moveもかっこいい。サビ♪壁を超えて、のアフタービートで手拍子&サイドステップ&前後のステップというあたりは客席も巻き込んでの大盛り上がりです。
♪チャ、ッチャ、ッチャー、では『小さく前ならえ』で右、左、上(笑)、3人並んだそのフリ、イタダキです。この他にも蒸気機関車(シュッポッポ)をイメージさせるフリが、それはエンディング。♪二人掟破りの恋に生きる逃亡者、のところで両手を体の横で回してシュッポッポ(笑)。
(余談ですが♪ボスの女じゃ手は出せねぇ、のあとのサックス♪チャララチャチャララチャチャラチャチャ〜ンのシンコペーションって『イン・ザ・ムード』に似てません? って当然意識してますよね、金子さん)
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」の息を残して曲が終わると、バンマス金子氏がむくりと立ち上がり、ソロを吹きながらステージ上を歩き始めます。吹いているのは『ピンクパンサーのテーマ』をひとくさり、そのあとは、おぉ!『酒と薔薇の日々』(in
相模大野)、ジャズのスタンダード中のスタンダードです。ステージを横切り上手の階段を降り、演奏はずっと続いています。
その間、ステージ下側ではバーテンSUJIと笠木健一のカクテル争奪戦が繰り広げられています(笑)。SUJIの操るシェイカーから、グラスになんとか酒を注いでもらおうと奮闘する笠木さんをしりめに、バーテンSUJIは注ぐと見せかけてフェイントをかましたり、通りがかったバンマスのサックスベルに注いでしまったり。さらには客席に「飲む?」というアクションで、びゃっとばかりに浴びせるフリ。ここでは笠木さんの卑屈さに爆笑です。
さて、バンマスが自席に戻るとフェーズチェンジ、ここからは大人の時間です。まずは【SEXY DOLL】、蝶タイをはずしスタンドカラーシャツのトップボタンをはずした『オフ』な格好で、ガイコツ型のスタンドマイクを気持ち傾け歌う姿に身もココロもトロトロ。
続いては「俺は女に過去は聞かねぇ。聞いてよかったためしはねぇし、聞いたが最後、嫉妬でなにもかもわかんなくなっちまう。だから女には過去は聞かねぇんだ。…そんな歌、聴いてくれ。【知りたくないの】」
ピアノのみの伴奏で歌い出される”知りたくないの”は、どちらかというとストレートな歌い方、先ほどのマイクに寄りかかるような姿勢は消え、まっすぐにマイクに向かっている。聴く方もぴっ、っとする。ただ、♪あなたの愛がまことなら〜、から始まるホーン隊4人のコーラスがこのムードをぶちこわしてくれる(笑)。♪ポン(金子)ポン(竹野)ポン(佐々木)ポン(鈴木)、ウ〜ウ〜、ワ〜、って手のフリまでついて(いやはや)。まるで内山田洋とクールファイブのよう…知らんか。♪忘れてほしい〜いぃいぃのぉ〜、と歌い上げると、自然に拍手がわき起こりました。
次に続く(はぁ、たいへん)。