『HEARTY HAPPY 2000』リリース記念 MINAKOインタビュー
Vol.3 「振り付け師 金子美奈子」編
『GOLDEN FISH & SILVER FOX』振り付け
コメホカ:石井さんの新曲『GOLDEN FISH & SILVER FOX』の振り付けはミナコさんだと伺ったんですが。
ミナコ:今回の振り付けは、「一曲まるまる(ファンの子を)踊らせたい。ファンの子達の振り付けをしてくれ。」、という事で振り付けしました。(ファンの子に)踊ってほしいっていう意向は、すごくてっぺいちゃんの方であったみたいで。コータロー君とかマリーザとかが振り付けするっていうのとは、やっぱり全然違う。どんな振り付けにしようかなと思ってたら、その(ファンの子達の)振り付けをしてくれって。それだったら、もってこいだと思って。ステージの振り付けというよりは、ファンの子に振り付けをする、そこは新しかったな。今までは、自分達の振り付けで簡単とは言いながらも「勝手にマネしてね。」って感じだったけど、今回はあえてそれをファンの子たちに自分が振り付けをする。だから、そこを覚えて、という感じ。
私が今まで振り付けしたものとは、ちょっと違いますね。米米の時とか、ちょうどディスコブームの時にパラパラダンスとか流行って、今また流行ってきてるじゃないですか。でも、これまでは自分の中では、そういうのは入れたくなかったのね(笑)
コメホカ:(笑)パラパラ嫌いなんですか?
ミナコ:パラパラみたいな中途半端な踊りはないと、ほんとに自分の中でこれだけは入れたくないと思ってて。でも今回改めて思ったのは、あのちっちゃい座席のスペースで踊るのに、やっぱりここから上で横に手を広げられないじゃないですか。こうやってる(手を振る)とか、こうやったり(手をあげる)とか以外にない。そこで、今、入れ時かな、と。今のニューウェーブじゃないけど、パラパラみたいなニュアンスも、ちょっとづつ入ってます。その辺は何気なく軽く踊れますよっていう。
ただ、今回の曲『GOLDEN FISH & SILVER FOX』は、ちょっとファンクっぽいというか、BLACKよりなんですよね。『HI TENSION LOVE』とかは、どっちかっていうと白人系だと思うんですけど。それで、アレンジとかがBLACK系で、踊りもBLACK系になってしまうとどうしても重たくなっちゃうじゃないですか。それであえて、軽いノリというか、ふわふわって踊ってられるような振りにしたら楽しいかなと思って、振り付けしたんです。
簡単だけど難しい、体育会系の振り
コメホカ:石井さんのファンクラブで『GOLDEN FISH & SILVER FOX』のプロモーションビデオの撮影に参加できる企画があって、ミナコさんに振りを教えてもらえたじゃないですか。それに参加したファンの子たちのインターネット上の感想で、「ミナコさんの振りなんだけど、いつもよりちょっとだけ、難しい。」っていうのがあって。難しいって言うか、踊り甲斐があるみたいな。
ミナコ:自分がステージで踊るんであれば簡単にしてしまってもいいんですけど。自分が踊るわけじゃなくて、ダンスレクチャーみたいなビデオを出すっていう話しがあったんで、あんまり簡単でもね。それだったらビデオ見なくてもいいじゃないですか。だから、いつもよりはちょっと難しくしたかな。
覚えると、もっと今までよりも優越感、っていうところは絶対狙いたいな、と思って。隣の人見てすぐ覚えちゃうようだとつまんないから、ちょっとした細かいところを入れたんです。ただ難しすぎると、覚えたくなくなっちゃう。振りというか、形は覚えられるんだけど、途中で引っ掛かちゃうんですよ。この曲は、サビに4つの同じメロディで、4つの繰り返しがあるんですけど、その4つのメロディの繰り返しの詩が全部違うんですよ。そこのところで4つの振りを入れているんですが、結局そこに引っ掛かっちゃうんですよ。2番目のやつを3番目にやっちゃったりとか、3番目のを2番目にやっちゃったりとか。
だから、しっかり詩を覚えて体に叩き込まないと、踊れない。振りは覚えられるんですよ、トリッキーな振りは作らなかったから簡単なんですけど、しっかり練習しないと、ちょっとしたところで間違っちゃう。ぼーっとしてると間違っちゃうわけ。
コメホカ:わかります(笑)
ミナコ:すごく気を入れて歌いながら踊っていないと、絶対間違っちゃうわけ。自分もそうなの。いやというほど踊って、スムーズに体が動いてきて、頭で考えなくてもいくって感じなのかな。だから、悔しいわけよ、踊れるのに間違うじゃない。それが悔しいわけ。
コメホカ:悔しいですよね。「あー、ここ間違った。」って。
ミナコ:でしょ?隣の人とか踊れたりして、自分が間違ったりすると悔しいわけ、できないわけじゃないから。その感じ、わかる?
コメホカ:わかります。知ってるのに、ってありますよね。
ミナコ:流れで覚えられないの。詩も頭の中にあって、それできっちり形も覚えてないと。でも、振りの1つずつのポーズはそんなに難しいわけじゃなくて簡単なだけに、かっこもつけられる、やればやるだけなんとなくサマになってくるっていう。そういうポイントを攻めてみたんだけど、覚えてくれたら絶対楽しい。「私、踊りたくない」っていう女の子も、「じゃあ、踊ってあげようかしら」ってなにげなくかっこつけてできる。別にこう(大きな振りを)やらなくても、何気なくこの辺で踊れる。足とか何かを細かく入れようとすると、「ああ、ややこしいな」って思う事はあるけど、そうじゃなくて、かけ声とかパンパン、パンパン(手を叩く)とか入ってるのね、そういうのはすぐにできるじゃない。「じゃあ、ここはできるわ」みたいな人と、「きっちり私は踊るわ」っていう人と、両方できて全員が踊れるような。1カ所として、ここは休めるっていうんじゃなくて、サビも全部つなげて1曲まるまるこの振りだけは全部踊れる、っていうところまでファンの子たちがなってくれたらいいなと思って。
その辺こはすごく考えて振り付けしたんですよ。確かにビデオがないと、その場ですぐには覚えられない。ただ、振り自体は難しくないです、ホントに。だから、CDを絶対買って構成を覚え、振りの形さえ覚えれば、繰り返しだから。
でも、どうかな、難しいかな?ちらっちらっと聞く話では、みんな難しいって言うけど。振り自体は難しくないんだけど、それにプラスアルファ、体を使うっていうか、かっこつけてやろうとするとすごく難しい。今回、振り付けする時間が結構あったんで、ほんとはもっと難しくなってきちゃってて。これでも省いてるんですよ、振りを。
コメホカ:オリジナルというか、最初に作ったものは(もっと)難しいんですか?
ミナコ:もしシュークの時に、自分もステージで踊ってる時に、振り付けしていたら、多分もっと違う形になったかな。でもやっぱり、ビデオを作るって言ってたんで、「はい、皆、横に手を振って」って教えても、つまんないもんね。覚え甲斐がないじゃない?やっぱり一足先に覚えた人が、ラッキーみたいな。
コメホカ:優越感に浸れる・・・でも、覚えた子から、「今日は、コータローさん間違えた。2番のところなのに3番のやつやってる。」とか逆にチクられたりして(笑)
ミナコ:コータロー君も難しいって言ってた。練習しないと体に入らないのよ、どっちかっていうと体育会系の振りかもしれないね。なんかこう、練習して叩き込んで自分のものにするっていう感じなんだな。だから、ちょっとボーっとしていると間違っちゃう。みんな覚えてるんだと思うんだ、絶対。次に何が来るかっていう構成をしっかり覚えて、Aメロ、Bメロ、次にサビが来るとか、次にAメロとか、Aメロから次はBメロいくはずとか思ってないと、一人で違うことやっちゃうわけよ。間違うと恥ずかしいし。
コメホカ::一人ではずすと、恥ずかしいですよね。
ミナコ:でも、そんなに大きな動きではないから、そんなに目立たないけど(笑)。隣の人とかが「間違ったわね」って思う、そんな感じかも。
『GOLDEN FISH & SILVER FOX』プロモーションビデオ
コメホカ:『GOLDEN FISH & SILVER FOX』のプロモーションビデオにも出演なさいましたよね。
ミナコ:ホントは、全然ビデオに出るはずじゃなかったんですけど。スタジオに行ってたら、「じゃあ、踊らずに出てくれ」って言われて。
コメホカ:踊らず!(笑)
ミナコ:振り付けに行ってるのにな、と思ったんですけど(笑)まあ、ダンサーはコータロー君とマリーザがいるんで。ちょろっと。
コメホカ:じゃあ、ほんとに振り付け師、ミナコさんという・・・
ミナコ:もう、振り付け師です。振り付け師。
今回のビデオの撮影では、お客さんというか、(ファンの子以外にも)オカマちゃんたちも30,40人いたんですけど、その子たちが異常に盛り上がってたので、そういう人たちが盛り上がってくれるんであれば、楽しいかったのかなと思って。そんな感じでやってきたんですけど、すごく面白かったですよ。
コメホカ:BHBさんも、ほんのちょっとプロモーションビデオに参加されたっていう事ですが?
ミナコ:ダンサーとオカマちゃんたちと衣装を着たファンの子たちというだけだと、ミュージックビデオっぽくないじゃない。そういう絵の中に色というか、
管楽器を持った人たちがいる、っていう設定ですね。別にそれが、演奏で絶対BHBがいるとかライブにいるとかっていうと、そういうわけでもなくて、まだ全然そこは考えてないみたいなんです。(BHBの出演は)ビデオの中にそういうシーンがあってもいいんじゃないか、っていう感じなんじゃないかな。
でも、かっこよかった、すーごいかっこよかった。踊りとてっぺいちゃんの歌というのもすごく華やかできれいなんだけど、やっぱりそれだけだと物足りないっていうか、演奏する人がいるっていうと違うね。BHBが5人衣装ガーンと着て並んで、てっぺいちゃんと一緒にいるのを見ると、久しぶりに「かっこいいー」って思った。てっぺいちゃんも嬉しそうだったけど。BHBのみんなは、スケジュールが深夜にしか合わなくて大変だったみたいだけどね。でも、かっこよかった、すばらしくてよかった。
ディスコ『ドラガジア』で勝手に踊ろう!
ミナコ:お客さんのかけ声に合わせて振りをつくるっていうのは始めて。自分でもすごい力入れて振り付けしたから、ぜひ覚えて、『ドラガジア』ツアーで踊ってほしいですね。
コメホカ:少しでも早く覚えたいですよ。『ドラガジア』ツアーが始まった時には、覚えて優越感にひたりたい。
ミナコ:ライブだと、ほんとに1回しかやらないじゃない。だから、うーん、3回行ければ。1回見てなんとなくイメージを自分でつかんで、ビデオを見て家で練習し、次には踊れるんじゃない?その場ではイメージしかわかんないと思う。
コメホカ:(1回めで)雰囲気つかんで、2度めは頑張るぞ、という。
ミナコ:たとえマリーザとコータロー君がすごいかっこいい踊りをしても、そこは自分達の振りで踊る。勝手に、(ステージの踊りを)見もせずに。
コメホカ:(笑)見もせずに。
ミナコ:自分の世界で踊ってほしい。ホントの意味でのディスコですよね。勝手に音楽が流れて、てっぺいちゃんも歌ってるけど、勝手に自分も踊る、みたいな。そういう域にいけたら、楽しいんじゃないかな。
コメホカ:何かの迷いで来てしまった人はびっくりしますね。だって、まわりみんな揃ってる、でもステージとも違うぞ、って。
ミナコ:そうそう。今まで、サビとかではそういうのはあったと思うんですよ。でも1曲丸ごとっていうのは、きっとなかなかないと思うんですよね、どこかターンが入っちゃたりとか。でも、ターンもあるんですよ、その場でターンしてもらおうと思って。
コメホカ:うそ(笑)。30センチ四方でターンですか?
ミナコ:(笑)できるんですよ、ターンが。一応、ターンも入れるので、自信がある人はやってくれ、って感じですね。
コメホカ:周りの人、気をつけてください。
ミナコ:あと、てっぺいちゃんの歌も歌いたいという人は、左手にマイクを持って、踊るっていうのも。踊ってるのは両手なんですよ。私は歌手もやりたいっていう人は、左手に(マイク)持ってね、片方で踊るという。カラオケで歌うとかいうバージョンもできたら、いいなあ。
コメホカ:至れり尽くせりですね。
ミナコ:やっちゃっていいのか、っていうところもあるんですけど。どうせだからね。
コメホカ:(笑)覚えたもん勝ちですね。
ミナコ:覚えれば楽しいんじゃないかな。覚えないとつまんないと思うよ、きっと。『HI TENSION LOVE』みたいに、ひら歌(の振りが)がすごく難しくてサビが・・っていうのではないから、全部覚えてほしいな。
インタビューはさらに続きます。番外編.「キャラクターデザイン ミナコ」編
へ
謎のキャラクター(笑)ピークンの秘密とは?