『HEARTY HAPPY 2000』リリース記念 MINAKOインタビュー

VOL.1 アーティスト「MINAKO」編 その1




世界初のアルバムのジャケット


コメホカ:ミニアルバム3部作の第一弾、『HEARTY HAPPY 2000』がリ リースされたということで、本日はインタビューをさせていただきます。早速、聞かせ ていただきまして、いろいろ聞きたいことはあるんですが、まずはジャケットのことを 。すごいかわいいですよね。

ミナコ:このジャケットはね、世界 初ですよ。CDの取り出し方がおもしろいでしょ?でも、レコード屋さんには置きに くいんです。大きさも規定じゃないから、陳列棚に入れにくい。いろんな人に聞いてみ ると、「大手(レコード会社)になっちゃうとできないよ」って。あくまでインディー ズの強みというか、ジャケットで遊んだりしないと。

コメホカ:そうですよね。

ミナコ:これは、デザイナーさんが新 しくデザインしたみたいで、「まだ誰もやってないんですが、どうですか?」 って。かわいいなぁって思いました。ただ、最初、開けた時に、それ閉じてなかったで しょ。ぱこんとただ閉じて、パコって袋に入れられちゃったんです。

ジャケットの入れ方-2

[悪い例]

コメホカ:そうなんですか。

ミナコ:だから分かってくれればいい けど。これでこうやって来ちゃって、開けて、わかるかなと思って。買っていただいた 方は、みんな、正しい入れ方に直しといてくださいね。よろしくお願いします。

コメホカ:でも、そこスリットになっているから、みんな分かってくれ てますよ。

ミナコ:こうやってここからCDが出る っていうふうに分かってくれればいいんだけど。次は、また同じ形になるんで。3部作 で、この統一でいこうかなと思ってます。

ジャケットの入れ方-2 ジャケットの入れ方-3

[良い例]

コメホカ:このジャケットの写真も、今までのミナコさんにない感じで すよね。

ミナコ:3部作でやろうと決めてから、 やっぱり3つそろって何かっていうのをやりたかったの。統一感があったほうがいいね って話しで。じゃあ、3つのパターンをどういこうか、『アンソロジー』じゃないけど 自然なナチュラル系でいくか、作り込み系でいくか。いろいろ考えたんだけど、自分と しては、お洋服とかの流れもありつつ、モードっぽい感じでいきたいなと思っ て。
それで、モード雑誌とかいろいろ見てた時に、たまたまある雑誌の中にそういう衣装が あって、じゃあ1枚はこういう感じでと。それと、その衣装をライブとリンクしていけ るといいな、着ていたやつでそのまま出ていけるっていうやつがいいな、っていうので 、いろいろ考えて、その衣装をつくったんですよ。実を言うと、今回の表紙っていうの は、その衣装じゃない、違う写真のものだったんですよ。今回の表紙の衣装は、最初は 裏側に来るような感じだったんです。でも、そのお洋服とかだと、ちょっとコンセプト 的に弱いかなって、それであえて、そっちになったんです。

コメホカ:『HEARTY HAPPY 2000』というタイトルですが、そういう感じでな い表情ですよね。

ミナコ:いろいろデザイナーさんと話 しをしたんですが、いままでわりと笑っている写真が多いんだけど、今回はあえて笑顔 ではない写真にしたんです。『HEARTY HAPPY 2000』というタイトル自体、すごく幸せなイメ ージ、笑顔っていうイメージがすごくあるんだけど、自分としては、そんなに幸せって いうことが強調、HAPPYという言葉だけが強調っていうんじゃない、「幸せって何だろ うね」って問いかけているというか、そういう感じにいきたいなと思って。
『アンソロジー』のアルバムに関しては、ほんとに米米のファンの人たちが支えてくれ て、2年間もブランクあって、急にそういうことをやるっていう一歩。ホントに自分の 中の想いを歌い、自分の葛藤みたいなのを書いてあるアルバムだったと思うんですね、 ある意味米米をすごく引きずったところで。今回の『HEARTY HAPPY 2000』に関しては、自分 の中では「ソロで歌うぞ」っていう第一弾なので、やっぱりそんなに手放しで 笑顔で、にはならないんですよ。
ソロとしてどういうふうに評価されるかっていうこともあるし、自分が何を表現したい かっていうことにしても、まだ自分探しみたいな。去年の2月に『アンソロジー』が出 てから、今回3部作のレコーディングという事で、自分にとってはこんなに長い間レコ ーディングしているっていうのも珍しいし、詩の中にはまりこんでいるっていうのも、 今までほんとにない。踊りとかは自然とやってきてることなんだけど、歌に関しては自 分の中でまだ、どこをどういうふうに自分のポジションをどこに置いていったらいいか 、自分探しじゃないんですけど、すごいもがいているところだと思うんで。だから笑っ ている写真じゃなかったんですよ、自分の中で絶対。絶対(強調)、笑っている写 真じゃなくて。ジャケットの後ろも、笑顔の写真があって、デザイナーさんは「ミ ナコちゃんは、絶対これだ。これを出したい。」とすごく言ってくれたんだけど、「ど うしてもその写真は・・・。これにしてください。」って最後の最後になってお願いし て。多分、3枚とも笑ってないですね。

コメホカ:そうなんですか、どんなジャケット写真か楽しみです。


ミナコ:ジャケットとかも全部、自分 でプロデュースし、デザイナーさんと一緒にコラボレートして作るっていう。コンセプ トは、モードを意識したところで。表情とかっていうのは、これからの自分の不安と( 笑)、期待。ファンの方たちは、「えー、ミナコちゃんは、絶対笑ってるほうがいい」 って思うかもしれませんね。踊ってる時の笑顔と歌ってる時の笑顔って、ギャップがき っとあると思うんで。

コメホカ:ジャケットの内側の(ピンクの)衣装を見た時、映画『 オースティン・パワーズ』(の女の子)みたいだなと思ったんですけど。

ミナコ:一昨年(98年)の12月に初め てマンダラでFUZZ JAZZのライブやった時に、アンコールで着ていた衣装なんですよ。 そしたら、オースティン・パワーズの女の子が似た様なの着てますよね。

コメホカ:オースティン・パワーズっていうか、ブリティッシュっぽい 、ちょっととんがったみたいな。かわいいですよね。

ミナコ:(表ジャケットも裏ジャケッ トも)全部自前の衣装です。衣装は全部自分でやりました、3枚とも。逆にお聞 きしたいんですけど、ジャケットと内容、全然違うものが出てきたって感じですか。ジ ャケットを見て、こういうのやってるのかなーって思うものと(内容が)違う?

コメホカ:ジャケットに関して言ったら、すごく意外でした。

ミナコ:意外でしたか?『アンソロジ ー』がああいう感じだったからかなぁ。

コメホカ:そうですね、『アンソロジー』はナチュラルっぽいじゃない ですか。(チラシを)最初に見たのは、石井さんのライブ(「ART NUDE 1999」)で配っ てたチラシで、ああ、こうきたか、みたいな。でも、素敵、みたいな(笑)

ミナコ:シュークっぽいって思う人も いたかもしれないですね。

コメホカ:うーん、シュークっぽいとは、あんまり思わなかったです。 なんていうか、お人形さんっぽいっていうか。

ミナコ:わりとね。あえて、マネキ ンっぽい表情 でね。それと、曲のコンセプトっていうのは、ちょっとかけ離れてるかなって気は したんですけどね。

コメホカ:ちょっと違うかもしれない。

ミナコ:でも、あえて。デザイナーさ んとそこは、「ジャケットを見て、こういう感じだろうってわかるものじゃなくて 。」と言って。

コメホカ:コメホカ的には、「FUZZ JAZZ」や「ART NUDE」などライブ で聞いている曲があるから、どっちかって言うと、実際にそれが最終的にCDとしてどん なアレンジで入っているかっていう方が、興味がいっちゃって。内容とタイトルで、ジ ャケットとタイトルで、どうかなっていう想像はあんまりしなかったです。


『天使の悪戯』と『予感』


コメホカ:曲についてお聞きしたいと思います。まず、『天使の悪戯』 ですが、去年の10月頃にやったマンダラのライブで歌われていた時は、違うタイトルだ ったような気がするんですけど。なんていいましたっけ?

ミナコ:『恋の予感』ですね。 オーソドックスな(恋の)コンセプトですけど、大変な詩じゃないですか。男の女 の友情って、深すぎるじゃないですか 。どういうふうな詩にしたらいいか。別に自分がない事でもないし、誰でもそうい う事ってあったりして、胸がキュン、みたいな。そういうふうな時ってあったよなーと 思いながら、どうやったら「ありきたりね」って言わせないか、と悩みましたね。最初 のタイトルが『恋の予感』。ホントに、この詩に対してはすごい苦労しているんですよ 。書き直し、書き直して。金子とも、葛藤しながら、けんかしながら、「そこはそ ういう気持ちじゃない!」みたいな(笑)

コメホカ:(笑)

ミナコ:「でも、別に金ちゃんにそ うなったわけじゃない!」みたいにけんかして。「これは違う人に言われたん だ」みたいになちゃうし(笑)

コメホカ:(爆笑)

ミナコ:ほんとに自分の中で、どうや ったら、とまどいと何とも不思議な気持ちを、書けるんだろう、ってすごい悩んで。そ れで、まあ詩もできあがって、さあこれから『恋の予感』、レコーディングっていう時 に、急にてっぺいちゃんから電話かかってきて。いや、予感がしたんです、私から電話 したんだ。
「ああ、ミナコ。」
「お兄ちゃん、居たの。」
「何してんの、お前?」
「いや、レコーディングしてるんだよ。」
「レコーディングしてんだ。ああそういえば、俺さ、曲、お前に書いたんだよ。」って 言うんですよ。
「ああ、そう。」なんて言って、(内心は)嬉しかったんだけどいいのかな、みたいな 。
そしたら、「あのさ、『予感』なんだけどさ。」

コメホカ:(爆笑)

ミナコ:私、もう『予感』に悩まさ れちゃいましたよ。予感をした、(私の歌の)タイトルが『恋の予感』、てっぺ いちゃんの曲が『予感』。この瞬間に、ただ者じゃない、この兄妹は、と 思いましたよ。『よかん↑』みたいな。「あのさー、男と女の、別れの予感なんだよ。 」って言うわけ。そっちは別れの予感かー。そこで『恋の予感』という題名はガタガタ と崩れ・・・

コメホカ:(爆笑)

ミナコ:てっぺいちゃんが書いてくれ た曲と、自分の『恋の予感』とが、やっぱ、同じタイトル・・私のは『恋の予感』で、 てっぺいちゃんは「終わりの予感」「結末の予感」。そこでもう、ガタガタと・・・『 恋の予感』ってタイトルはないなあと思って。「はい、ありがとうございます。」みた いな。それで「取りに来いよ、今から。」って言うんですよ、それが2時ですよ、夜中 の。

コメホカ:(石井さん)らしい(笑)

ミナコ:その時、私も一人で、詩で悩 まされて、うなされていたから、「今日はちょっと。いいや。」なんて言って。そした ら、その時金子がツアーかなんかで地方に行ってたんですけど、たまたま電話がかかっ てきたから、「てっぺいちゃんが曲をね、書いてくれたって言うんだけど。」って言っ たら、「すぐ(強調)、もらって来い!」って。

コメホカ:(笑)

ミナコ:「すぐに行け!」「で もさ、今から?2時だよもう。めんどくさい。」なんて言っちゃって。「それがさ、『 予感』なんだって。」「いいじゃん。」私、もう、すぐに車でてっぺいちゃんのところ へ行って。「いただきにあがりました!」(手を差し出す) って、感じで。

コメホカ:(笑)

ミナコ:(『予感』 ですけど)アレンジはもう、『ART NUDE』のてっぺいちゃんのとは全然違いますよね。

コメホカ:そうですね。

ミナコ:まあ、金子の方も、女の人が 歌う失恋というか、そういった感じの歌なので、ちょっと柔らかめというか、ボサノヴ ァっぽい感じにして。

コメホカ:詩は一緒ですか?

ミナコ:「あなた」が「おまえ」、「 その瞳に気付く」が「この瞳に気付く」っていう歌詞だったのかな。その位ですね。あ とはまるっきり一緒で。

コメホカ:石井さんのは、『ART NUDE』で歌ってらっしゃるのを聞いた だけですから、オリジナルがよくわかんないんですよ。

ミナコ:そうですよね。今度の(てっ ぺいちゃんの)アルバムには、入るんじゃないですか、多分。そこで比べられますね。 でも曲調は、ほんとに全然違う。全然違う曲みたいに聞こえますね。

コメホカ:ベースはボサノヴァっぽいところはなんか同じような気がす るんですけど。リズムが違うのかな。細かくなっている。

ミナコ:アレンジには、金子はかなり 自信持ってましたよ。これはいい感じにできたっていう事で。どっちかっていうと、今っぽいかもしれない。てっぺいちゃんの方が、アレンジがちょっと華やかな感 じかな。私の方は、ある種、地味派手みたいな感じですね。



VOL.2 アーティスト「MINAKO」編 その2へ続く。


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