SPACE HAWAIIAN SHOWライブレポート番外編
副題:SPACE HAWAIIAN SHOW、その変遷を探る
今回のライブは初日と2日目以降ではセットもメニューも大きく変わりました。そして副題の多いライブでもありましたね。というわけでコメホカでも副題をつけてみました(笑)
もしかして公開ゲネプロ(?!) SHS初日
今回は楽曲リストにあるとおり初日とそれ以降に大きな変更が加えられていて、『これが同じライブ?』と思うほどの違いがありました。総じて言うと、初日は練りが足りないと言うか頭の中だけでこしらえられていて観客の反応がいまいち考えられていない感じでした。と同時に練習不足も感じましたね。
というわけでいつもの網羅的レポートとは別に、初日の展開を説明しつつそれがその後どう変わっていったのかをご紹介したいと思います。
まず気づいたのは花道の高さ。初日には幅1メートル半ごとに10〜15センチ低くなっていく3段の階段状だったのですが、次に見たときは完全にフラットになっていました。2日目にはすでにそうなっていたということで、舞台設営のスタッフは徹夜だったんじゃないかな。
これは会場がホテルの宴会場だということで客席にスロープがないぶん、後ろの人が見えにくかったことを緩和しようとして変更されたようです。同時にMCのなかでも初日にはなかった「座ってください」という指示が入るようになりました。
影の声の主はいったい?
アタマの2曲が終わってのMCタイム。「ようこそ宇宙船地球号へ(笑)」から始まりいつものとおりノリあわせのコール&レスポンス、副題が『環境問題を考える夕べ』であること、昇展のはなし、8耐のはなしと続いていく。
・・・マーリアというバイクを作ったんですよ。そんで8耐で「石井P」ってついてるんです。このPがプロデューサーのPなんですね。それで豪華な玄関をはいっていきましてですね、きったない玄関なんですけどね・・・
(影の声)くだらないトークによくつきあってるよなぁ。世の中平和だよね。(終始バカにしたような見下した調子)
(石井)なんだよ! なにが言いたいんだ!
(影の声)なんかこのまんまだと収拾つきそうにないから出てきてやったんだよ。
(石井)なんだとぉ! だいたいおまえ誰なんだ。
(影の声)MCがこじんまりしてて間抜けだよね。
(石井)なに? こじんまりしてるだと!
(影の声)ノストラダムスも当たらなくて恐怖の大王も来なかった今、近く訪れる2000年がどうなるか。君はどう思う?
(石井)そんなことどうでもいいじゃねぇか!
(影の声)熱くなんなよ。おもしろくしてやろうとしてるだけだよ。
(石井)はじまったばっかりなんだぞ。
(影の声)そこですよそこ。たった2曲でMCもないよなぁ。
(石井)うるせーな、出てこい。
(影の声)いろいろ怒らないの。
だいたいステージだけで歌って、花道もあるのに。花道もっと前に、ずーっと前まで。
(影の声)帰っちゃうよバカ。
(石井)でてこい!(消える)
と概ねこのような展開がありました。声の主はケイ・グラント氏というよりもマイケル富岡氏のような感じ(ちょっとちがうか?)で、影の声のたたみかける調子にビューティが右往左往する姿が笑えました。
この後英語のナレーションによるGorge Angelwing氏の紹介があって早変わりで登場したビューティ、もといジョージのショウが始まります。まずは新曲を1発、これはGorge Angelwing登場のテーマとでも言える曲でした。続いて【BODY RHYTHM】【砂漠へ行こう】【TRAUMA】と3曲が続いてMCに突入。
「(気取った調子で)先日ひとりで海に行きました。水平線の向こうに夕焼けがきらきらしてとてもきれいでした。ふと見ると小さな女の子が歩いてくるんです。『名前は?』と聞いたら『ちぐさ』って言いました。5才ぐらいのその女の子に僕は『初めては僕だよ』そう言ったのです。5才でも女なんですねぇ、はにかんでいましたっけ。ふとみると向こうからその女の子のおかあさんが歩いてきました。27、8才のそのおかあさんと僕は・・・ヤッちゃいました。
僕の愛をお見せしましょう。僕の愛はここ(胸を指す)ではなくここ(股間を指す)にあります。愛って不思議ですよね。求めているときにはやってこないで、もういいやって思っているとくるんです。」
そういっているうちに女性がひとりレイを持って近づいてくる。うやうやしく(中世の騎士のような)おじぎをしてレイをかけてもらうビューティもといジョージ。さらにそれでは済まず「こっちへおいで」と言うや両手で彼女をきゅーっと抱きしめたではないか!! 場内に悲鳴がこだました!(この瞬間観客は向こう岸、いやアメリカ大陸までひいた、あ〜ぁ)
「それじゃ聞いてくださいSUMMER ENDS」曲が始まっても一度ひいた客はなかなかもどってくるわけがない。しらけた雰囲気のなか、曲だけが進行する(本人つらかったろうなぁ)。
2日目以降、この影の声とのやりとりは全削除、MC後半にビューティ自らによる「ジョージ・エンジェルウィング氏の紹介」が追加されることと相成りました(個人的にはこの影の声、すきだったんだけどなぁ)。そしてジョージ氏のキャラも次第にエスカレート、へったくそな日本語でのMC、アメリカ人特有(と日本人が感じる?)のオーバーアクションが加わってどんどんおもしろくなっていきました。
そうそう、『レイ渡し』の仕込みもレイをかけてもらうってだけに変更されていましたね(そーだよなー、客ひいたもんなー、悲鳴あがってたもんなー、あれじゃいくら『この人はジョージエンジェルウィングさん』って言っててもやばいよなー。)
三人芝居は練習不足?!
ここは賛否両論あるかとは思いますが、全体に(石井さんのほうの)練習不足を感じました。
「おい、サンピン・・・マスター、ビールくれよ」
「キリンサッポロバドワイザーとございますが」
「ハイネケン、君すきだったよな」
「(指を折りつつ)キリン、サッポロ、バドワイザー、とございますが」
「オリオンある?」
このへんのくだりはおもしろかったんですけどね・・・でもひっぱりすぎの感が。
「ピニャコラーダくれよ」
あたりからなんか石井さんにアセリの表情がみえてきて(別の意味でおもしろかったケド)。でもコータローさんのアクションはめちゃくちゃおもしろかった。そのぶん石井さんのほうの芝居がぎこちなく感じたのでしょうか。初日はキーワードを追ってる感じでした。よっぱらいっぷりも後日みたものとは大違い(笑)。これは初日にはありがちなことなんですが、ミョーに間があくというかスッとテンポよくいかないのがもどかしくて。
大きく変更、曲構成
もうひとつおおきな変更は曲構成にありました。いつものライブなら終盤はどんどんエキサイトして踊りまくる・・・はずがプレミアムショウタイムでは【HI TENSION LOVE】こそあったものの、最終曲が【朝日につづく道】でお客は消化不良気味。そのせいでしょう、「本日の公演はすべて終了いたしました」のアナウンスがあっても帰らずカーテンコールを要求し続けます。しかたなく(まさに『仕方なく』の風情)もう一度現れたビューティ&ドラゴンスレイヤーズ一同が上・下・中の順に礼、そして生声「サンキュー」でむりやりエンディングとなりました(このあともなかなか帰ろうとしなかったんだけどね)。
そこで最後に踊れる曲を、となったのでしょう。プレミアムショウタイムは1曲目が【朝日につづく道】2曲目が【SHOW ME】に変更されました。それにともなって【HI TENSION LOVE】が繰り上がり、全体に踊れる構成になっていきました。さらに3日目には【TRAUMA】がメニューから消え、全体の骨格ができあがったようです。
実はこの曲、3日目のリハーサルまではやっていた(聞こえたらしい)ようで、本番直前になって削除された様子でした。その証拠に当日のジョージエンジェルウィング紹介MCに「このあと2曲ぐらいは座ってみていただきたい・・・あ、あと1曲ですね。2曲目からは立ってもよろしいかと」というような訂正がありましたから(よくここまで聞いてんなー>自分)。
とまぁ短い間にコロコロと変更されたにもかかわらず(変更されたからこそ?)だんだんよくなる祭りの太鼓じゃないけどどんどん盛り上がって、最終日なんかはいているパンツがやぶけるほどの事態で大団円を迎えることとなりました。終わりよければすべてよし、ちゃんちゃん。
(初日のみ参加されたみなさま、心よりおくやみもうしあげます)
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