SPACE HAWAIIAN SHOWライブレポート

PART 3

この項は最終日(19日)の三人芝居を元に構成いたしました。

三人芝居

BGMにムーンライトセレナーデがかかる。すると上手から縦縞のシャツに蝶ネクタイ、黒の長前掛けをつけ完璧に『バーテンダスタイル』になったコータローが登場(頭にはインカム型マイクをつけている)。

(最終日はイキナリここで台詞「品川に通い初めて今日で6日、あなたのおかげでここまでこれました。今日もたくさんお越しですね。どうぞおすわりください・・・と言ってももうお座りですね。ようこそ、バー・ペパーミントへ。」)

ナレーション
「東京都下のスタンドバー・ペパーミント。今年三十路をむかえるマスターは、過去に傷を持ちながらもその正直さをとあるバーのマスターに見込まれこのスタンドバーを任されていた。今日も心に不安と焦燥を抱えた人々がペパーミントに現れるのだ。」


ステージ中央にバーカウンター、その右側に立つマスター。奥の扉から二人の男が入ってくる。二人ともベージュのコートにハンチング(in初日のみ)、一人は鞄(石井)、一人は(なぜか)ギター型のキーボード(勝又)を抱えている。

石井(以下、石):おぉここココ、ここ入ろう(ぐでんぐでんに酔っぱらっている)
勝又(以下、勝):大丈夫なの?
石:うー、・・・はぁぁ(奥を向いて立ちションの姿勢)
勝:おい、なにやってんだよ。
コータロー(以下、コ):お客様・・・
石:(戻って来つつチャックを上げようとする)イテテ・・・チャックひっかかっちゃったよ。(と勝又にあげてもらう)・・・うりゃ・・おまえ知らねーぞ、誰だ?
勝:なんだよ、忘れたのか?
石:サカキバラだな?(ヨロヨロ)・・・うー(奥を向いてゲロ)
コ:お客様!
石:(カウンターに戻ってきて)うー、ビールくれよ。
コ:お客様、まずお水をどうぞ。
石:なんだ?これ。
コ:まずお水を一杯。
石:水? 水かぁ(飲み干す)・・・ビールくれよ。
コ:失礼ですがお客様、かなり酔っていら・・・
石:いいからビールよこせよ! 酔ってません、オレは。酔ってませんって。ほら見ろよ、階段降りてますぅ(とだんだんと背を低めて歩く、逆に戻ってきながら)。ほらな? だからビールくれってんだよ。
コ:キリン、サッポロ、バドワイザー、オリ・・・
石:(かぶって)オリオンくれ。
コ:かしこまりました。
石:(驚いて)オリオンあるの?
コ:今日はそろえてあります。

(行けなかった方への種明かし:マスターが「キリンサッポロバドワイザー」と言っているのに客は「ハイネケン」だとか「エビス」だとか果ては「オリオン」だとかぐたぐた言うって構成になっていたのね。それがすんなり通っちゃったもんだから石井くんアセったの)

石:うぇ〜(吐く)・・・ごめん、あとで食べるから。
コ:缶のままでよろしいですか?
石:そのまんまでいいから。プシュ、こんなとこだけはっきりしてんの。(勝又と)はい、チア〜!(ぐびぐびぐびぐび←一気のみ)・・・このまんま捨てちゃお、えい!
(ガチャーン)
勝:あ、缶なのにガチャンってやっちゃった。
コ:(むっとした顔で客を見る。しぶしぶカウンターをくぐって缶を拾いに行く。)
石:よかったねー缶で・・・きれーにきれーに拭きましょう(といいながらカウンターを拭く)、きれーにきれーに。

(行けなかった方への種明かし:以前はバドワイザーツイストキャップ、とーぜん割れる音。コータロウくんはほーきもってそうじにいったのでした)

石:さんぴん、おいさんぴん!・・・あ怒ってる。マスター、もう一杯
石:(ヨロヨロ)おい、おまえにひとつ(といいながら勝又のいる側と反対方向に歩いてゆく)
勝:どこいくの?どこ。
石:ん? あーそっちか(戻ってくる)。だから部長になぁ・・・
石:・・・(間)・・・(コータローを見て、小声で)大丈夫ですか?
コ:いや見てたいなーと思って。
石:(小声で)必死なんですから。あなたの番です。
コ:同じものでよろしいですね。
石:うんグラスでくれ。
コ:(冷蔵庫からビール出して、棚からグラス下ろして、缶あけて、なぜかずーっと上からそそぐジェスチャー)
石:おいおい、そんなとこから注がなくていいんだからこのへんでいいんだからさぁ。あーあ泡いっぱいになっちゃって。
コ:(グラスをふくしぐさ)どうぞ。
石:グラスそっからこう、すーってやってくれよ。おれこっちで受け取るからよ。
勝:映画でやってるみたいに。
石:そうそう映画みたいに。だいじょうぶだから。おれ野球部だったから。ちゃんととるから。
コ:いきますよ(グラスを滑らせるジェスチャー)
石:(カウンターの長さの倍以上下がる)
コ:そんなさがっちゃって。
石:(めちゃタメ)あ!
(ガチャーン!)
コ:うちのカウンターそんなに長かったかなぁ。
石:君がいけないんだぞ。君がこっちをみるからおれも君のこと見ちゃったじゃないか。・・・怒ってるよ、謝った方がいいよ。
勝:すいません。
石:あやまってるからさぁ。許してやってよ。
コ:(カウンターをくぐって掃除しに行く。石井のいた位置まで(笑))
石:吉沢物産の件、君も知ってるだろう? オレがやったのに部長が横取りしてさぁ。人のことなんだと思ってるんだってぇの。(戻ってきたコータローに)さんぴん・・・マスター、ピニャコラーダくれ。
コ:(シェイカー[本物]をだす。)(石井に)なにやってんですか
石:(隠れて自分用のドリンクを飲んでいた)
コ:お客様、持ち込みはこまります
石:(絶句)・・・むせたから飲んだんだよ。
コ:(棚から2本ボトルを下ろす。そのままボトルを振り回す)
(ヒュンヒュンヒュンヒュン、ビュッ)
石:それじゃ店の外へ出ちゃうだろ。
コ:(ボトルを投げ上げる。店の裏木戸を開けて出て閉める。1回転してからキャッチ! また投げ上げて木戸を通って戻ってきてキャッチ! カウンターにタン!っふう!(アセをぬぐう)

観客やんやの大拍手。

コ:(コータロー、ここでなぜか石井の耳元に近づき耳打ちする)
石:インカムが効かなくなったぁ? しょうがないからそのまんまやれよ!

客席から「もう1回見せて」と『もう1回コール』が起きる。

コ:(生声で)いいの?(ふたたびボトルを取り上げ今度は花道のほうへと出ていく。)
(ヒュンヒュンヒュンヒュン、ビュッ)
石:そんな涙浮かべながらやんなくても。だからノリすぎだって。
コ:(再び戻ってきてボトルをおく、背中越しにシェイカーに注ぐ)
石:こォんなこと(背中に手)やんなくたってこれ(普通につぐ)でいいじゃねぇか。だいたい歌ってないでしゃべっててのどつぶしてたら本末転倒だよ。(スタッフがコータローのインカムを直しにくる)ここで直すなよー。・・・いろいろあるよな社会はな。・・・(思いあまって)ピンニャコラ〜ダ、ピンニャコラ〜ダ、ピンニャコラ〜ダよぉ(手の振りつきで歌い出す)

観客即座に手拍子をアワセる。

石:(客に向かって)やめろよぉ。なんとかつなごうとしてんだから。・・・(といっても何も思いつかない様子、しかたなく)ピンニャコラ〜ダ、ピンニャコラ〜ダ、ピンニャコラ〜ダよぉ、ぷっ(自分でふきだす)。(コータローにむかって)だいたいそっちがアレだから苦労してんだから。
コ:ハイ。あ直った!(ノリノリでシェイカーを振る。振りながらよこ移動。ずーっと端まで行って戻ってくる)

(15日のハプニング、ノリノリでシェイカーを振った結果、シェイカーの上半分がとれてしまってた。観客は「あー!」 石井は「上とれちゃってるじゃん」・・・一瞬ひきつったものの芝居を続けるコータローくん。エライ!)

石:もう乱れちゃって。あとあとひびいちゃうよ。・・・そんなにやったらあったかくなっちゃうんじゃないの?
コ:(シェイカーからグラスへ。注ぐときに右手に左手を添え十字にして注ぐ)
石:こんなこと(手を添える)しなくてもこれ(普通に注ぐ)でいいだろうまったく。・・・ここまででかぁなり疲れた
石:これ?ピニャコラーダ。なんかないの添えるものが? パイナップルかなんか。
コ:(カウンターの下からパイナップルを出す。かなり大きく重そうな雰囲気)
石:こりゃまたずいぶんと大きなパイナップル持ってきたなぁ。そんなのあるのか? 丸ごと1個はいらないよ添えるだけなんだから。
コ:(日本刀[(ジェスチャーじゃなく)本物]をとりだす。1度両手でささげもって拝むと鞘をぬく。)
石:おいおい、ぶつそうなもん取り出したなぁ。どうすんだよおい。
コ:(おおきく振りかぶって上段の構え、そこからちいさく振り下ろす)
(トントントン)
石:なんかすごいもん取り出したわりにはやることが小さいよね。なんか彩りとかないの? 白に白で、赤いサクランボみたいなのないの?(このへんすでにヤケクソ気味の石井くんであります)
コ:(取り出す)
石:それプチトマトじゃないの? サクランボないの?
コ:うちはイタリアン・ピニャコラーダですから。(といいつつ距離を測って下がる)
石:ふーんイタリアンなんだってさ。・・・おいおい、なにさがってんだよ。
コ:(数メートル下がって後ろを向きひざまずく)
石:後ろをむくなよぉ。
コ:(その姿勢のまま後ろに投げる)
(シュッシュッ、トントン)
石:あーぁ跳び散っちゃって半分ぐらいしかないよ。
コ:(グラスをふいて渡す)
石:今度さ、オレが滑らせるから、マスター受けてくれよ。大丈夫だって。野球部だったんだから。
コ:お客さんどちらのチームだったんです?
石:オレはサッチーの野球チームにいたんだ。途中でクビになったけどな(笑)。それはいいから、いくぞ。あ!
(ガチャーン)
石:君がいけないんだぞ。君の肩にフケがついてるのが目に入って手元がくるったんだろ。・・・怒ってるよ。謝った方がいいよ。
勝:すいません。
石:謝ってるから、あやまってるからさぁ。
コ:(黙って掃除しにカウンターを出る)
石:飲まないの?それ。じゃおれがもらう。・・・君、あたりめ食う?
勝:うん。
石:あたりめ作ってくれよ。
コ:(するめを取り出し、マヨネーズをうにゅ、七味をパラパラパラ、で渡す)
石:実は今日君に来てもらったのはさぁ、わけアリなんだ。仕事のこともあったんだけどさぁ、実は女のことでさぁ。・・・なんかつりあわないっていうかさぁ、オレ学習院だからオレ自身がブランドじゃない? だからどうしようかと思って。・・・あたりめいらない、返す。こんなこと話してたら胃が痛くなってきちゃった。だって食べてないんだから。君が返してよ、君が食べたいっていったんじゃん。
勝:やだよ。
石:あたりめいらない、返します。返すったら(と皿ごと投げる)。(コータローに)君がいけないんだぞ、受けないんだもの。
コ:バラバラになっちゃって。(いやそうに掃除する)
石:その女がね、昔西日暮里にあったブラックキャッツっていう暴走族のボスとつきあってたらしいんだ。
コ:(聞き耳を立てる)
石:そんでその女が、対抗する暴走族のボスとできちゃって、こっちの男がもうひとりの男を刺しちゃったっていうんだ。そんでしばらくム所暮らししてたんだけど最近出てきたらしくて、ペパーミントっていうちっちゃなバーやってるんだって。そこから毎日のように電話してくるらしいんだ。こわいよなぁ、オレだって刺されちゃったらいやだもん。

(ここのくだり、最終日はさすがに早口になってました。のびたからねー)

コ:お客様、その女性のお名前はなんと?
石:やちよ(in初日)ちぐさ、っていうんだけど。
コ:(ショック!の表情、よろめく)
石:だからさ、今日はそういうことみんなやめちゃえと思ってさ(と言いながらカウンターの前へ)。部長の『ばかやろー』。君も言えよ。ちぐさの『ばかやろー』。そっから相手の男の『ばかやろー』。はぁすっきりした。
コ:(『ばかやろー』の台詞と同時進行で、再び取り出す日本刀。例によって両手でささげもって一礼。鞘を抜く)
コ:(カウンターの前に出て、2人とも袈裟懸けに斬る)
石:(斬られながら出口へ)こっからピニャコラーダ出ちゃった。君はどこいくの?
勝:アルバイト。ドラゴンスレイヤーズってとこで。(下手のキーボードの位置へ)
コ:(刀を見ながら)またやってしまった。

ここから【女嫌い】へ。途中に入っているコータローくんのラップ(っつうのか?)がお経チックで笑える。途中「ちぐさぁ〜!」って絶叫がさらに輪をかけておかしい。刀を使った立ち回りというか振りで、昔見た『男同士』を思い出してしまうのはナゼ? それはともかく上・下・前・後とステージ全体をフルに使って見せてくれました。
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もう帰りたい


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