先生:(奥の扉から備前饅頭朗登場。顔に「爺」の面をあて右手には紫の房のついた金色マイクを持っている。)
古林:(上手に行こうとしてる先生を押しとどめつつ)先生こちらです
先生:これはこれは。アキコさんじゃありませんか。何十年ぶりですかねぇ。まぁ美しくなられて。(in 6/3 at大宮)
古林:(襟抜きをし、しなをつくる)
先生:会長さん、会長さん、私はスピーチは2番でいいですから。看護婦さん、こんなちっちゃいコップじゃだめだよ。あふれちゃいますよ。
古林:まぁおじいちゃんたら。
先生:社長、社長、まぁ一杯。どうもどうも。看護婦さん、このコップじゃだめだよ。社長、じゃぁいただきます。(飲み干す)。看護婦さん…
古林:たかし!いーかげんにしないと、とうちゃんネギ食わすぞ!
先生:(赤ちゃん帰り)あのね、ぼくね、ネギいやなの。だからね…
先生:古林!
古林:おかえりなさい。待っておりました。
この大宮で新たな挑戦が多数行われたことは注目に値する。どうもオチへの段取りを考えずに済むという状況が先生をどんどん駆り立てるらしい。その分古林の軌道修正が重要なわけだが…。先生のぶっとびっぷりにヤラレっぱなしの古林、この日初めて弱音を吐く。
先生:古林!ここはどこだ? なんでみんな集まっているんだ。
古林:先生のリサイタルじゃないですか。
先生:リサイタル?それは英語じゃないか。
古林:すいません、公演会でした。
先生:そうか公演会か。・・・古林、立ち位置はどこだ?
古林:こちらとなっております。
先生:(ずーっと上手でポーズ)【挑戦1】
古林:先生。私も段取りの人間なんで、打ち合わせにないことをされると困るんですが。・・・先生、こちらとなっております。
先生:(ポーズ)
古林:先生、穴の話はよろしいんで?
先生:おう、そうか。…あんなところにでっかい穴が。いけません奥さん。そんな大きな穴を…
古林:先生、これはサックスという楽器…
先生:できません!できませんって。
古林:だからサックスという楽器…
先生:できません
古林:楽器なんですから。
先生:なんだ、楽器か。
先生:(もどってきつつ)なんで毎回穴の話をしなきゃならないんだ?
古林:先生、最初に決めたことですからやっていただかないと。
5月20日、21日、6月3日と先生は『穴の話』を毎回忘れ、古林に指摘され続けていた。たぶん飽きていたのだろう。
先生:古林、立ち位置はどこだ?
古林:こちらとなっております。
先生:ここか(と言いつつ、キメポーズに迷う。扇子とマイクを持ち替えつつさんざ迷ったあげく、ポーズ)
古林:そう、ぐーっと引いていただいて。そのまま、そのまま動かないでくださいよ。それではバンドさん、おねがいいたします。
(イントロ、男同士始まる)
古林:(歌中の台詞)どろぼうさんだぃ!(エコー)
先生:あー回る、回るよ。どろぼうさんが、あー!(よろけつつ奥に向かう。銅鑼に激突。)
本当に激突して台ごと倒れた(in 7/1)ことも。それも向こう側にではなく先生の上に降ってきたためスタッフがダッシュしてくる姿が見られた。
古林:先生!大丈夫ですか?
先生:痛ぇ!痛ぇよ…いてぇんだよ。おれぁ日本にいてぇんだよ。シベリアなんかにゃ行きたくねぇんだ…あ、くまさんだ。くまさんがいるよ。…ゆういち、これがキリンだよ。こっちがカバ、それからサルもいる。そうだサルを見に行こう。ほら、いた。
古林:(先生の目線の先に入り込みサルのまね、毛繕いとかして)
先生:(古林を無視し客席を見て)ゆーいち、こっちにいるのはサバ、ずーっとサバだよ。(客に手を挙げさせ『フラミンゴだよ』in 7/1)くまさんがきた。
古林:(言葉をはさむ隙がなくウロウロ)
先生:おまわりさん、おまわりさん(in 7/1)。あのー、こないだ…
古林:(敬礼)はっ、本官でありますか。
先生:わたしは気になって気になってしょうがないんですよ。ね、おまわりさん。
先生:えーとー、ちゃぶ台はこっち包丁はこちら、それから段ボールにカーテンが入っているから、それはあとで私がやりますから。よし!引っ越し終了!(膝を扇でポン)
先生:(いきなり跳ねて踊り出す)【挑戦2】
古林:せ、せんせ? な、何か見えてるんですか?…(絶句)
先生:(踊り終わって)あーねぶた祭りは楽しいなぁ(疲れるなぁ in 7/1)。
先生:古林、お前がとめないでどうするんだ。
古林:おかえりなさい(土下座 in7/1)。日々新しいキャラクターが出てきて…古林、もう限界です(膝に両手をついてがっくりと肩を落とす in6/3)
先生:おれもつらいんだよ。
筆者が見た5/20と6/3までの間に大きな変化があったらしい。その倍速回転と言っていいほどのキャラ転換に、本当に疲れたらしい古林、背中の汗染みも痛々しい(笑)。
7月1日には古林が「先生、わたくし先生に一つだけ質問がございます。日に日にキャラクター転換のスピードが増しているような気がするんですが、どうしてでしょうか?」と土下座したまま質問。先生はこれには答えず。
古林:今までの状況を説明させていただかないとおわかりにならないと思いますが。まずは先生、ここは東京だという認識はございますか?(in 7/1)
先生:なに?福岡じゃなかったのか。
古林:ここは東京なんです。で、本日は先生の公演会でして、楽屋での打ち合わせでは本日先生には『男同士』を3番まで歌っていただくと、こういうことになっていました。
先生:(古林に向かって下をぺろぺろ)
古林:(ふきだす)…先生、この距離でしかわからないギャグやらないでください。(in 6/30)
古林:それでですね、先生聞いてらっしゃいますか?(先生:うん)それで「どろぼうさんだ」の「だ」のポーズのところで先生はどこかへお出かけになってしまいました。ですからどろぼーさんだの『だ』のところから始めたいと思うんですが。
先生:どろぼうさん、だ!のところだな。そのポーズはどのポーズだ? このポーズかこのポーズかこのポーズか、それともこのポーズかこのポーズか?(と、どんどんポーズを変えていく)【挑戦3】
古林:(どうしてよいかわからず固まる)
客席:爆笑
古林:先生、このポーズでおねがいします。
先生:こうだな(ポーズ)…看護婦さん(ボソッ)
古林:先生、その言葉を聞いてしまってはわたくし先には進めません。(in 7/1)
先生:だいじょうぶだから。
古林:大丈夫ですね。それじゃいきますよ。
先生:(古林の台詞とカブって)校長先生…
古林:(気づかず)ではバンドの皆さんよろしくお願いいたします!
−『男同士』演奏復活−
先生:(演奏終了、おじぎをする)
古林:どうもありがとうございました。これからも備前饅頭郎、備前饅頭郎をよろしくお願い申し上げます。備前饅頭郎…
先生:(よろける)あー!目が、目がみえねえ。(倒れる)なんにも見えねぇ。古林、どこにいる?
古林:先生、こちらに控えておりやす。
先生:あーなんにも見えねぇ。あ、カラスが飛んでいく。(新国劇のような芝居がかった口調で)…古林、俺ぁもうだめだ。この備前饅頭郎は今日でお終ぇだ。明日っからおめぇは古林旭なんかじゃあねぇ。俺に代わって2代目備前饅頭郎となるんだ。名前は『備前小饅頭郎』。
古林:備前…こまんじゅーろう、ですか。
先生:デビー(=デビュー)曲はそうだな、今『孫』ってぇのがシット(=ヒット)してるから、『ごま』ってぇのはどうだ。
古林:『ごま』、ですか。
先生:小さくても大きなエナジー。
古林:小さくても大きなエナジー…。
先生:あ、あ、あー(すわったままの姿勢でぴょんぴょん跳ねる)(倒れる)
古林:先生〜!(絶叫)
先生:なんだよ!(起きあがる)今いいとこなんだから、泣くとこなんだから。…あっ、あー(倒れる)
古林:先生〜!(絶叫)
客席:(一斉に)せんせ〜!
先生:(客席に向かって)なんだよ!声かけてくるなよ、こっち(自分と古林を指す)でやってんだから。(古林に)お互いの関係性でいこうよ。(客席に)泣けよおめーら!
先生:もういい、もういいから。ひとりで死ぬから。ほっといてくれよ。
古林:(ギターのところへ行きコンダくんと雑談)ほんっと夏ですねぇ…暑いですよねぇ。その弦、鉄なんですか?等々
先生:あ、あー!(倒れる)…(古林の尻に向かって扇子を投げる)なんだよ。こっち見て、俺がここで死ぬから『先生!』て言えよ。ここはみんな泣くとこなんだから。盛り上げてくれよ。
古林:(向き直る)
先生:もうだめだ…あー!(倒れる)
古林:先生ぇ〜!(絶叫、よろける)
(効果音:オープニングのダンサー登場時と同じ−チャンチャチャーン、チャ、チャ、チャ、チャーン− が流れる)
先生:(起きあがりながら)午後から尿検査があるんだった(すたすた下手へ去る)
古林:せんせぇ…
−古林旭改め小備前饅頭郎(in 4/29)の歌う【チャイナシンドローム(in 4/29)】へ− (初日のみ芸名と曲名が違っていました。)