PIA ONE NIGHT SPECIAL LIVE -AMMO-NIGHT 2001-ライブレポート

PART 1

11月6日、赤坂BLITZで行われた『PIA ONE NIGHT SPECIAL LIVE - AMMO-NIGHT 2001』のライブレポートです。


開演前の赤坂BLITZ前

【ここってクラブ?】

 ステージ前には白いスクリーン(遮幕)が張られ、速いビートの曲をバックに映像が流されている。なんだかどこかのクラブに迷い込んでしまった感じ。スクリーンの映像は、レースのテーブルセンターのようなパターンや椅子(の一部)、タイポグラフィ、雲、タイル状に分割された高層ビル群、ハニカム構造、などめまぐるしく変わる。それらが同時に二重にも三重にも重ね合わされたりしている。

 投影されるイメージのわずかな透写によってステージの様子がうっすらと見える。中央に配置されたのは黒い三段の階段の上の小さなステージ、背後には白抜きでライブ名を示したボード、そしてその上には大きなアンモナイトのオブジェ。左右奥には白い柱が配され、上手側にはドラム、下手側にはピアノとキーボードがセットされている。

 客入れの時点で始まっていたこの音と映像、延々続いているので同じパターンの繰り返しかと思いきや、見ていると微妙に変化していて全く同じという瞬間がないのに気づく。これがVJというものか。

 開演が近づくと音に変化が訪れる。ブーンという低音が身体に響く。その瞬間映像も金色の光の輪のパターンへと変化した。そしてLov'in Youのメロディが広がる。女性ボーカルのみにリミックスされたそれは、さっきまで身体全体で低音のビートを受け止めていた客には心地よい衝撃だった。そしてボイスチェンジャーを使った甲高い声のアナウンス。
「…ヒップでホップな夜をたっぷり楽しんでいってください。ヒヒヒ」最後の笑い声で声の主がビューチーであることが判明(笑)。

 続いてスクリーンには月の映像が映し出される。細長い上弦の月だ。そして雷鳴、バックはアジアっぽいストリングスの音へと変化している。
 同時にステージにもうっすら明かりがつく。下手から長い黒革のコートつば広の帽子を目深にかぶりアンモナイトのオブジェと携えた人物が現れる。中央の壇を上がるとオブジェを降ろしコートと帽子を脱ぎ去った。そこにいたのは赤いベリーダンスの衣装をまとったマリーザだった。

 中東っぽい弦の音をバックに妖しく腰をくねらせて踊るマリーザの前で、上弦の月であったそれが次第に膨らんでいく。映像と実物とのコラボレーションがすばらしい。

 次いで英語のイントロデュースが始まる。例によってボイスチェンジャーがかかっているためほとんど聞き取れないが、マリーザのゼスチャーによると今夜のライブと出演者の紹介をしているらしい。ゼスチャーがちょっとコミカルなので話の内容が聞き取れないのが残念で仕方ない。その間映像は石井とおぼしき人物の手や目のアップが映し出され、ミュージシャンが位置に着く。

【意外なところからびゅーちー登場】

 ♪Dragon's heart flying sky high、のリフレインでいよいよ期待は高まる。スクリーンが落ち照明がつきマリーザが中央壇上で黒い布をひらひらさせている。すわ、あそこから登場か!と注目していると、なんと下手ソデから出てきたビューチー。だまされたぁ。(ビューチーの衣装はといえば、燕尾服のように後ろが長くなった深紅の上着にインナーも深紅のシャツ、赤と黒のスカーフをネクタイ風に巻き下は黒のピタパンでした)

 一斉に上がる歓声。いきなり歌い出す、これは『りんご追分』? ファンクっぽく色づけされていて一瞬とまどうが即座に歓声を上げる観客たち。途中の台詞(御岩木山のてっぺんに)はデジタルっぽく金属的なひずんだ感じにボイスチェンジされている。そのとき上手からマリーザ登場、ずーっと彼女を目で追うがそのままゆっくりと下手へ歩き去るだけだった(笑)。

 続いてはしっとりしたイントロが流れる。『京都慕情』だ。バンドは直立不動状態、つまりカラオケ。1コーラス歌うと突然バックはヒップホップに変化。ビューチーも歌い方を変えながらの熱唱であった。筆者が個人的にツボったのはソプラノサックスを奏でるFLASH金子、吹きながらほとんど踊っている(笑)。

 2曲終わってMCタイム。まずはメンバー紹介。近田潔人(g、上下赤のスーツ上着の両肩から下に向かって黒の破線が一本とおっている)、FLASH金子(Sax、赤のブレザーに黒のシャツ&黒パンツ)、竹田ヒロキ(b、膝下まである赤のロング上着に黒パンツ)、ケニー・モスリー(dr、赤のロングTシャツに黒のショートパンツ)、バンマス渡辺タカヒロ(key、赤のブレザー&黒パンツ)とダンサーマリーザ。

「(フロアを見渡して)今日はね、みなさん赤と黒で、もちろん僕らも赤と黒ですけど。なんだか建物の一部になってるみたいじゃないですか?ねぇ。」

「それからドラゴマニア、この本はもうすごいですよ。もう毛は見えるわ、ものすごいことになっています。私も写真週刊誌、じゃねぇや写真集をいっぱい見ていますが、そのうちの200冊にはいるという出来になっています。」とDRAGOMANIAを持ってきて客に見せる(発売日1日前でしたが会場内で販売していました)。遺影のように身体の前に捧げ持っていたため、自分で「なんか死んじゃった人みたいですね」とも。

「最近僕が凝っていることがありまして(と奥の箱から腹話術の人形をもってきて)私は腹話術が好きで、このあいだも一刻堂さんにみていただいて『あなたはいいものをもっている』と言われまして。私の腹話術はすごいですよ、口が動いてしまうという腹話術ですから。ではフクちゃんに出てきてもらいましょう」

「こんにちわフクちゃん」「(裏声で)こんにちわ」「フクちゃん今日もいっぱいのお客さんだね」「そうだね」「フクちゃん今日も頑張ろう(と言いつつびゅーちーの股間の辺りでフクちゃん、カクカクカクカク)…今夜もフクちゃんは絶倫です」

「フクちゃん、次の曲はどうしようか」「次の曲ね」「自分の歌歌おうかな」「自分の歌?君がいるだけで」「え?それは」「ぼくわかんないやぁ」「このぉ!(上手ソデに思い切り投げつけられるフクちゃん)」「次の曲、LIBIDO!」

 ということで『LIBIDO』へ。マリーザが赤のパンツスーツ(?)で登場し、中央奥で踊る。この上下のツーショットが絵的にいいんだわぁ。続いて『FUNKY GOVERNMENT』途中のお願いセリフが「プリーズ、ミスタ・ブッシュ、ミスタ・ゴア!」だったのがアメリカ大統領選挙さなかとあってタイムリー。狭い空間でも必死に踊る観客、みなさん筋金入りです。

 暗転でいったん退場したビューチー、黒ベルベットの長上着に着替え"空へのオマージュ"に座っての再登場です。となると曲はこれ『WHITE MOON IN THE BLUE SKY』。イントロが始まるとマリーザは前へ出てきてビューチーと2人揃ってのイントロ踊りを繰り広げます。  続いてフーゥフーゥ!のコール&レスポンスで始まるのはご存じ『HI TENSION LOVE』。♪Borderless just you〜で手を上にあげると短い上着の隙間からおなかがぴっ!(前で見ていた方々オイシかったですねぇ)ここでは金ちゃんがアコギに持ち替えていました。


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